【家で育つ果実】花も実も可愛いクラブアップル! 育て方&美味しい食べ方
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クラブアップルという樹木をご存じですか? 花が咲き、小さな赤い果実が実り、熟すまで可愛い姿が楽しめるうえ、収穫して食べられるリンゴの仲間、クラブアップル。その特徴や育て方、手入れのタイミング、味わい方など基本の情報をご紹介します。
目次
クラブアップルの主な特徴

まずは、クラブアップルとはどのような植物なのか、主な特徴について説明します。
クラブアップルの基本情報

クラブアップルはバラ科リンゴ属の落葉低木で、別名ヒメリンゴ(姫リンゴ)と呼ばれています。中国が原産の果樹で、樹高は5mほどになります。耐寒性が強く、耐暑性は弱い性質です。果実は加工すると美味しく食べることができますが、主に観賞用として親しまれています。
花の特徴

クラブアップルの開花時期は5〜6月です。品種によって白や薄紅色、濃いピンクなどのリンゴによく似た花を咲かせます。一カ所に5〜7個の花が密集して咲くので見応えがあるのも特徴です。また、実つきや味のよさよりも、花を楽しむために改良された観賞用の品種もあります。
果実の特徴

クラブアップルは、通常のリンゴと似た丸い形の小さな実をつけます。香りもリンゴによく似ていますが、リンゴよりも薄く微かに香ります。味は甘味が少なく、酸味がかなり強いので、一般的には砂糖を加えてジャムなどに加工して食べます。縁日の屋台などでよく目にする「りんご飴」に使われているのもクラブアップルです。
実は夏の終わりから秋にかけて収穫できます。実がなりにくい場合は、開花後に人工授粉すると結実の確率が上がります。
育て方のポイント

ここからは、クラブアップルを育てるにはどのようにすればよいのか、そのポイントについて項目ごとに解説します。
栽培する場所・土壌

クラブアップルは、日当たりのよい場所を好みます。また、もともと涼しい地域に自生している植物ですので、なるべく同じような環境に植えるようにしましょう。真夏に直射日光や西日が当たる場所は避け、鉢植えの場合はそのような位置から移動させましょう。
幼木のうちは霜に弱いので、霜があたらない場所に植えます。木がある程度大きく育てば、マイナス30℃くらいまでは耐えられるようになります。
また、通気性と水はけのよい土壌を好みます。地植えの場合は、腐葉土を混ぜ込んでおきましょう。鉢植えでは、市販の果樹用培養土を使って育てるのが手軽です。
水やり

地植えの場合、根付いてからは基本的に自然の降雨のみで十分です。よほど乾燥しているときにだけ水やりをします。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いてきたら水やりをします。鉢植えでは水切れしやすいので注意深く管理しましょう。一方で過湿は嫌うので、水のやりすぎにも注意が必要です。やや乾燥気味に育てたほうが、実が甘く育ちます。
肥料

クラブアップルは、開花する5月と、実が大きくなる9月頃に肥料を与えるとよいでしょう。肥料には、遅効性の化成肥料や、油かすなどの有機肥料がおすすめです。
植え付け・植え替え

真冬を除いた9〜6月の間であれば、植え付けが可能です。最適なのは10〜11月ですが、寒冷地以外は、2〜3月でも問題ありません。しかし真夏や真冬は、定着前に株が弱ることがあるため避けるようにします。
鉢植えの場合は、できるだけ大きめの鉢に植えます。成長してきたら2〜3年に1回植え替えが必要です。
地植えの場合は、掘り出した土に腐葉土か堆肥を混ぜて半分戻し、根鉢を入れたらその隙間に残りの土を戻して植え付けます。植え付け後は、根元にたっぷり水やりをしましょう。
樹高が高く伸びてきたら50〜60cmの高さで切り戻し、幹に添わせるように支柱を立てて、木が倒れないようにしましょう。地植えの場合、植え替えは不要です。
剪定

クラブアップルは、新芽が出る前の休眠期に当たる2〜3月に高さを抑えたり、乱れた樹形を整えるための剪定をします。
5〜6月には、風通しをよくするために、徒長枝を付け根で切り取ります。ほかにも伸びすぎた枝があれば、見栄えのよい長さまで切り詰めても構いません。鉢植えや盆栽仕立てでは、枝の伸び具合に合わせて7〜8月に剪定をすることもあります。枝が絡まりそうな部分や密集している部分を中心に、長さを抑えたり、枝数を減らす透かし剪定を行いましょう。
冬は膨らんできた花芽の位置が目で分かるので、花芽が多すぎる枝は落として調整します。
●「果樹のパラソル仕立て」育て方&剪定方法はこちらも参考に。
増やし方

クラブアップルは種まき、挿し木、接ぎ木で増やすことができます。
なかでも挑戦しやすい方法は、挿し木です。5〜6月に剪定で切った枝を利用すると、無駄なく効率よく挿し木ができます。挿し木にしたい枝の葉を2枚ほど残してほかは切り取り、挿し木用の培養土に挿します。その後は明るい日陰に置き、水切れに注意して管理しましょう。葉が増えたら、発根しているサインです。一回り大きな鉢か庭に植え替えましょう。
病害虫

特に注意が必要な害虫は、アブラムシやシンクイムシなどです。見つけ次第すぐに駆除し、大量に発生して取り除ききれない場合は、適用がある薬剤を散布するなどして対処しましょう。
病気ではうどんこ病や褐斑病、黒点(星)病などに注意が必要です。病気になった枝は切り取って処分し、薬剤の散布も行います。
クラブアップルの品種

クラブアップルにはさまざまな品種があります。ここでは、よく栽培される品種を3種ご紹介します。
ドルゴクラブ

‘ドルゴクラブ’は花つきがよい品種で、純白の花を咲かせます。実は深みのある赤色で、よい香りがします。しかし酸味が強いため生食には向かず、ゼリーやジャムに加工されることが多いです。
ゴージャス

‘ゴージャス’は観賞用や園芸用として広く流通している品種です。家庭で育てやすい園芸用の苗は、比較的コンパクトな大きさで販売されています。果実は硬く酸味が強いので、生食ではなくジャムなどに加工するとよいでしょう。
レモイネ

‘レモイネ’は花や葉が特徴的で魅力があります。一重咲きで、花弁が赤や濃いピンクに色づき、基部が少し白い花を咲かせます。葉は紫がかった銅色です。3cmほどの小さな実をつけますが、酸味や渋みがあり生食には不向きです。
クラブアップルのおすすめの食べ方

クラブアップルは、生食よりも加工したほうが美味しく味わうことができます。おすすめなのは、ジュレや果実酒です。
【クラブアップルのジュレ 作り方】
よく洗って軸をとったクラブアップルと水を鍋に入れ、煮崩れるまで煮込みます。皮やタネを取り除くためにいったん鍋から取り出して漉し、鍋に戻して、さらに煮詰めます。体積が最初の6割ほどに減ったら、グラニュー糖とレモン汁を好みの量入れて、再度煮詰めましょう。冷めるとジュレ状に固まります。
【クラブアップルの果実酒 作り方】
よく洗って軸を取り除いたクラブアップルと、皮をむき半分に切ったレモン、氷砂糖を瓶に入れて、全体が浸る程度のホワイトリカーを注いで漬け込みます。2カ月以上経てば熟成して飲み頃になります。
花も実も楽しめるクラブアップルを自宅で育ててみよう

クラブアップルはヒメリンゴとも呼ばれ、小さな実や花が可愛らしい果樹です。涼しい場所で育てるのに向き、コンパクトな樹姿なので、鉢植えや盆栽に仕立てることもできます。
ベランダやテラス、ガーデンのフォーカルポイントにするなど、ご自宅で花も実も楽しめるクラブアップルを育ててみてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
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