【珍奇な多肉植物】サボテンやコーデックスなど、ブーム真っ最中の珍奇系多肉植物の魅力を新人編集部員が徹底解説!|多肉植物狂い vol.01
葉や茎に水分をたっぷり含んだ姿が可愛らしい多肉植物。その種類はじつに豊富で、サボテンをはじめ、根や幹の部分が大きく膨れ上がったコーデックス(塊根植物)などにはマニアックな愛好家も多数います。今回より新人編集部員Kが、そんな珍奇な多肉植物の魅力をご紹介していきます。
目次
サボテンが好きすぎて・・・
こんにちは。サボテン好きが高じて、新たにガーデンストーリー編集部に加わりました、編集部員Kです。これから皆さんに、サボテンやコーデックスなど、ちょっと可愛らしくも珍奇な多肉植物の数々をご紹介していきます。育て方などのお悩み解決はもちろん、入手方法や、プロ栽培家への取材など、多肉植物に関するさまざまな情報をアップしていきますので、楽しみにしていてくださいね!
私は日本酒を好み、葉巻もたしなみますが、やはり最高な時間は、我が家のサボテン60株、コーデックス11株を、ひと株ひと株呼んで、「そのトゲ、いつ生えたの? とてもCoolだね」、「どう?日本の気候には慣れた?」と、語り合いながら一杯飲ることです。さながら高校の個人面談ですね。
サボテンとコーデックス、その限りなき魅力
サボテンやコーデックスは「珍奇植物(ビザールプランツ)」とも呼ばれ、その特異なフォルムが世界中の愛好家を魅了しています。
サボテンの魅力は種類の豊富さと幅の広い価格
一般にサボテンといえば、まず思い浮かぶのは、西部劇にも出てくる「柱サボテン」ではないでしょうか。しかし、サボテンにはさまざまな種類があり、例えば、お馴染みの鋭いトゲが、老人の白髪のようなふわふわとした形状に変化したものや、そもそもトゲ自体がないものなど、その珍奇な見た目から、いわゆるステレオタイプのサボテン像をくつがえすような品種が数多くあります。
価格帯も非常に幅広く、ウサギの耳のような形が可愛らしいバニーカクタスのように、街のお花屋さんで見かけるようなサボテンは千円にも満たない値段で購入できますが、過酷な生育環境をルーツに持つような珍種ともなると、オークションで数十万円という値で取り引きされています。安価なものは育てやすいのですが、高価なものは値段に似合う「気難しさ」を持つものが多く、栽培にはそれなりのスキルが求められます。
コーデックスの魅力は珍奇なフォルムに似合わぬ育てやすさ
コーデックスは、「塊根植物」という名の通り、茎や根に水分をたっぷりと含んだ「塊」が特徴の多肉植物で、その多くが一度見たら忘れられないような形をしています。主な原産国であるマダガスカルや南アフリカの厳しい環境に順応するように、とても長い年月をかけて進化していった結果、このようなフォルムになったといわれています。そのように聞くと、愛嬌のあるフォルムにも、どこか地球規模の壮大なロマンを感じてしまいます。
しかし、気難しい頑固者が多いサボテンと違い、初心者でも気軽に楽しめる育てやすさも、コーデックスの大きな魅力の一つで、おうち時間が増えたことを背景に、コーデックスは今ブームにもなっています。そのため、昨今(2022年4月現在)は価格も少々お高めに推移しており、値段の面では、気軽に、というわけにはいかないようです。ちなみに、コーデックスにハマッた人が必ず目指すのが「グラキリス」という品種の輸入株を育てること。輸入株は国産株と異なる奇異な形状が特徴で、そのため数万円の値が当たり前のように付けられています。
花が咲いた時の感動は圧巻!
ブラッディーオレンジの花が情熱的な、エキノケレウス「オレンジ花桃太郎」の開花シーン。
どうしても花を咲かせたい場合は開花株の購入がおすすめ
サボテンもコーデックスも、その多くは大変美しい花を咲かせます。しかし、花を咲かせるには、株の大きさや生育環境など、諸条件が整うことが必須。そうなると、ある程度の栽培手腕が必要となるため、「すぐに花が見てみたい!」という初心者の方は、既につぼみを付けた開花株を購入するとよいでしょう。
切磋琢磨の結晶が花開いたときの感動
サボテンもコーデックスも、基本的には外来植物。いかに原産国の気候風土に近づけられるかが上手に育てるコツだと、プロの生産者さんから伺ったことがあります。でもそれって、結構難しいですよね。特にサボテンは乾燥地帯出身なので、日本のジメジメした梅雨の時期や、真夏の直射日光は大敵。分かってはいても、ついバルコニーから室内に取り込むのを忘れて出かけてしまい、表面の一部が日焼けしてしまった、なんて失敗はよくあることです。
このように、失敗と学びを繰り返し、切磋琢磨しながら時間と手間をかけた愛株が花を咲かせた時は、とっておきのお酒で一杯飲りながら、ここに至るまでの道程に浸ってしまいます。目を閉じればそこに、北米や南米の砂漠地帯でたくましく生き抜く、仲間のサボテンたちの息吹さえも聞こえてきます。サボサボ、、、サボサボ、、、と。
SNSと共に楽しむ多肉植物
インスタグラムで、サボテン(cactus)や塊根植物(Caudex)、多肉植物(succulentplants)をハッシュタグ検索すると、膨大な数の投稿を見ることができ、国籍や人種にかかわらず、老若男女が十人十色で楽しんでいる様子がうかがえます。私もインスタグラムは近しい友人たちと楽しむ程度で使っていますが、たまに、栽培しているグラキリスの写真を投稿しようものなら、「いいね」の数が5〜6倍に突如跳ね上がり、海外の愛好家さんから「It’s so cool, Bud!(いいね、兄弟!)」とメッセージをいただいたことも。
また、栽培で困ったことなどをDMで相談すると、大抵の場合はやさしく返信をしてくれるので、ちょっとした知恵袋としても使えます。このように、SNSで情報交換をしながら楽しむことができるのも醍醐味の一つ。多肉愛がさらに膨らみますよ。
育て方に正解がないからこそトライしてみる価値がある
サボテンやコーデックスの育て方をネットで検索してみると、根の通気姓を確保する、肥料のあげすぎは避ける、など、大筋は一緒なのですが、細かい栽培方法に関しては微妙にニュアンスが異なる記事を多く目にします。これに関して、とあるショップの二代目に尋ねたところ「正解なんてないからね。だからこそ面白い」という答えが返ってきました。プロの意見って、説得力がありますよね。確かに、正解がないからこそトライする価値があり、それこそ、ビザールプランツ最大の魅力なのだと思います。
おわりに
数ある多肉植物の中でも、サボテンやコーデックスは、ちょっとマニアックな価値観をもつ人たちが集うディープな世界。ガーデンストーリーでは、より多くの人にこのディープな世界観を楽しんでもらえるように、今後、現場の「マニアックなプロ」からのアドバイスもどんどん掲載していきますので、乞うご期待です!
Credit
文/編集部員K
フリーランスのロックフォトグラファーを経て2022年4月にガーデンストーリー編集部に参加。サボテンに魅せられて以来5年の時を経て、天職を得たと狂喜している。
写真/JOHN CHEESEBURGER
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