オリーブの木は、一鉢あるだけで自宅の地中海テイストの雰囲気が加わる、おしゃれ植物。前編では育て方を中心に解説しましたが、後編ではこの連載でお馴染み “買える植物園”の異名を持つ『オザキフラワーパーク』の植木担当佐藤さんに、この秋大量に入荷したというオリーブの中からおすすめのオリーブを紹介してもらっちゃいます!

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オリーブを知るための5つのポイント

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観葉植物基礎講座Vol.3オリーブ編。前半ではオリーブってどんな植物? どうやって育てるの? についてご紹介しましたが、後半に行く前にまずは前半を簡単におさらいしましょう。

【オリーブを知るための5つのポイント】

  1. オリーブは地中海地方原産のおしゃれな植物。
  2. オリーブにはいくつもの種類があり、樹形は「直立型」と「開帳型」に分かれる。
  3. オリーブには「直受粉タイプ」と「他家受粉タイプ」があるが、いずれも結実には複数の品種で管理することが望ましい。
  4. オリーブは日光を存分に当てて、外で管理する。
  5. オリーブは剪定が肝心。

前半で説明したこの5つのポイントを知っていれば、もうオリーブ通になったようなもの。

さて後編では、今回の企画でお話を伺った「オザキフラワーパーク」の佐藤さんに、おすすめのオリーブをご紹介していただきます。

オリーブのスペシャリストがおすすめするオリーブ7選

店頭に並ぶさまざまな種類のオリーブ。そのどれもが、オリーブに情熱を傾けているオリーブ生産者が手塩にかけたものばかり。今回の取材でご協力いただいたオリーブのスペシャリスト、「オザキフラワーパーク」の佐藤さんに、おすすめのオリーブを紹介していただきました。

佐藤さん
「他の木に比べ、手をかけた分、一番かっこよくなるのがオリーブ」とオリーブの魅力を語る佐藤さん。

ピクアル(スペイン原産)

ピクアル
ピクアル2

スペイン原産のピクアルは、一本で実がつく自家受粉タイプ。結実すると、お馴染みのオリーブグリーンの実と、赤紫色の実の両方がつきます。白味がかった葉も特徴的です。直立型で真っ直ぐに伸びやすい品種なので、あまり場所を取らないような樹形を探している方にはおすすめです。このオリーブオリーブした色味は当店でも大人気で、僕もイチ推しです。

価格は8,900円(税込)です。

ミッション(アメリカ原産)

ミッション
ミッション2

米国はカリフォルニア生まれのミッションは、枝がバナナみたいに斜めにしなって上に伸びるため、あまり剪定をしなくても、上に真っ直ぐの直立型をとどめてくれるのが特徴です。管理もしやすく、綺麗な薄い緑色の幹に細長くスタイリッシュな無数の葉がついている姿に惹かれるファンは多く、「オザキフラワーパーク」でもよく売れています。ただし、結実するためには異なる品種が必要となる他家受粉タイプのため、相性のよいネバディロブランコを側に置いておくのがおすすめ。価格も9,800円(税込)と、手が届きやすいのも魅力です。

このミッションを手掛ける香川県の生産者「SOUJU」は、一般的に販売されているオリーブに比べて小さめの鉢で仕立てるのが特徴です。その理由は、購入したお客様が植え替えたときに、二回りぐらい大きいサイズに植え替えてちょうどいいサイズになるように考えているからという、お客様目線の理由からなんです。ただし、あえて小さくしている分、水はけがよく、水枯れがしやすいので注意が必要です。

ネバディロブランコ(スペイン原産)

ネバディロ
ネバディロ2

スペイン産のオリーブオイルの原料として知られているネバディロブランコは、柔らかい緑色の葉が特徴で、小さい実が付きやすい品種です。開帳型なので、樹形としては横にボリュームが出やすい特徴があります。そのため、背丈をあまり伸ばしたくない人にはおすすめです。

花の数も花粉量も多く、また開花期が長いため、他品種の中にネバディロブランコを一本入れることにより、他の木の受粉量が飛躍的に上がり、全ての木に実がつきやすくなります。そのため、結実のための受粉木としてネバディロブランコを買う人も多いですね。ちなみに、ネバディロブランコは他家受粉タイプなので、ネバディロブランコに実をつけたい場合も、他の品種を近くに置く必要があります。

ミッション同様「SOUJU」が手がけたものなので、オザキのネバディロは全て幹が太く、しっかりとした樹形がお客様から支持されています。

価格は4,500円(税込)です。

オリーミー(ミッション&ネバディロブランコ)

オリーミー
オリーミー2

ネバディロブランコにミッションを接木して作られたオリーミー。「SOUJU」が登録商標を持つオリジナルの品種です。元々相性のよい2品種なので、これを繋げ、お互いが受粉し合うことによる自家受粉タイプにしてしまうなんて、オリーブを知り尽くした「SOUJU」ならではのアイデアですね。

自宅のスペースが限られていて、2品種を置くとなるとちょっと、という方にはとてもおすすめです。ただし、価格が35,000円と少々高めですが、この大きさの異品種を2〜3本買うよりは断然お得です。

オリーミーのもう一つの魅力は、元々香川県で盆栽を生産していた「SOUJU」ならではのその樹形。というのも、「SOUJU」が拠を構える香川県は盆栽の産地として有名で、その特色として、地植えした盆栽を鉢上げする文化があり、その技術をオリーブに用いているのです。そのため、オリーミーは普通のオリーブと違い、丹精込めて樹形を作り込んだ盆栽型なんです。ゆえに値段も高めなのです。ただ、最初の形がここまでよいと、後々の形もさらによくなっていくんですよ。

綿密に計算して作られた樹形は一目見ただけで他のオリーブとは何かが違うという雰囲気が漂います。これはぜひ店頭に見に来ていただきたいですね。花付きもすごくよいので、条件によっては200〜300個の実の収穫も可能です。まさにオリーブ好きを唸らせるオリーブだと思います。当店には、オリーミーの入荷に合わせて地方からわざわざ買いにくるお客様もいるほどなんです。

  • 【オリーミーに関する佐藤さんの説明をこちらで聞くことができます】

※オリーミーは今回は限定10鉢のみの入荷となっているので、興味のある方は事前にお店にお問い合わせください。

シプレッシーノ(イタリア原産)

シプレッシーノ
シプレッシーノ2

シチリア島に多く自生しているシプレッシーノは、一本で実がつく自家受粉タイプのオリーブ。数あるオリーブの実の中でもシプレッシーノの実が一番美味しいというイタリア人は多いです。

全体的に青みが強く、光線の加減で銀色に輝く美しい葉が次から次へと出てくるため、ボリューム感のある直立型の樹形が特徴。ピクアルよりも直立具合は強めですね。初めから縦に伸びることが分かっているので、限られたスペースでオリーブを育てたい方にはおすすめです。

自家受粉タイプですが、近くに他の品種(特にネバディロブランコ)を置くことにより結実もよくなるので、おいしいと評判のシプレッシーノの実、収穫して食べてみてはいかがですか?

価格は9,800円(税込)です。

オヒブランカ(スペイン原産)

オヒブランカ
オヒブランカ2

オヒブランカは観賞用のオリーブとしては最も流通量のある品種で、初心者に最適のオリーブです。一本で実がつく自家受粉タイプで、暑さ寒さにも強く、真っ直ぐ上に伸びる直立型。色はブルー系で管理もしやすいという、オリーブのいいところ取りなところが人気です。柔らかい割にはしっかりとした枝が絶え間なく出てくれるので、剪定もしやすく、形が作り込めるのも魅力ですね。地植え、鉢植えと、どちらでも楽しめ、「オザキフラワーパーク」でもとてもよく売れます。

ちなみに、当店のオヒブランカは、ベテランオリーブ生産者、「小倉園」の手によるもので、優れたオリーブを数多く作る「小倉園」の中でも、このオヒブランカは特におすすめです。群馬の生産者なので、関東地方在住の方には気候的にも育てやすいと思います。

価格は20,000円(税込)です。

オリーバ・エスパニョール(スペイン原産)

エスパニョーラ

ちょっと変わったところでは、著名なオリーブハンターの又右衛門氏が日本に持ってきたスペイン産のオリーバ・エスパニョールも面白いです。関東圏ではおそらく当店でしか販売されていないことから、遠方からこのオリーブを目当てに来るお客様もいるほどレアな品種です。こちらの商品は情報量が少ないため、自家受粉タイプか他家受粉タイプかは不明なのですが、ネバディロブランコを近くに置くことにより、結実率も高くなります。結実するとブラックオリーブの実がなるところも珍しいですね。また、葉は全体的に茶葉を思わせる緑色でとても小ぶり。枝は柔らかく、分枝もしやすいため、剪定によりコンパクトな形が作りやすく、当店のラインナップの中では変化球ではあるけど、とても栽培を楽しめそうな品種です。コンパクトサイズのため価格も4,500円(税込)とお手頃です。

編集部のイチ推し

オリーブ古木

古木
古木2

イタリアで30年の歳月を送った古木のオヒブランカ(スペイン原産)。幹が経年で割れてくる姿には”我が古木たる”という威厳を感じます。管理している佐藤さんは、この古木オリーブを盆栽のように仕立て上げている最中なのだとか。欲しい人は佐藤さんが「売りたくない・・・」と思いはじめる前に、いざお店へ。

お値段もヴィンテージの名に恥じぬ22万円(税込)! でも樹齢30年でこの値段はむしろ良心的かも。運よく手に入れることができたら、このただでさえ味わい深いフォルムを、自ら剪定することで自分色にに仕立てる喜びも手に入れられます。まさに大人の時間を楽しむための、大人のためのオリーブですね。

ただし、30年という樹齢が持つエナジーの強さゆえに「ひこばえ」が頻繁に出てくるので、根元付近は頻繁にチェックし、見つけたら即カットしてください。

  • 【取材の時も偶然ひこばえを発見しました】

【ひこばえとは】

ひこばえは、樹木などの根本や、根本に近い地中から新しい枝が生えてくることを指し、ひこばえを放置していると水分や栄養分がひこばえのほうに偏り、主幹の樹勢が弱まり、最悪の場合枯れてしまう。イチョウやサクラに出やすい。

おわりに

いかがでしたか、オリーブ大特集後編。「オザキフラワーパーク」の佐藤さんにいろいろなオリーブを紹介していただきましたが、欲しいオリーブは見つかりましたか?

素敵なオリーブの数々に迷ってしまいましたが、取材に赴いた私としては、まるで盆栽のような風貌のオリーブ古木が目に焼き付いて離れません。お値段はかなりのものですが、自生地の地中海沿岸地方での数十年の歴史が、あの味わい深い幹に刻まれているのだと思うとそれだけの価値があると思います。もちろん、古木以外にも魅力的なオリーブをたくさん紹介していただきました。こんな時代ですからね、「平和の象徴」でもあり、ご自宅に地中海の風を運んでくれるおしゃれなオリーブを、ぜひ育ててみませんか?

さて、オザキフラワーパークでは観葉植物のどんな些細な質問でも常時受け付けてくれます。スタッフの皆さんがお客様一人ひとりの、今日の「分からない」を明日の「楽しみ」に変えるお手伝いをしてくれるので、この機会にぜひ観葉植物の世界に足を踏み入れてみませんか? 

取材協力

ozakilogo

『オザキフラワーパーク』

1961年に東京は練馬区石神井で創業以来61年、人気の観葉植物からニッチな珍奇植物まで、全国屈指を誇るその品揃えは「買える植物園」としての異名を持つ。植物や園芸グッズの豊富さもさることながら、アクアリウムや爬虫類の生体販売も行っているため、近隣はもちろん、全国各地からお客様が途絶えることなく来店する話題の超大型園芸店。編集部スタッフもプライベートで足繁く通う。

東京都練馬区石神井台4-6-32
TEL : 03-3929-0544
URL https://ozaki-flowerpark.co.jp

営業時間:9:00~19:00

Credit

Text&Photos:ガーデンストーリー編集部

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