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宿根草(しゅっこんそう)という植物のグループをご存じですか? ガーデニングを始めたばかりの人には、初めて聞くワードかもしれない宿根草。実は手間がかからなくて、とっても簡単に育つ宿根草もたくさんあります。「ガーデニングの初心者にこそ、宿根草をオススメしたい!」という「おぎはら植物園」店長の荻原範雄さんに、育てやすいオススメ宿根草をピックアップしていただきます。

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宿根草は長生きをする植物

宿根草には、上級者向きの花で「難しそう」というイメージをもつ人もいるかもしれません。しかし、これまで20年以上、宿根草を育ててきた経験から、ガーデニング初心者の方にこそ、宿根草をオススメしています。

まず、宿根草とは越年して毎年花を咲かせる「長生きする植物」と考えればわかりやすいと思います。一度植えれば、何年も花を咲かせるものが多く、経済的で、長くつき合うほど愛着も湧きます。

次々と咲く花がら摘みに追われることもなく、多少水やりを忘れてしまっても、すぐに枯れることはない丈夫な種類もたくさんあります。宿根草は、春の芽吹きから始まり、開花、秋の紅葉や冬の落葉など、四季折々の表情を見せてくれるので、季節感を味わうことができるのも魅力です。お気に入りの宿根草が、花を咲かせて季節の変化を伝えてくれる。癒されながら生活する。ナチュラルなスタイルのガーデニングも、またよいものです。

手入れが少なく、忙しい方にもオススメ

こまめな花がら摘みや、水やり、そして剪定などはあまり必要がなく、ローメンテナンスなものが多いので、忙しい方や休日ガーデナーにもオススメです。まずは気に入った宿根草を植えてみて、どのように成長するのか見守ってみてはいかがでしょうか。

宿根草の中には正しい知識で管理しないと栽培が難しいものもありますが、初心者の方でも簡単に育てることができるものもたくさんあります。まずは、季節ごとに入門編の宿根草を5つご紹介します。

季節ごとに花が咲く、育てやすい宿根草5選

<早春> クリスマスローズ

寒さや暑さに強く、最も多く流通しているオリエンタリス・ハイブリッドを早春に咲かせましょう。

【生育の様子・育て方のポイント】

庭植えの場合は、あまりジメジメしていない場所を選びましょう。日陰の植物と思われがちですが、西日を避ける程度で十分育ちます。鉢植えでの栽培も人気です。

早春に花が咲き、晩春に緑に変わっても観賞価値が続きます。花は切り花にしても長く楽しめます。花が終わったら花茎を元から切り取ります。夏から秋は、葉がよく茂って、庭に緑が絶えません。冬になると葉は紅葉します。傷んだ葉があったら、切り取ってもかまいません。植えた場所が合えば、年々花の数も増えて、株も立派に成長します。

<春>プリムラ (プリムラ ブルガリス)

明るいクリームイエローの花が一斉に咲き、ヨーロッパではプリムローズと呼ばれ、春を告げる花として親しまれています。花や葉を食用にするハーブ(エディブル・フラワー)としても知られています。

【生育の様子・育て方のポイント】

水はけがよい日向に植えます。夏は午後から日光を遮れる場所に植えると、葉も一年中きれいに楽しめます。生育が優れないときに軽く肥料を与える程度で、特に手入れは必要ありません。

<夏>エキナセア

暑さに強い夏の花で、明るい花色でキリッと立ち上がり、凛と咲く姿が印象的です。根を薬用にするハーブとしても知られています。花の色や形のバリエーションも豊富です。

【生育の様子・育て方のポイント】

寒さにも暑さにも耐え、丈夫なので植えっぱなしでよく育ちます。十分な日当たりと風通しがある環境を好み、湿気のある日陰を苦手とします。夏の花後は、花心が残って、秋にはドライフラワーのような風情があります。冬は葉がすべて落ちて、晩春頃から葉が芽吹き、再び生育を始めます。

<秋>小菊

菊には数多くの品種がありますが、初心者の方には、放任でもよく咲く小菊がオススメ。小菊は風情があって和風の趣もありますし、洋風の庭でも似合いますので、国内、海外を問わず人気があります。最近の新しいタイプは難しい剪定をしなくても花がたくさん咲く優秀なものが多いです。性質も丈夫なので、植えっぱなしが可能です。花は小さな花瓶に活けて、部屋に飾ってください。

【生育の様子・育て方のポイント】

土もあまり選ばず、日当たりのよい場所に植えれば、ほとんど放任でかまいません。より低く、たくさん咲かせたい場合は、夏頃に半分以下の高さに切り戻すとよいでしょう。花後は地上部が枯れて、冬を越します。

<冬>原種のシクラメン(シクラメン・コウム)

原種と聞くと、ちょっと難しそうなイメージがあるかもしれませんが、このコウムは植えっぱなしで毎年花が咲き、手軽に育てることができます。とっても小さな花が可愛らしく、コインのような丸い葉にも観賞価値があります。

葉の模様がいろいろなので、鉢植えにして、多肉植物のようにコレクションするのも楽しいです。写真は、シルバーリーフのシクラメン・コウム。

【生育の様子・育て方のポイント】

鉢植え、庭植えともに水はけのよい用土を使用しましょう。一般的な園芸培養土に軽石を混ぜても。日向を好みますが、夏は午後から日光を遮れる場所を選びます。冬から早春に可憐な花を咲かせます。夏になると葉がなくなって休眠します。夏に葉がなくなったら、水分はほとんど必要ありません。秋になると小さな葉が再び芽吹いてくるので、表土が乾いたら水をあげましょう。

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