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【夏花】芳香豊かなトロピカルフラワー「プルメリア」の鉢植えの育て方&イチ推し品種

【夏花】芳香豊かなトロピカルフラワー「プルメリア」の鉢植えの育て方&イチ推し品種

トロピカルなイメージの代表花「プルメリア」は、世界の熱帯地域で親しまれている熱帯花木で、近年のハワイアンブームなどの影響で、日本でも鉢植えを入手することができるようになりました。日本で育てられるプルメリアの特徴や季節に合わせた育て方、コンパクトに鉢植えで育てるのにおすすめの種類について園芸のプロが解説します。身近に育ててトロピカルな香りを楽しみましょう。

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プルメリアの基本情報

プルメリア インカゴールド
‘インカゴールド’

プルメリア(Plumeria)は、キョウチクトウ科プルメリア属に分類され、熱帯アメリカ原産の常緑、または落葉性の花木です。高さは、4〜10m。過湿を嫌いますが、乾燥には強く、多肉植物に近い性質です。意外と手間いらずで長期間開花するので、世界の熱帯地域で広く栽培されています。

フランジパニの別名でもよく知られ、ラオスでは国家とされ、チャンパーと呼ばれています。また東南アジアでは墓地やヒンズー教などの寺院に多く植えられ、テンプルツリーの名もあります。

プルメリア
Lungkit/Shutterstock.com

寒さには弱く戸外では越冬できませんが、室内に置いて断水すれば比較的容易に冬越しできます(詳しい育て方は後半で解説)。

温暖な沖縄では地植えで育ちます。ただし強風に弱く、台風が直撃すると大きく育ったプルメリアは根元から折れるなど甚大な被害を受けるので、沖縄などでは思ったほど植栽されていません。

枝などを切ったときに出る白い乳液は毒性があり、服などに付くとシミになるので注意が必要です。

プルメリアの花と香り

プルメリア
glenrichardphoto/Shutterstock.com

プルメリアの花はフローラルな甘い香りがするのも魅力で、香水の原料にもなっています。また、ハワイをはじめ、タヒチやフィジーなど太平洋の島々では、プルメリアの花がレイにも使われています。

花色は白のほか、ピンクや赤、黄などがあります。またその複色の花も多様にありますが、中央が黄色の花が多いです。

ハワイで親しまれているプルメリア

プルメリア
Phillip B. Espinasse/Shutterstock.com

ハワイでは「Pua melia(プアメリア)」の名でも親しまれ、オアフ島のココクレーター植物園に、多くのプルメリアがコレクションされています。サボテンなど多肉植物がよく育つ乾燥気味の気候ですが、プルメリアも元気に育っています。

プルメリア
Nikita M production/Shutterstock.com

ハワイでは、レイは観光客を歓迎するためのものだけではなく、暮らしている人々のさまざまな日常のシーンでも使われます。プルメリアもレイを作る花材として、農園などでも多く栽培されています。

また、花心付近が黄色い白花の栽培品種である‘シンガポール’は、街路樹としても多く植えられています。近年のハワイアンブームから、日本でもハワイをイメージさせる花としてプルメリアの人気が高まっているので、これからあちこちで見かける機会も増えそうです。

プルメリアの種類

プルメリア
SEEDA/shutterstock.com

よく栽培されている品種は、インドソケイの和名があるプルメリア・ルブラ(P. rubra)とプルメリア・オブツサ(P. obtusa)です。またその園芸品種も多く栽培され、プルメリア専門のナーセリー(ジャングルジャックプルメリア https://www.junglejacksplumeria.com/)などで新しい品種も盛んに作られています。

プルメリア・オブツサ  Plumeria obtusa

プルメリア・オブツサ
Kruch Elizaveta/Shutterstock.com 

キューバ、ユカタン半島原産で、高さは4~6m。葉先が丸いことからマルバプルメリアの和名があります。常緑のプルメリアとされますが、強く乾燥させたり冬の低温下では落葉します。

セラダイン   Plumeria ‘Celadine’

プルメリア セラダイン
Meidiyanola Kartika/Shutterstock.com

葉先が尖る園芸品種で、白い花の中央に黄色が多く入ります。丈夫でハワイで多く栽培され、レイの材料によく使われます。

日本で育てるなら矮性品種がおすすめ

プルメリアの矮性種

従来の品種は、枝が分枝せずに1m以上伸びて開花し、大株でも枝数が少なく毎年花が咲かない場合も珍しくありません。分枝性が悪い反面、枝がよく伸びるので、家庭で鉢植えとして手軽に楽しむには不向きな植物ともいえます。

近年は30cmほどの高さで開花する矮性品種や分枝性に優れる品種が登場しているので、家庭で育てるには、以下でご紹介する品種を選ぶとよいでしょう。よく分枝するので花もよく咲き、10号鉢以上の大株に仕立てると見応えがあります。また台風の到来が毎年予想されるので、矮性の品種なら強風による被害も少なくなります。じつは、プルメリアの花色はとてもバリエーションが多く、コレクションする楽しみもあり、プルメリアを集めたイベントも開催されているほどです。

プルメリア初心者でも鉢植えで育てやすく、美しい花が楽しめるおすすめの品種を2種ご紹介します。

ディヴァイン

プルメリア ディヴァイン

トロピカルムード満点の花は、グラデーションがかかる美しい色合いで、プルメリア栽培デビューにもおすすめです。丈夫で花付きがよく、育てやすい点でも人気の品種です。

ミニホワイト

プルメリア ミニホワイト

花付きがよく、他の品種と比べても特に矮性でコンパクトに育つうえ、丈夫。この品種も、プルメリア栽培デビューにイチ推しの品種です。

適した栽培環境と置き場所

日光がよく当たる場所が適します。半日以上日光が当たる場所に置いてください。暗い場所に置くと花が咲かなくなり、枝も細く伸びて軟弱になります。冬の間、室内に取り込んでいた株は、5月のゴールデンウィークくらいを目安に戸外で育てます。

<強風対策>

枝の先端部に葉が集中するので安定が悪く、鉢が倒れやすいです。茎が柔らかいので、倒れると折れてしまうこともあります。鉢転倒防止用のストッパーを使うか、柱など支えられる場所に枝を括りつけるとよいでしょう。

台風や暴風雨が予想される時は、前もって室内に避難させるのが確実に安心です。室内への移動ができない場合は、あらかじめ鉢を倒しておきます。そして、その上にシートなどを被せるとよいですが、中途半端に固定するとシートが飛んだりバタついたりして被害が拡大することがあるので注意してください。

プルメリアの育て方と手入れのポイント

プルメリア
norinori303/Shutterstock.com

<水やり>

表土がしっかり乾いてから、たっぷり水やりしてください。よく乾燥する夏は、水やりの際に葉全体に水をかけるようにすると、ハダニなどの害虫の発生が防げます。

過湿にすると根腐れしやすく、また樹姿が徒長気味になって軟弱になり、花付きも悪くなります。

春から6月までは、特に過湿による根腐れや病気などのトラブルが発生しやすい時期です。水の与えすぎに十分注意し、5月はやや乾かし気味に管理したほうがよいでしょう。

<肥料>

大きく成長させて花をたくさん咲かせたい場合は、5~10月にリン酸分の多い化成肥料などを規定量か、やや少なめに与えてください。窒素肥料が多いと枝ばかり伸びて花が咲きにくくなります。

肥料を控え気味に育てると枝の成長が抑えられ、コンパクトで引き締まった樹姿になります。矮性品種なども、液体肥料を7〜10月に月1回のペースで、規定量を与えればよいでしょう。

<剪定>

分枝が少ないので、ほとんど必要ありません。むやみに剪定すると、長期間花が咲きにくくなります。大株になって枝が密集しすぎたら、軽くすかすように切るとよいでしょう。

伸びすぎて仕立て直したい場合は、株元から30~50cmの位置でバッサリと切り戻して大丈夫です。ただし、開花まで2~3年かかる場合が多いです。

<植え替え>

5~9月に、1~2年の間隔で植え替えをしますが、過湿を嫌うので、大きすぎる鉢を使わないようにしてください。大きめの鉢を使った場合は、鉢底石を多めに入れて水はけよく植えるようにしましょう。

<用土>

水はけのよい用土が適します。販売されている鉢植えは、水もちのよいピートモスを主体とした用土に植えられていることがあります。ピートモス主体の土では水分過剰になりやすく、初心者の場合、立ち枯れなどの病気や、冬越しの失敗などのトラブルが多くなります。

用土としては、多肉植物用の培養土が手軽でおすすめです。また、一般的な培養土を使いたい場合は、赤玉土中粒を3割程度足すとよいでしょう。

自分で配合する場合は、赤玉土小粒に腐葉土3割、川砂1割を配合した用土、また6~8号鉢以上は赤玉土中粒を使うのがおすすめです。水はけのよい用土を使うことが、失敗なく簡単に育てるための大きなポイントになります。

プルメリア栽培のコツと注意事項

プルメリア
melissamn/Shutterstock.com

<病害虫>

害虫の発生は少ないです。乾燥した場所では、ハダニが発生することがあります。水やりの際に勢いよく葉水すると、発生を防ぐ効果があります。

過湿にすると立ち枯れ病などが発生しやすくなります。梅雨時は、鉢を雨の当たらない場所に移動すると安心です。

春によく多発するのは、枝先が黒くなって枯れるブラックティップと呼ばれる症状です。大株は枝先が枯れるだけですが、小株はそのまま根元まで腐って枯れてしまうこともあります。プルメリア・オブツサとその系統に多く発生します。6月までは雨が当たらず、日当たりと風通しのよい場所に置くのが理想的です。

<冬越し>

11月までに室内に移動してください。水やりの間隔をあけて徐々に減らし、葉が落ちたら断水します。

15℃以上を保つと落葉しませんが、冬に落葉することでさび病やハダニの発生を防ぐことができます。断水している間は、日光に当てる必要はありません。部屋の中央付近など、温度が下がりにくく温度変化の少ない場所が適します。床からの冷え込みが予想される場合は、発泡スチロールの中に入れたり、断熱シートなどで覆うとよいでしょう。

3月頃から室内の日光が当たる場所に置いてください。ただし急な冷え込みが予想される日は、窓から離れた部屋の中央付近に移動すると安心です。葉が3~4枚になり勢いよく成長を始めたら、水やりを再開します。はじめは表層を濡らす程度の量を与え、徐々に水やりを増やしていきます。

<プルメリアの挿し木>

プルメリアの挿し木
faithie/Shutterstock.com

4~8月に、挿し木で簡単に増やすことができます。挿し木は、先端部の充実したやや木化した枝を使うと理想的です。20~30cmほどの長さに切り、日陰に置きます。2~3週間して、切り口に小さなコブのようなカルスができたら植え付けてください。温度が低い4月頃は、カルスができるまで時間がかかる場合があります。鉢は4~5号の深めの鉢(腰高鉢)などを使用し、用土は赤玉土小粒など、清潔で排水性のよいものが適します。

挿し木後に水やりし、その後は表土が乾燥してから水やりします。置き場所は、室内の明るい場所に。7~8月は、戸外の軒下など雨の当たらない涼しい場所がよいでしょう。

海外のお土産用プルメリアの枝に注意

ハワイまたは東南アジアからのプルメリアの苗や枝は、日本向けの検査証明書がないと国内に持ち込めません。これは、ミカンクロトゲコナジラミの日本への侵入を防ぐための措置です。お土産などの販売店で枝が売られていますが、気軽に土産として持ち帰らないように注意してください。

プルメリアを地植えする場合

プルメリア
Koko Hary/Shutterstock.com

5月から10月の期間限定ではありますが、庭などに地植えして育てることもできます。植え付ける際は、周囲より20~30㎝ほど高くしたレイズドベッドや畝などに植えると水はけがよく、立ち枯れや徒長を防げます。

植える場合、プルメリアの株は、中~大株を植えたほうが失敗が少ないでしょう。水やりの心配がなく手間いらずですが、強風に注意してください。台風が到来する場合は枝が折れる心配がありますが、少し掘り起こして寝かせると被害が防げます。

秋に掘り起こして鉢植えにする際は、赤玉土だけか、赤玉土にパーライトを3割程度混ぜた用土を使用するのがおすすめです。温度が低下していく時期の植え替えなので、腐葉土などの有機物を入れると根腐れする可能性が高くなります。

丈夫で手間いらず! プルメリアを咲かせて自宅でリゾート気分

プルメリア
‘カリフォルニア・サン’

プルメリアは生命力が強く、手間いらずで丈夫な植物です。初心者で栽培に失敗している人は、通常のピートモスが多い水もちのよい培養土で大きめの鉢で育てている場合が多いようです。多肉植物のような花木と想定して、水はけのよい用土で育てて冬は断水すれば、意外と育てるのは簡単です。矮性の品種など種類を選べば花もよく咲きます。プルメリアの栽培にぜひ挑戦して、トロピカルな美しい花と甘い香りを身近に楽しんでください。

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