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宿根草(しゅっこんそう)という植物のグループをご存じですか? ガーデニングを始めたばかりの人には、初めて聞くワードかもしれない宿根草。実は手間がかからなくて、とっても簡単に育つ宿根草もたくさんあります。「ガーデニングの初心者にこそ、宿根草をオススメしたい!」という「おぎはら植物園」店長の荻原範雄さんに、宿根草の中から美しくて育てやすく人気のギボウシ(ホスタ)を7種ピックアップしていただきます。

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ギボウシ(ホスタ)とは?

ギボウシ(=学名Hosta/ホスタ)は、もともと日本に自生しており、日本の気候によく合った植物です。栽培の歴史が古く、馴染みのある植物なので、見たことがある、家に昔から生えている、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

江戸時代に一大ブームとなったギボウシはシーボルトらによってヨーロッパに伝えられ、その後、アメリカのでも大人気となり、数多くの品種があります。

ギボウシの生育サイクルは、冬は地上部の葉がなく、春に芽吹いて葉が次第に茂って、初夏にユリに似た花を咲かせます。そして、冬に向けて葉が枯れて、地中で越冬します。ですので、晩秋から早春頃に苗を買うと地上部に葉がない状態ですが、ポットの中(土の中)の塊(根茎)を地面や鉢に植えれば、春に葉が伸びてくるのでご安心を。植える時期は、真夏を避けた一年中で可能です。積雪がある北海道などの地域でも栽培が可能な、寒さに強い強健な性質です。

ギボウシ(ホスタ)は、育てやすく美しいパーフェクト・プランツ

性質がとても丈夫で、一度植えれば何年も育ち、ほとんど手がかかりません。派手さはないものの、つややかな葉が美しく、春の芽吹きから冬の落葉まで長期間、緑の彩りを与えてくれます。その丈夫さと美しさで、アメリカでは「パーフェクト・プランツ」とまで呼ばれ、「空いた場所があればギボウシを植える」といわれるほどポピュラーな植物です。

ギボウシ(ホスタ)の育て方

暑さ、寒さにも強く、庭植えするだけで、あとは特別な管理は必要ありません。ほとんど手間がかからない植物ですが、より大きく美しく育てるためには、少しコツがあります。

まず、場所選びが重要になります。基本的には日向(日当たりを確保)を好みますが、夏に葉が日射で傷まないように落葉樹の下など、明るい半日陰を選びましょう(西日は避ける)。また、あまり乾燥していると株の成長が遅くなるので、適度に保水性のある場所がよいでしょう。土質(用土)はほとんど選びませんが、栄養の豊富な肥沃な土壌であると生育がよく、本来のパフォーマンスを発揮してくれます。土が痩せている場所には、培養土を入れたり、肥料で補います。

鉢植えの場合は、最初から大きい鉢を使うのは避け、一回りずつ大きな鉢に植え替えていくことで根が密に張り、丈夫な株に育てることができます。ほとんど放任で構いませんが、強い乾燥が続くと葉が傷むので、水やりを忘れないように育てます。

何年も育てて大きくなり過ぎたら、秋から冬の間に株分けをするとよいでしょう。方法は、『植物を増やして元気にする「株分け」の方法』を参考に。

葉が美しい! おすすめのギボウシ(ホスタ)7種

ギボウシには数千ともいわれる品種があり、葉の形や色、大きさもさまざま。違う品種を組み合わせたり、品種違いをコレクションするのも楽しいでしょう。豊富なバリエーションの中から、おすすめを7種ご紹介します。

【中型~小型種】季節による葉色の変化が美しい
ギボウシ‘ジューン’

厚みのある葉で、整った株の姿が美しい、人気の品種です。ブルー系で有名な‘ハルション’に斑が入ったタイプで、青みのある葉の中央に黄色い斑が入ります。季節によって濃淡が出て、変化していく葉色を楽しめます。

春の新葉。

春はあざやかな黄色で、夏に向けて青みが濃くなっていきます。色が変化する際に見せてくれるグラデーションは絶品です。アメリカホスタ協会でオブジイヤーに選ばれた、殿堂入りの品種でもあります。

葉の大きさ:約15×10㎝(長さ×幅)
株の大きさ:約75×40㎝(株張りの直径×高さ)

【芳香花】香りのよい花も魅力
ギボウシ‘ダイアナリメンバード’

つやのある、しっとりとした印象の葉が魅力的ですが、葉だけでなく、花も美しいので楽しみの多い品種です。純白の花はギボウシの中で大きく、はっきりと開き、よい香りを漂わせます。

葉の大きさ:約20×15㎝(長さ×幅)
株の大きさ:約60×40㎝(株張りの直径×高さ)

【芳香花】香りのよい花も魅力
ギボウシ‘ステンドグラス’

光沢のある葉は黄色に明るい緑の斑が入り、カラフルできれいですが、葉だけでなく花も美しいので楽しみの多い品種です。

はっきりと開く白い花は、少し甘いよい香りを漂わせます。アメリカホスタ協会でオブジイヤーに選ばれた殿堂入り品種。

葉の大きさ:約25×18㎝(長さ×幅)
株の大きさ:約90×50㎝(株張りの直径×高さ)

【超大型】インパクトのある巨大品種
ギボウシ‘サム&サブスタンス’

大株はどっしりとして存在感が抜群。庭にあると、おしゃれな雰囲気が出る超大型種。葉色が明るく他の草花との調和も楽しめます。生育が早いので、大株に育つまでにあまり時間がかからないのも嬉しい特徴です。アメリカホスタ協会が選んだ殿堂入りの品種。

葉の大きさ:約40×35㎝(長さ×幅)
株の大きさ:約180×90㎝(株張りの直径×高さ)

【超小型】とっても小さな葉が可愛い
ギボウシ‘パンドラ ボックス’

数あるギボウシの中でも最小サイズのかわいい品種です。明るい緑色の葉に白い斑が入り、縞模様になります。葉が密集してコンパクトに育つので、鉢植えにするとミニ盆栽のよう。

葉の大きさ:約5×3㎝(長さ×幅)
株の大きさ:約15×18㎝(株張りの直径×高さ)

【中型〜大型】日本発で世界的な人気品種
ギボウシ‘寒河江(サガエ)’

立ち上がるような姿で、青みのある葉はエッジが波打ち、黄色い斑がウエーブを描くように入ります。日本で作出された品種で、名前は山形県寒河江市に由来しています。世界的に評価されており、ヨーロッパやアメリカでは定番人気となっていて、2000年にはアメリカで殿堂入りを果たしています。

葉の大きさ:約30×20㎝(長さ×幅)
株の大きさ:約130×75㎝(株張りの直径×高さ)

【特殊な葉】個性的な姿が目を引く
ギボウシ‘プレイングハンズ’

細い葉が立ち上がってカールする姿は、ギボウシの中で特に個性的。他のギボウシと組み合わせても草姿が際立って面白いです。品種名の「プレイングハンズ」とは直訳で「祈りをささげる手」という意味があり、春の芽吹きの時に組み合わさった葉が祈る姿に見えることに由来しています。アメリカホスタ協会が選んだ殿堂入り品種でもあります。

葉の大きさ:約20×4㎝(長さ×幅)
株の大きさ:約40×45㎝(株張りの直径×高さ)

お気に入りは見つかりましたか? ギボウシには、他にもご紹介できなかった魅力的な品種がたくさんあります。もっといろんな品種を知りたい! 園芸の幅を広げてみたい! と思ったら、ぜひ「おぎはら植物園」のホームページ(https://www.rakuten.co.jp/ogis/)ものぞいてみてください。ホスタの品種一覧は必見です。ご来店お待ちしております。

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