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観葉植物人気No.1! フィカス・ウンベラータのやさしい育て方【観葉植物基礎講座Vol.2】

生活空間に癒やしをくれる観葉植物。中でもハート形の葉の可愛らしさで人気No.1を誇るフィカス・ウンベラータは、どんなインテリアにもおしゃれにマッチする万能選手。でも初心者には、価格、サイズや育て方など、分からないこともたくさんありますよね。今回も観葉植物のスペシャリスト『オザキフラワーパーク』に、お店でもバンバン売れるという、フィカス・ウンベラータのあれやこれやをまるごと聞いちゃいます!
目次
フィカス・ウンベラータってどんな植物?
日常のお手入れが容易で、誰でも楽しむことができる人気の観葉植物。一鉢置くだけでお部屋のイメージもワンランクアップします。でも、種類が豊富なため、何を買えばよいのか迷ってしまいますよね。そんな方におすすめしたいのが、今回ご紹介するフィカス・ウンベラータ。まずは、どんな植物なのかを見てみましょう。
フィカス・ウンベラータはアフリカ熱帯地域に自生するゴムノキの仲間です。ゴムノキ(ゴムの木)とは、ラテックスと呼ばれる樹液が採取できる樹木の総称で、ラテックスは私たちの身の回りにあるゴム製品の原料となります。そのゴムノキが属するフィカス属は、日本ではイチジクのことを指すため、フィカス・ウンベラータはイチジクの仲間でもあります。全体的に主張強めの樹形が多い他のフィカス属の仲間に比べると、フィカス・ウンベラータは葉が可愛らしいハート形をしているためか、柔らかく、優しい印象が特徴です。ちなみに、ウンベラータの名はラテン語の日傘(ウンベラ)から来ていて、この葉を日傘に見立てるなんて、と考えると、可愛らしさもさらに増して見えてきます。

インドアユースの樹木系品種は、全体的にあまり柔らかい印象の種類が多くはないので、フィカス・ウンベラータは、そんな上品さと可愛らしさが同居した雰囲気に惹かれて購入されるケースが多いように感じます。また、育て方も比較的容易なため、初心者から経験者まで、幅広い層で人気の高い品種です。価格は、卓上サイズだと1,000円以下から2,000円くらい、ミドルサイズで5,000~10,000円前後、身の丈くらいのサイズで15,000~25,000円くらいと、あくまでも目安ですが、チョイスの幅が広いのも魅力です。ただし、この価格はあくまでも目安であり、実際は販売店や仕立てによっても変わるので、現物を確かめてから購入することをおすすめします。


フィカス・ウンベラータの育て方
置き場所
フィカス・ウンベラータの最も適した置き場所は、窓の近くなど、レースのカーテン越しに陽射しが届く恒常的に明るい部屋。直射日光は葉焼けの原因になります。葉焼けを起こすと、せっかくのおしゃれな葉も台無しになり、また最悪の場合、病気の引き金にもなってしまうため、避けたほうがよいでしょう。部屋の向きなどの関係で陽射しが入らない場合は、蛍光灯や植物育成用のLEDライトといった人工照明でも構いませんが、日中と同じくらいの時間(6~8時間)は光合成できる環境が必要です。
屋外で管理できないのか、という質問もよくいただきますが、春先から屋外に置いて慣らせば、ある程度強い光線にも耐えられる強い葉が出てくるので、決して不可能ではありません。しかし、フィカス・ウンベラータは寒さに弱く、屋外での越冬は枯れるリスクが高くなるので、基本的におすすめはしていません。
【フィカス・ウンベラータと風水】
フィカス・ウンベラータは風水でもよく取り上げられる観葉植物として知られています。これはハート形の葉=愛、また、フィカス・ウンベラータの花言葉「永遠の幸せ」「夫婦愛」に由来するもので、置き場所によっては運気をもたらすといわれています。詳細を知りたい方は風水師の方に聞いてください。
夏の管理温度、冬の管理温度
- 【夏の管理】
フィカス・ウンベラータは、暑さには強いですが、高温で無風の状態が続くと葉が蒸れて傷んでしまいます。在宅中は窓を少し開けたり、外出時にはサーキュレーターなどで部屋の空気を循環させるとよいでしょう。
- 【冬の管理】
冬場の管理には注意が必要です。フィカス・ウンベラータは低温に弱いため、他のフィカスが耐えられる温度でも、寒がって落葉してしまう場合があります。朝晩の気温差にも注意が必要です。特に冬の窓辺は昼夜の温度差が激しいため、夜間は部屋の中心に置くなどして可能な限り寒さを避けましょう。屋外管理の場合、冬の間はヒーター設置の温室に入れるなどして寒気を遮断しましょう。
【エアコンの風に注意!】
夏も冬も、エアコンの利用は特に問題ありませんが、風が植物に直接当たると、根から吸い上げた水分を葉から蒸発させる「蒸散作用」に影響を及ぼすため、風が直接当たらないように十分注意しましょう。
水やり
生育が旺盛な5~10月頃はしっかりと水を与えます。表面の土が乾いてからが次の水やりのタイミングです。土の乾き具合を考えずに毎日定量の水やりを行うと根が腐ってしまうので、必ず「表面の土が乾いてから」を心がけてください。そして水やりのときは、溜まった老廃物を押し流し、土の中をリフレッシュさせるために、鉢底からジャバジャバと水が流れ出すまでしっかりと与えましょう。
フィカス・ウンベラータは秋から冬にかけて、根の吸水率が徐々に落ちていきます。このため、生育が鈍る冬の間は水やりの頻度を少なくするのがポイントです。表面の土が乾いてから2〜3日経過した頃があげ時です。また、秋から冬場の水やりは、暖かい昼間に行ってください。寒い季節の夜間は根の吸水率が下がるため、土中に水分が残りがちで根腐れの原因にもなります。
肥料 / 活力剤等
肥料は水やり同様、旺盛に成長する時期に与えます。春は4~7月、秋は9~11月が施肥のタイミングです。緩効性の置き肥など、肥料にもいくつか種類がありますが、ハイポネックスなどの液体肥料を適宜希釈して1週間から10日に1回与えるのが、即効性もありおすすめです。夏場、あるいは植え替え後に葉が落ちるなど、調子を落としたなと思った時は、肥料は控えて活力剤を与えましょう。平均気温が25℃を上回るなど、気温がある程度高い時期なら効果が期待できます。ただし、活力剤は人間でいう栄養ドリンクに相当するものなので、肥料代わりにはなりません。
葉水の方法など、日常のお手入れ
外で生きている植物は、葉にたまったほこりや付着した虫の幼虫などは雨が洗い流してくれてリフレッシュできます。しかし室内栽培ではそうもいかないため、霧吹きで葉に潤いを与える「葉水」を行いましょう。葉水は、物理的な汚れを洗い流せるのはもちろん、葉の湿度が高まることにより、乾燥による傷みが出にくくなったり、ハダニやカイガラムシといった病害虫の予防にもなるなど、さまざまな効果が期待できます。葉水は年中行うことができます。特に乾燥する冬場はおすすめですが、必ず温度が高い日中に行うようにしてください。
葉の汚れがひどい場合は、一度葉水を行ったあと、柔らかい布で汚れを拭き取り、再び葉水を行ってください。霧吹きに入れる水は水道水でOKですが、週1回、霧吹き満量に対し小さじ半分程度の植物活力剤『メネデール』を混ぜて葉水してあげると、葉の活力アップが期待できます。
また、当店で人気の『リーフクリン』という葉面洗浄剤を使うのも効果的です。『リーフクリン』は、クリーニング効果のほか、葉面に光沢を与える効果もあるため、葉本来の生き生きとした輝きが増し、また、ホコリも付きにくくなります。
【ポイント】
観葉植物は「観葉」というように、生き生きとした葉を眺めて楽しむのが醍醐味。しかもフィカス・ウンベラータはハートの形をした大ぶりの葉が売りなので、ぜひお手入れは怠らずに、いつまでも美しい葉を楽しんでください。
剪定
樹形が大きくなりすぎた時などに行う、形を整える目的の剪定は、春から秋までの生育が活発な時期に行いましょう。健康な株であれば
剪定後2~3週間程度で新芽が複数出てきます。バランスを見ながら定期的に剪定を行うと、ボリュームのあるキレイな形を保てます。
【剪定時の注意】
前述のとおり、フィカス・ウンベラータをはじめとしたゴムノキの仲間は、葉や幹を傷付けると、傷口から白い樹液(ラテックス)が垂れてきます。このため、剪定の時は床が汚れてもよい場所を選ぶか、あるいは新聞紙などで養生して、霧吹きで切断箇所を洗い流しながら行うと、後々のお掃除が楽になります。また、この白い樹液に触れるとかぶれる人もいますので、素手で触らないように手袋をしましょう。
植え替え
フィカス・ウンベラータは、2~3年に1回は植え替えをしましょう。用土は市販の観葉植物用の培養土で構いません。なぜ2~3年に1回かというと、肥料分には入っていない微量な要素が水やりで流失してしまい、生育が悪くなってくるのがこのタイミングなのです。また、古い土は目詰まりを起こすため、根が呼吸しづらくなったり、伸びすぎた根が行く場を失い、成長が止まってしまう「根詰まり」という現象が起きる可能性もあります。
植え替えは、剪定と同様に春から秋までの間が適期で、旺盛に活動が始まる5月頃がおすすめです。ただし、植え替えの際に全ての土を落とすのは避けてください。水を吸い上げている細い根も一緒に落としてしまい、あっと言う間に枯れてしまうことがあるからです。このため、もともと植わっていた土は2/3程度残し、新しい土を“補充する”という感覚で植え替えを行ってください。
病害虫

フィカス・ウンベラータを室内で管理していて発生しやすい害虫は、カイガラムシとハダニ。フィカス・ウンベラータは葉の可愛らしさが売りなので、その葉を台無しにするハダニには要注意です。ハダニは初夏以降の比較的温度が高い時期に、室内が乾燥した状態で発生しやすくなり、発生すると葉の養分が吸われ、やがて葉は黄色くなり落葉していきます。ハダニは、葉や枝にクモの巣のような細かい糸を張り生息しています。ライフサイクルが非常に短く、いったん発生すると爆発的に増えるので、葉の状態は常にチェックしておきましょう。
ハダニもカイガラムシも乾燥を好むため、霧吹きで定期的に葉水を行い、土の中が完全に乾ききってしまう水切れに注意しながら管理を行えば、ある程度は防ぐことができます。なぜ“ある程度”かというと、室内で栽培するということは、植物にとっては不自然なことなので、自生しているものに比べてどうしても病害虫のリスクは高くなります。このリスクを低減するために役立つのがサーキュレーター(送風機)。室内の空気を循環させ、より自然に近い環境に近づけるだけでも病害虫のリスクは低減できるので、サーキュレーターの使用をおすすめします。
【ポイント】
病害虫は、日頃の観察が最大の防御となります。簡単でも構わないので、毎日チェックすることを習慣づけるとよいと思います。
ペットを飼っている人は覚えておこう
同居している犬や猫がフィカス・ウンベラータの葉や幹の傷口から出る樹液を口にした場合、よだれが過剰に出る、口内を過度に痒がるなどの症状を発することがあります。また、重度の場合は痙攣などの神経症状を起こすこともあります。これらの症状が出た場合は、速やかに動物病院を受診してください。最初は軽度の症状でも、時間と共に痙攣を起こし重症化することも考えられるため、夜間であっても、夜間診療を行っている動物病院を受診することをおすすめします。
このように言うと、フィカス・ウンベラータとペットの共存は難しいのでは、と考えてしまうかもしれませんが、飼い主さんが工夫さえすれば基本的には共存は可能です。ただし、注意しなければいけないのは、好奇心が最も旺盛な仔犬期と仔猫期で、この時期は確実に触れることのできない場所に置いておいたほうがよいでしょう。
フィカス・ウンベラータをおしゃれに魅せる技
枝の作り込んである仕立てのものは、チランジア(エアプランツ)や着生植物などを引っかけて立体的に飾ることもできます。
また、チランジアはピンク色の綺麗な花を咲かせるので、まるでフィカス・ウンベラータに花が咲いたような摩訶不思議な感覚も楽しめます。


オザキフラワーパークでフィカス・ウンベラータにおすすめの映える鉢&鉢カバー7選
ファイバークレイ角鉢


見た目より軽い白いセメント調の角鉢は、どんな部屋にも合わせることができるので便利! スクエアなフォルムがフィカス・ウンベラータをとても上品に魅せます。
- 大人の身長くらいの植物用
- サイズ:45cm角
- 価格:15,400円(税込)
樹脂製プランター1


コンクリートカラーにクリームイエローで一筆入れたような柄がスタイリッシュな樹脂製プランター。主張しすぎない絶妙なさじ加減が、いい感じで植物を映えさせてくれます。ご家庭はもちろん、オフィスや店舗に置くのもGoodです。
- 大人の身長くらいの植物用
- サイズ:Φ38cm H39.5cm
- 価格:9,800円(税込)
樹脂製プランター2(ストーン調)


ストーン調に表面加工を施し、高級感をUPしている樹脂製プランターは、どんな植物とも相性抜群! 特に、丸みを帯びたデザインが、フィカス・ウンベラータの葉の可愛らしさを引き立てます。
- 大人の身長くらいの植物用
- 価格:7,590円(税込)
樹脂製プランター3(ブラック)


どんな植物も引き立てるオールマイティーな黒の樹脂製プランターは、フィカス・ウンベラータにもピッタリ! 主張が控えめな分、フィカス・ウンベラータの樹形そのものが引き立ちます。
- 大人の身長くらいの植物用
- サイズ:Φ38cm H39.5cm
- 価格:9,800円(税込)
セメント系のシンプルデザインの鉢


フィカス・ウンベラータの持つ味わいをさらに深めてくれるセメント系のシンプルデザインの鉢。鉢底にかけての美しいカーブが、フィカス・ウンベラータの秘める優しさと上品さを自然に引き出します。
- 大人の身長の植物用
- 価格:9,900円(税込)
カゴテイスト鉢カバー1(ナチュラル&ダークグレー)


爽やかなアイランドイメージを演出するカゴテイスト鉢カバーは、亜熱帯地方出身のフィカス・ウンベラータとの相性が抜群! どんな部屋にもマッチするナチュラルカラーと、シックに決まるダークグレーの2種類をご用意しています。
※カゴの繊維を保護するために中に受け皿を入れて使用してください。
- 大人の身長くらいの植物用
- 価格:左(ナチュラル)5,940円(税込) 右(ダークグレー)6,050円(税込)
カゴテイスト鉢カバー2(クレイ:編み込み&クレイ:巻き)


落ち着いた感じのクレイカラーが上品な大人の魅力を醸し出すカゴテイスト鉢カバー。フィカス・ウンベラータと合わせることで、南国の高級リゾートを彷彿とさせます。
※カゴの繊維を保護するために中に受け皿を入れて使用してください。
- 大人の身長くらいの植物用
- 価格:左(クレイ:編み込み)7号鉢用 2,750円(税込) 右(クレイ:巻き)5号鉢用 1,540円(税込)
おわりに
いかがでしたか? フィカス・ウンベラータ。ふとお邪魔した家や、オフィス、店舗などで、比較的目にする機会も多いため、観葉植物としてはメジャーな印象ですが、お話を伺っていると魅力も増し、取材者の私も育ててみたくなってしまいました。葉が大きくて存在感があるため、置く場所を選ぶように思えますが、紹介していただいた鉢カバーを合わせると、どこに飾っても部屋の見栄えがよくなりそう。そういう万能なところも、さすが人気No.1は伊達ではないですね。フィカス・ウンベラータ、迷っている人は近くの園芸店にチェックしに行きましょう! 衝動買いが待っていますよ〜(笑)。
オザキフラワーパークでは、どんな些細な質問でも常時受け付けてくれます。スタッフの皆さんがお客様一人ひとりの、今日の「分からない」を、明日の「楽しみ」に変えるお手伝いをしてくれるので、この機会にぜひ観葉植物の世界に足を踏み入れてみませんか?
お話を伺ったのは…オザキフラワーパーク観葉植物担当 百瀬さん

「フィカス・ウンベラータのことならなんでも聞いてください!」と、今回お世話になったオザキフラワーパーク観葉植物担当の百瀬さん。
観葉植物全般のエキスパート百瀬さんには、今後もいろんな観葉植物を紹介していただくので、乞うご期待!
取材協力
『オザキフラワーパーク』
1961年に東京は練馬区石神井で創業以来61年、人気の観葉植物からニッチな珍奇植物まで、全国屈指を誇るその品揃えは「買える植物園」としての異名を持つ。植物や園芸グッズの豊富さもさることながら、アクアリウムや爬虫類の生体販売も行っているため、近隣はもちろん、全国各地からお客様が途絶えることなく来店する話題の超大型園芸店。編集部スタッフもプライベートで足繁く通う。
東京都練馬区石神井台4-6-32
TEL : 03-3929-0544
URL: https://ozaki-flowerpark.co.jp
営業時間:9:00~19:00
写真:
リーフクリン手持ち、鉢&鉢カバー7選:オザキフラワーパーク
レースカーテンwithフィカスウンベラータ:Photo AC
ハダニ:Photo AC
Credit
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