「夢のある魅力的な新樹種を、ひとりでも多くの人に届けたい!」と活動する北海道「真鍋庭園」の眞鍋憲太郎さんが、海外の有望品種として輸入がスタートしている、今注目の樹木をピックアップ! ガーデンを魅力的に彩り、剪定も失敗がない人気急上昇のアメリカアジサイ「ピンクのアナベル・シリーズ」の魅力とオススメ品種をご紹介します。
2010年に、造園やナーセリーを営み樹木に精通した3社共同で立ち上げた「日本植物パテント株式会社(JPP)」が取り扱う、人気の花木のひとつ「ピンクのアナベル・シリーズ」をご紹介します。
目次
アメリカアジサイ人気の秘密
学名Hydrangea arborescensは、北アメリカ東部に自生しているアジサイの仲間で、日本ではアメリカアジサイとかアメリカノリノキと呼ばれています。アメリカアジサイの一つ‘アナベル’は、日本では北海道から鹿児島まで戸外で育てることができます。また、その年に伸び出た枝先に花が咲くことから、剪定で花芽を落とす失敗がなく、手入れが簡単! と、爆発的なヒットを見せています。花後の花はドライフラワーとしてインテリアにも活用できる、女性のファンも多い花木です。
‘アナベル’よりも大きな花が咲く
「インクレディボール」
‘インクレディボール’は、‘アナベル’の大輪改良品種で、茎が太く雨による倒伏に強いのが特徴です。花は夏の一季咲きで、耐寒性にとても優れています。
アメリカアジサイに
ピンクのアナベルが登場!
アメリカアジサイには白花種しかなかったところに、ノースカロライナ州立大学のトーマス教授が、アパラチア山脈で薄いピンクの花を発見したところから育種が始まりました。それから数年かけて作出されたのが‘NCHA1’。アメリカの流通名は「INVINCIBELLE SPIRIT」でしたが、日本では親しみやすい名称として ‘ピンクのアナベル’と名付け、2012年から日本での販売がスタートしています。
‘ピンクのアナベル’は、初の赤花品種で、咲き進むと最後には緑色になります。暑さ寒さに強く、切り戻しにより返り咲きもします。
広い場所での栽培にオススメの2種
‘ピンクのアナベル ジャンボ’と‘ライムのアナベル’は、‘インクレディボール’と同様で夏の一季咲きですが、一般的なアナベルよりも茎が太く、風雨による倒伏に強いのが最大の特徴です。広めの場所で育てるのに向き、切り花やドライフラワーにも最適です。
霜が降りるまで返り咲きする2種
‘ピンクのアナベル2’と‘ルビーのアナベル’は、‘ピンクのアナベル’から改良された色合いが最大の特徴ですが、花の色が褪せてきた頃に3~5節下で切り戻すと45日後くらいには次のつぼみが上がってきて、霜が降りるまで返り咲きします。
コンパクトに育ち、返り咲きも楽しめる2種
‘アナベル コンパクト’と‘ライムのアナベル コンパクト’も返り咲きを楽しめますが、最大の特徴は80㎝程度に納まるコンパクトサイズということ。鉢や寄せ植えなど、楽しみが広がります。
7種のアメリカアジサイ
今回ご紹介した「ピンクのアナベル・シリーズ」のほとんどは、学名に‘NCHA’とついていますが、これは、ノースカロライナ州立大学が育種したハイドランジア・アーボレッセンスの頭文字に由来しています。これらのシリーズの売り上げの一部は、ノースカロライナ州立大学に還元されます。※契約農家以外が無断増殖することは、法律で禁止されています。
寒さに強く剪定に悩まない
「ピンクのアナベル・シリーズ」
どの品種にも共通する嬉しい性質が、北海道から鹿児島まで冬囲いをせずに戸外で育てられることです。春に伸び出た枝(当年枝)の先に花が咲くので、花芽が落ちて今年は咲かなかった! など、剪定の失敗がないのも大きな特徴です。落葉後から芽が伸びる前の休眠期に、地際から10㎝程度まで躊躇せず剪定してください。新しい枝が株元から出てきて、徐々に株が広がっていきます。
初夏から初冬まで長期間花を楽しめる「ピンクのアナベル・シリーズ」で、生活にカラフルな彩りをお楽しみください。
写真協力/日本植物パテント株式会社(JPP)
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Credit
文/眞鍋憲太郎
北海道帯広市で、植木農家で造園業と林業を営む「真鍋庭園」4代目社長。2010年に東京国分寺「緑創」三上常夫氏と、埼玉県川口安行「小林ナーセリー」小林隆行氏、北海道「真鍋庭園」眞鍋憲太郎の3名で「日本植物パテント株式会社(JPP)」を設立。
真鍋庭園 http://www.manabegarden.jp
日本植物パテント株式会社 http://www.jpp-co.jp/
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