ルドベキアとエキナセアは似ているようで違う! 2種の特徴と違いを解説

Oleksiichik/Shutterstock.com
ルドベキアとエキナセアはどちらも初夏から秋にかけて咲き、花の形がよく似ているので、街などで見かけた際にどちらの種類か分からなくなってしまうこともあるかもしれません。
この記事では、ルドベキアとエキナセアの違いやそれぞれの特徴について解説。これを読めば、両者の見分け方のポイントがバッチリ分かります。
ルドベキアとエキナセアの共通点

夏にも元気に花を咲かせるルドベキアとエキナセア。そんなルドベキアとエキナセアが間違われやすい理由として、さまざまな共通点があることが挙げられます。まずは2種の共通点を確認しましょう。
ルドベキアもエキナセアもどちらもキク科に属し、初夏から秋にかけて花を咲かせる同時期に開花期を迎える植物です。また、花弁が放射状に広がる花姿が似ていることも、混同されやすい大きな要因なのではないでしょうか。
ルドベキアとエキナセアの特徴と違い

ルドベキアとエキナセアは一見似ていますが、じつは異なる点が多くあります。
ここではそれぞれの特徴から2種の違いについて解説します。
ルドベキアの特徴

ルドベキアはキク科オオハンゴウソウ属(ルドベキア属、Rudbeckia)に属する宿根草で、宿根草の中では比較的短命な植物です。耐寒性はあまりなく、寒さには強くありません。成長が早いため、植え付けからすぐにたくさんの花を咲かせます。
ガクが柔らかめで、茎や葉に産毛が生えている点がエキナセアとの大きな違いです。主な花色は黄色や茶などで、複色のものもあります。
エキナセアの特徴

エキナセアは、キク科ムラサキバレンギク属(エキナセア属、Echinacea)に属する宿根草です。耐寒性・耐暑性はともに強いです。ゆっくりと成長するため、たくさんの花が楽しめるようになるのは植え付けから数年後になります。
ルドベキアとは違い、萼の部分がトゲトゲしていて触れると痛く、茎や葉に産毛はありません。主な花色は赤、ピンク、オレンジ、黄、白、緑などがあります。
ルドベキアの育て方

まずは、ルドベキアの育て方について解説します。
ルドベキア栽培の環境・用土

ルドベキアは、日当たりと風通しのよい場所で育てます。
水はけと肥料もちのよい用土を好み、有機質肥料を施した肥沃な土壌が理想です。水はけの悪い場所に植える場合は、盛り土したり、腐葉土を混ぜたり、植え穴の底に大粒の赤玉土を敷いたりして、水はけをよくしておくことが大切です。
水やり・肥料

地植えの場合、根付いた後は基本的に水やりの必要ありません。雨が極端に少なく、からからに乾いたときのみ与えます。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷり与えます。
肥料はあまり必要ありませんが、鉢植えの場合は4〜10月に緩効性化成肥料を与えます。地植えの場合は元気がないときのみ緩効性肥料を与えます。
ルドベキア栽培に必要な作業

ルドベキアは花びらが散った後も、中心の筒状花の部分が残るシードヘッドまで長期間観賞できるのも魅力です。次の花を咲かせたい場合ば、早めに切り戻し(葉の上で花茎を切り取る)するとよいでしょう。草姿が乱れてきたら、8月頃に半分くらいまで切り戻すと、秋にまた美しい草姿で咲いてくれます。
ルドベキアの植え付け・植え替え

ルドベキアの植え付けの適期は4〜5月です。
植え付け後、根付くまでは地植えでも水切れしないようしっかり管理することが大切です。
植え替えの適期は、4〜5月です。地植えの場合は数年そのままでもよいのですが、混みあってきたら掘り上げて株分けして、植え替えるとよいでしょう。鉢植えの場合は1年に1度のペースで植え替えます。
ルドベキアの増やし方

ルドベキアは、種まきや株分けで増やせます。
種まきの適期は9〜10月と3月です。種まきしてから10日ほどで発芽します。発芽したら日当たりのよい場所で管理し、本葉が4〜6枚付いたら鉢上げするとよいでしょう。
株分けは4〜5月頃に行います。
ルドベキアの病害虫

ルドベキアを育てる際に注意すべき病気は特にありませんが、まれにうどん粉病にかかることがあります。風通しよく管理することが大切です。
害虫としては、アブラムシやハモグリバエに注意が必要です。
エキナセアの育て方

続いて、エキナセアの育て方について解説します。
エキナセアの環境・用土

エキナセアは日光を好むため、日当たりのよい場所で育てます。
用土は水はけのよいものを用意します。市販の草花用培養土や赤玉土、鹿沼土、腐葉土の配合土などがおすすめです。水はけが悪いと梅雨時に根腐れしやすいので注意が必要です。
エキナセアの水やり・肥料

エキナセアの水やりは、地植えの場合はほとんど必要ありません。雨が降らず極端に乾いたら与えます。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷり与えます。
肥料については、5〜6月と10月頃、月に1〜2回のペースで化成肥料の置き肥をするか、月に4、5回液肥を施すとよいでしょう。
エキナセア栽培に必要な作業

エキナセアはあまり手がかからない植物です。
枯れた花は、種子を採る目的がない場合は、こまめに摘み取ると美観もよく、病害虫が発生する心配が減ります。冬は地際で切り詰め、マルチングして防寒対策をするとよいでしょう。
エキナセアの植え付け・植え替え

エキナセアは種子も流通していますが、苗を購入して植えるのが一般的です。
植え付けは3〜4月が適期です。鉢植えの場合は根詰まりしやすいため、毎年3〜4月に、根をほぐして古い土や枯れた根を外してから植え替えましょう。
エキナセアの増やし方

エキナセアは種まきと株分けで増やすことができます。
どちらも春と秋が適期ですが、確実に増やすなら株分けがおすすめです。
エキナセアの病害虫

エキナセアを育てる際に注意すべき病気には、灰色カビ病や白絹病、うどん粉病があります。
害虫としては、フキノメイガに注意が必要です。
ルドベキアとエキナセアの違いを理解して栽培を楽しもう

ルドベキアとエキナセアは、見た目や開花期はよく似ていますが違う植物で、葉や茎を見ると見分けることができます。
どちらもカラフルで愛らしい花を咲かせる植物ですので、ぜひお好みの品種や違いを観察しながら2種同時に育ててみてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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