チャイブの育て方と活用法! ピンク色のチャイブドレッシングを作ろう

ネギのような見た目の、チャイブというハーブをご存じですか? 見かけはアサツキにそっくりなのですが、口に含むとネギより味も風味もマイルドで、とても使い勝手のいいハーブなのです。加えて、手軽に育てられるのも魅力! 今回は、チャイブの育て方と、育てたハーブの活用レシピ・チャイブビネガーを使った、おいしいドレッシングをご紹介します。
目次
チャイブはどんなハーブ? チャイブの効能は?

チャイブはユリ科の多年草。原産地はアジア・ヨーロッパで、和名はエゾネギです。
チャイブはネギの仲間で、主に料理に使います。小口切りにしても繊細で、スープやオムレツ・サラダの飾りにもぴったり。また、ネギの代わりに、そうめんや蕎麦の薬味にも〇。春に咲く花は、エディブルフラワーとして食べられます。花びらだけにして、サラダに添えていただきましょう。
チャイブには豊富なビタミンとミネラルが含まれています。特に注目すべき成分が「アリシン」という強い匂いを持つイオウ化合物の一種。主に、ニンニクやネギなどに含まれている、あの独特な強い香りのもとです。ニンニクが疲労回復によい・スタミナがつくといわれるのは、このアリシンの働きによるものです。が、ニンニクはちょっと匂いが気になるな…という時にこそ、チャイブを使ってみてください。チャイブは、ニンニクやネギよりもマイルドで、とても食べやすいハーブ。疲労回復・健康維持のために、ちょっとずつ、毎日摂取することをおすすめします。
チャイブを育ててみよう! 栽培のコツは?
チャイブは、スーパーのフレッシュハーブコーナーで見かけるようにもなりましたが、パセリやバジルに比べると、まだまだ手に入りにくいハーブです。必要な時にすぐに使えるように、ご自身で栽培してみましょう!
チャイブの育て方・植え付け
チャイブは、日向から半日陰で栽培します。ポット苗は4~6月に出回り、ハーブ苗がそろう園芸店などで購入可能です。草丈は30cmほど。1苗につき30cm四方のスペースをとって植え付けます。ポットから出したら、根は崩さず、そっとやさしく植えましょう。
チャイブの水やり・注意すべき病害虫
チャイブは土の表面が乾いたら、たっぷり水をあげてください。乾燥に弱いので、水切れには注意します。乾燥しすぎると、アブラムシやハダニがつきやすいので、葉をよくチェックしましょう。虫は見つけ次第、捕殺です。病気にはあまりなりません。
チャイブの収穫方法
チャイブは生育旺盛なハーブで、1年で3回ほど、根元からカットしても、またすぐ出てきます。慣れるまでは、切るのがちょっと怖いと感じるかもしれませんが、必ず伸びてくるので大丈夫、チャレンジしてみてください。
チャイブは葉と花が食べられます。4月から11月、葉があるうちならいつでも収穫できますよ。草丈が20cmほどになったもの、大きくなったものから、収穫してみましょう。地際から3cmほど残してカットします。途中でカットするのではなく、株元付近で切るのが再生させるポイントです。
なお、チャイブは加熱すると味や香りが落ちるので、フレッシュのまま使いましょう。

また、チャイブは2年目の5〜6月に丸い紫色の花が咲きますが、花が咲くと葉が硬くなってしまいます。花が咲いたら株元から切り取り、次の葉を育ててください。
チャイブは暑さにあまり強くないため、夏場、強い日差しに当たると株が弱ります。花が咲くと株は花に体力を使ってしまい、よけいに株が弱るので、そのままにせず収穫を兼ね、花後は一度バッサリとカットするのがベスト! 花が咲いたら、チャイブビネガーを作りましょう。作り方は、このあとご紹介します。
チャイブの冬越し
チャイブは多年草なので、来年また新しい葉が出てきますが、冬の間は葉がなくなります。11月末を目安に、地上部をカットして、腐葉土などで土の表面を覆うマルチングをしておくと、関東以南は戸外で冬越し可能です。
なお、冬の間、地上部はなくなりますが、根は生きています。1~2週間に1回程度、水をあげましょう。3月下旬になると、新芽が出てきます。
チャイブの花が収穫できたら、チャイブビネガーを作ろう
チャイブの花が収穫できたら、チャイブビネガーを作ってみましょう。

【材料】
◯りんご酢 150ml
◯チャイブの花 30個
◯150mlビン 1個
【作り方】
1. チャイブの花を摘んで、軽く洗い、しっかり乾かします。
2. ビンを煮沸消毒します。
3. ビンの中にチャイブの花を入れます。

4. りんご酢を注ぎ入れ、蓋をして、一度しっかり振ります。

5. 冷暗所に置き、2週間ほど寝かせます。毎日1回、しっかり振りましょう。
6. 2週間後、濾して完成です。

2週間経ったら、フィルターなどを使って濾して、完成です。何も着色していませんが、こんな鮮やかなピンク色に! チャイブを30個入れたものが右、チャイブ10個のものが左です。30個のほうが、色も香りも濃く仕上がりましたが、10個でも十分チャイブの香りが楽しめますよ。
チャイブビネガーのドレッシングを作ろう
チャイブビネガーは、ドレッシングにするのがおすすめです。
【材料】
◯チャイブビネガー 50ml
◯オリーブオイル 50ml
◯塩 3g
◯コショウ 適量
作り方
作り方は簡単! 材料をすべて混ぜれば完成です。
自分で栽培したハーブを使って作る一品は、きっと格別においしく感じるはず。ぜひ、ハーブのある暮らしを楽しんでみてくださいね。
Credit

写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/
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