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【早春の花13選】春の訪れは草花が教えてくれる! 早春の花が楽しめる植物

【早春の花13選】春の訪れは草花が教えてくれる! 早春の花が楽しめる植物

Kabar/Shutterstock.com

冬枯れた景色が広がる中で、まだ寒い時期からいち早く咲く春の花を見つけると、感動もひとしおですよね。季節の移り変わりを実感し、家族や友人との会話もはずみます。この記事では、早春から咲き始める植物をピックアップして、その特性や栽培のポイントをご紹介。ぜひ、庭やベランダに迎える植物の参考にしたり、散歩の途中で観察してみましょう。

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早春の花が楽しめる花木

庭に花木を植えておくと、満開になる季節は存在感を放ち、印象的なシーンを作り出してくれます。春の訪れを告げてくれる、早春に花が咲く花木(かぼく)についてご紹介します。

ウメ

ウメ
Hiyoman/Shutterstock.com

バラ科サクラ属の落葉高木です。原産地は中国で、暑さや寒さに強い性質です。開花期は1〜3月頃で、花色は赤、ピンク、白、複色など。ほかの春の花に先駆けて開花し始めるので、春を告げる花として代表的な存在です。樹高は5〜10mと高くなりますが、毎年の剪定によってコントロールできます。庭木として用いるなら3m以内をキープするとよいでしょう。品種は豊富で、選ぶ楽しみもあります。

植え付けの適期は、落葉期の12〜2月。日当たり、風通しのよい場所に堆肥や腐葉土などの有機質資材を施して苗を植え付けます。7月頃から翌年に咲く花芽がつき始めるので、樹形を整える剪定は6月頃までに済ませます。込み合っている部分や枯れ枝、細い枝などを分岐点で切り取って、風通しをよくしましょう。

ツバキ

ツバキ
Masayuki/Shutterstock.com

ツバキ科ツバキ属の常緑高木です。原産地は日本、台湾、朝鮮半島、中国で、昔から自生してきた植物だけに暑さ寒さに強く、放任してもよく育ちます。開花期は11〜12月、2〜4月で、花色は赤、ピンク、白、複色など。まだ雪のちらつく中でも開花する姿には、風情があります。樹高は5〜10mと高くなりますが、毎年の剪定によってコントロールできます。庭木として用いるなら3m以内をキープするとよいでしょう。品種が豊富なので、ぜひお気に入りを探してみてください。

植え付けの適期は3月中旬〜4月、または9月下旬〜10月。日向〜半日陰の風通しのよい場所を選び、堆肥や腐葉土などの有機質資材を施して苗を植え付けます。翌年に咲く花芽は6月頃につき始めるので、剪定は花後すぐに行ってください。込み合っている部分の枝を分岐点で切り取り、風通しをよくしましょう。

ジンチョウゲ

ジンチョウゲ
High Mountain/Shutterstock.com

ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木です。原産地は中国中部〜ヒマラヤで、暑さにも寒さにもよく耐えます。花木に分類され、開花期は2月下旬〜4月上旬。早春に咲き始めて甘い香りを放つので、ジンチョウゲの香りを感じて春の訪れを知る方も多いのではないでしょうか。花色は白で、外弁はピンク色をしています。樹高は1mくらいと低く、剪定が容易で育てやすい樹木です。

植え付けの適期は4月か10月頃。西日の当たらない半日陰の環境がよく、水はけ、水もちのよい土壌に植え付けます。移植を嫌うので、根鉢を傷めないように作業しましょう。一度根付けば、放任してもよく育ちます。

早春の花が楽しめる一年草

一年草は、種まきから枯死するまで1年以内の、ライフサイクルが短い植物のことをいいます。華やかな園芸種が多く、季節による模様替えがしやすいのが特徴です。ここでは早春に咲く一年草をご紹介します。

パンジー&ビオラ

パンジー
Songsak Pandet/Shutterstock.com

パンジーとビオラはスミレ科スミレ属の一年草です。原産地はヨーロッパで、暑さに弱い性質。開花期は長く、開花株を購入すれば11月頃から楽しめますが、最盛期は3〜5月です。花色は赤、ピンク、オレンジ、黄、紫、青、茶、黒、複色など多様。花姿は花弁にフリルが入るものや、花の形が動物に例えられるシリーズなど、個性的な品種も多く出回っています。草丈は15〜30cmです。

パンジー&ビオラは晩秋から春にかけて長く咲き、人気が高いため、多くの品種が出回ります。園芸店や花苗店、ホームセンターなどで気軽に苗を購入できるので、苗の植え付けからスタートするとよいでしょう。開花株は11〜4月に出回ります。日当たり、風通しのよい場所に腐葉土や堆肥などをすき込んで植え付け、乾燥したら水やりします。3月頃から開花が旺盛になるので、10日に1度を目安に液肥を与えると、次から次に花を咲かせてくれます。花がらは早めに摘み取り、株まわりを清潔にしておきましょう。開花後は枯死して越年しないので、抜き取って処分します。

デイジー

デージー
Ariene Studio/Shutterstock.com

デイジーは、キク科ヒナギク属の一年草です。原産地はヨーロッパ、地中海沿岸で、暑さに弱い性質。開花期は3月〜5月上旬です。花色は白、ピンク、赤、紫、複色があり、花姿は一重咲きやポンポン咲きなどがあります。草丈は15〜30cmで、花壇やコンテナの前面に向いています。

デイジーは花苗店にも多く流通し、12〜3月に出回るので、ビギナーなら苗を買い求めて、植え付けからスタートするのがおすすめです。日当たり・風通しのよい場所に腐葉土や堆肥などをすき込んで植え付け、乾燥したら水やりします。3月頃から開花が旺盛になるので、10日に1度を目安に液肥を与えると株が充実してよく咲きます。花がらは早めに摘み取り、株まわりを清潔にしておきましょう。開花後は枯死して越年しないので、抜き取って処分します。

スイートアリッサム

スイートアリッサム
Nonchanon/Shutterstock.com

スイートアリッサムは、アブラナ科ニワナズナ属(ロブラリア属)の一年草です。原産地は地中海沿岸北部〜西アジアで、高温多湿に弱い傾向があります。開花期は3〜5月、10〜12月で、花色は白、赤、ピンク、紫など。草丈は10〜15cmで這うように広がるので、花壇のエッジや寄せ植えなどにも重宝します。

ポピュラーな植物で、園芸店やホームセンター、花苗店で容易に苗を入手できます。植え付け適期は10〜11月か3月頃です。花壇に元肥として緩効性化成肥料を施して植え付けます。春にアブラムシが発生しやすいので、土中に混ぜる粒状タイプの薬剤を利用するのもおすすめです。花がらはまめに摘んで株まわりを清潔に保ち、生育して草姿が乱れてきたら切り戻すと、盛り返して再び開花します。夏越しはできないので、枯れたら抜き取って処分しましょう。

早春の花が楽しめる多年草

多年草は環境に馴染めば越年し、毎年決まった時期に開花する、比較的ライフサイクルの長い草花のことです。ここでは、早春から開花する多年草をご紹介します。

クリスマスローズ

クリスマスローズ
Katie Kirkland/Shutterstock.com

クリスマスローズはキンポウゲ科クリスマスローズ属(ヘレボルス属)の常緑性多年草で、寒さに強い性質です。開花期は10〜3月で、早春の庭をシックに彩ってくれます。花色は紫、ピンク、白、黄、グリーン、茶、黒、複色など。花姿も一重や八重など多様です。草丈は10〜50cmで、うつむくように咲く清楚な佇まいが人気です。

クリスマスローズは11月頃から苗が出回るので、花苗店や専門店などで購入して苗の植え付けからスタートするのがおすすめ。風通しのよい明るい半日陰が適地で、腐葉土や堆肥などをすき込んで植え付けましょう。開花期はまめに花がらを摘んで株まわりを清潔にし、10日に1度を目安に液肥を与えて株の勢いを保ちます。大株に育ったら掘り上げて株分けし、株の若返りをはかるとよいでしょう。

プルモナリア

プルモナリア
weha/Shutterstock.com

プルモナリアは、ムラサキ科プルモナリア属の多年草です。原産地はヨーロッパ〜バルカンで、寒さに強いものの、暑さに弱い性質。開花期は2月中旬〜5月中旬で、花色は青、紫、ピンク、白。葉に斑が入る品種も出回っています。草丈は10〜40cmです。

プルモナリアの植え付けの適期は、2月中旬〜5月中旬。暑さを苦手とするので、夏は涼しい半日陰となる落葉樹の足元などが適しています。腐葉土や堆肥など有機質資材を土に混ぜ込み、水はけをよくした場所に植え付けましょう。開花期はまめに花がらを摘み、2週間に1度くらいを目安に液肥を施します。大株に育ったら、株分けをして増やせます。

ヒマラヤユキノシタ

ヒマラヤユキノシタ
ikwc_exps/Shutterstock.com

ヒマラヤユキノシタは、ユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属(ベルゲニア属)の多年草です。草丈は20〜40cmで、常緑性のため冬でもみずみずしい葉姿を楽しめます。原産地は、東アジア〜中央アジア。寒さに強い一方で、高温多湿の環境を苦手とする性質です。ヒマラヤユキノシタの開花期は3〜4月。花色は濃いピンク、淡いピンク、白などがあります。やや太い花茎を長く伸ばした頂部に、花径1〜3cmほどの5弁花を多数咲かせるのが特徴です。

ヒマラヤユキノシタの植え付け・植え替えの適期は、3〜5月か、9〜11月です。日向から半日陰まで、場所を選ばずよく育ちます。腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んでよく耕し、土づくりをしておいた場所に苗を植え付けましょう。終わった花や葉は適宜摘み取り、株まわりを清潔に保ちます。

早春の花が楽しめる球根植物

球根植物は、地下茎が肥大して翌年の生育のための養分を蓄える能力がある植物のことを指します。ここでは、秋に球根を植え付けると、早春に花を咲かせる植物をピックアップしました。

ヒヤシンス

ヒヤシンス
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ヒヤシンスはキジカクシ科ヒヤシンス属の球根植物です。原産地はギリシャ、シリア、小アジアで、寒さに強い性質。開花期は3〜4月で、花色は赤、ピンク、白、黄、青、紫。甘い香りも魅力です。草丈は約20cm。

球根の植え付け適期は10〜11月で、球根2個分の深さに植え付けます。複数植える場合は、球根2個分の間隔を取りましょう。開花のためには寒さにあわせることが大切なので、必ず戸外で管理しましょう。春の開花が終わったら花首で切り取り、お礼肥を表土にばらまいて地中の球根を太らせます。6月頃に地上部が枯れたら球根を掘り上げて、風通しのよい場所に吊しておきましょう。秋に再び植え直すと翌春にまた開花します。ヒヤシンスは水栽培にしても室内や窓辺で開花するので、インテリアで楽しんでもよいでしょう。

スイセン

スイセン
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スイセンはヒガンバナ科スイセン属の球根植物です。原産地はイベリア半島を中心とした地中海沿岸で、寒さに強い性質。開花期は11月中旬〜4月で、花色は白、オレンジ、黄、複色など。人気の高い花だけに品種が豊富で、花色や花姿は多様です。草丈は10〜50cm。

球根の植え付け適期は10〜11月で、球根2個分ほどの深さに植え付けます。複数植える場合は、大型の球根で15〜20cm、中〜小型の球根で10〜15cmの間隔を取りましょう。春の開花が終わったら花首で切り取り、お礼肥を表土にばらまいて地中の球根を太らせます。数年は植えっぱなしにしてもかまいませんが、大株に育ったら6月頃に球根を掘り上げて分球し、風通しのよい場所に吊して保存を。秋に植え直すと翌春に再び開花します。

ムスカリ

ムスカリ
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ムスカリはキジカクシ科ムスカリ属の球根植物です。原産地は地中海沿岸、西アジアで、寒さに強い性質。開花期は3月〜5月中旬で、花色は青、紫、白、ピンクなど。5〜10球をまとめて植えるマス植えにしたり、ボーダー状に群植させたりすると、見応えのある景色を作ることができます。草丈は10〜20cm。

球根の植え付け適期は10〜12月中旬で、深さ5cm程度の穴を掘って植え付けます。複数植える場合は1〜2球分の間隔を取りましょう。春の開花が終わったら花首で切り取り、お礼肥として緩効性化成肥料を表土にばらまいて地中の球根を太らせます。6月頃に葉が枯れ込んできたら球根を掘り上げ、風通しのよい場所に吊して保存を。秋に植え直すと、翌春に再び開花します。

ラナンキュラス

ラナンキュラス
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キンポウゲ科キンポウゲ属(ラナンキュラス属)の球根植物です。原産地は中近東〜ヨーロッパ南東部で、寒さに強く、暑さにやや弱い性質を持っています。開花期は3〜4月で、花色は赤、ピンク、オレンジ、黄、白、紫、黄緑、複色など多様です。花弁を多数重ねて咲き、大変優美な花姿に人気があります。草丈は30〜50cmです。

ラナンキュラスの植え付け適期は10〜12月。日当たりのよい場所に、苦土石灰や腐葉土、堆肥を施して土づくりをしておき、植え穴を掘って球根を植え付けます。覆土は2cmくらいを目安とし、複数植える場合は約15cmの間隔を取りましょう。冬は霜が降りる前に、バークチップなどを株元に敷いてマルチングし、寒さ対策をしておきます。終わった花は早めに花茎の根元から摘み取り、お礼肥として緩効性化成肥料を表土にばらまいて地中の球根を太らせます。5〜6月に葉が枯れ込んできたら球根を掘り上げ、風通しのよい場所に吊して保存を。秋に植え直すと翌春に再び開花します。

早春に花が咲く庭を目指すなら

ガーデニング
gorillaimages/Shutterstock.com

「まだ寒さが残る早春から庭に咲く花を増やして、春の訪れをいち早く感じられるようにしたい!」。そんな庭の演出を目指すなら、ここまでご紹介してきたような早くから開花し始める植物を選ぶのがポイント。そして、早春の庭を花で彩るには、秋から準備しておくことが大切です。特に球根植物は、一度寒さにあたらないと開花しない性質を持つものが多く、10〜12月に球根を植えることからスタートします。また早春に咲く花は晩秋から冬に苗が出回り始めるので、幼苗のうちに植え付けて環境に馴染ませておくとよいでしょう。越年させるなら、寒さ対策として株まわりにマルチングなどを施して凍結対策をしてください。早春になってからガーデニングを楽しみたい場合は、つぼみがたくさんついた苗を選び、早めに植え付けるとよいでしょう。

春の訪れを告げる花を愛でよう

春の庭
Simon Bratt/Shutterstock.com

ここまでご紹介してきたように、早春から咲き始めて春の到来を告げてくれる植物はたくさんあります。ぜひ庭やベランダに取り入れて、季節の移ろいをいち早く感じられる演出をしてはいかがでしょうか。

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