ゲウムは春から夏にかけて次々と花を咲かせ、ユニークな実をつけるのが特徴の多年草です。華やかながらも楚々とした花姿で、ナチュラルガーデンやイングリッシュガーデンにおすすめ。この記事では、ゲウムの基本情報や品種、特徴、詳しい育て方などをご紹介していきます。

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ゲウムとは

美しい花姿でガーデナーの大注目を集めているゲウムとは、どんな花なのでしょうか? ここでは、特徴や性質、品種など、基本情報についてガイドしていきます。

ゲウムの基本情報

ゲウム
Matthew Ashmore/Shutterstock.com

ゲウムは、バラ科ダイコンソウ属(ゲウム属)の多年草です。原産地はユーラシア、南北アメリカなどで、50種ほどが分布しているとされ、日本でも5種ほどの自生が確認されています。寒さには大変強いのですが、高温多湿が苦手です。ゲウムは半常緑性の多年草で、気候や環境によって冬になると地上部を枯らすこともあれば、常緑のまま越冬することもあります。一度植え付けると、生育期が来れば新芽を出して毎年開花する息の長い植物なので、冬に地上部が枯れたからといって早々に処分せずに、翌春まで見守ってあげてください。

ゲウムの学名はGeumで、学名がそのまま草花名として流通しています。とはいえ、日本では大根草(ダイコンソウ)という名のほうに、親しみを感じる方もいるかもしれません。日本に古くから自生してきたダイコンソウは、学名をGeum japonicamといい、ゲウムの一種です。

ゲウムの草丈は10〜60cmほど。育てる品種によって草丈に幅があるので購入する際に、最終的にどのくらいの大きさになるのか、ラベルなどをチェックしておくとよいでしょう。

開花期は5〜6月で、花色には赤、オレンジ、黄色、ピンク、アプリコット色、白などがあります。

代表的な品種

ゲウム
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ゲウムは50種ほどが分布されているといわれ、日本で自生してきた黄花のダイコンソウのほか、南欧〜小アジア原産で濃いオレンジ色のベニバナダイコンソウ(Geum coccineum)、ヨーロッパ原産のセイヨウダイコンソウ、南米原産のチリダイコンソウなどがあります。園芸品種も見られるようになっており、草丈が低めにまとまり多数の花を咲かせる‘カクテル’シリーズ、赤みを帯びた茎葉に深みのある赤花を咲かせるゲウム・リバレ‘フレームオブパッション’などが人気です。

ゲウムの特徴

ゲウム
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ゲウムの草丈は10〜60cmほどで、ダイコンの葉をコンパクトにしたような葉が、地際から放射状に伸びます。この葉の姿が「ダイコンソウ」と呼ばれる由縁です。花茎が長く伸びた先に2〜3cmほどの5弁花が数輪開花。花茎が細いので少しの風も感じてゆらゆらと揺れる姿には野趣感があり、ナチュラルな雰囲気を持っています。

ゲウムの基本的な育て方

ここまで、ゲウムの基本情報や代表的な品種、特徴などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、適した栽培環境や植え付け、水やりや施肥、手入れなど日頃の管理、増やし方など、育て方について詳しく解説します。

望ましいゲウムの栽培環境

ゲウム
Summer 1810/Shutterstock.com

基本的には、日当たり、風通しのよい場所が好適。半日陰の場所でも育ちますが、花付きが悪くなります。暑さにも耐性がありますが、特に暑さが厳しい地域では、午前中のみ日が差す東側や一日中チラチラと木漏れ日がさすような涼しい半日陰の場所に植え付けるのが無難です。また、ゲウムは高温多湿の環境を嫌うため、蒸れに注意。込み合いすぎていたら、適宜間引き剪定をして、風通しよく管理するとよいでしょう。一方で冬の寒さには比較的強く、植えっぱなしにしても越冬します。

ゲウムの栽培に適している用土

土
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【地植え】

植え付けの2〜3週間前に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。水はけの悪い土壌であれば、植え穴を大きめにあけ、川砂やパーライトを混ぜて土壌改良しておくとよいでしょう。さらに腐葉土や堆肥を多めにすき込み、10〜20cmくらい土を盛って周囲よりも高くしておきます。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

ハーブ用や山野草用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。

植え付け

ガーデニング
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ゲウムの植え付け適期は3月または10月です。ただし、植え付けの適期以外にも苗が園芸店で販売されていることもあります。入手したら、早いうちに適地に植え付けましょう。苗を購入する際は、節間が短くがっしりと締まって、勢いのあるものを選んでください。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に苗よりも一回り大きな穴を掘り、ポットからゲウムを取り出し、根鉢をやや崩して植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、30〜40cmほどの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。

【鉢植え】

鉢の大きさは、7〜10号鉢(直径21〜30cm)を準備しましょう。

用意した鉢の底穴の上に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから、ハーブ用または山野草用の培養土を半分くらいまで入れましょう。ゲウムの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出し、根鉢をやや崩して植え付けましょう。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。

水やり

水やり
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水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。

真夏に水やりする場合は、気温が上がっている昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。

【地植え】

根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。ゲウムは高温多湿を嫌う性質とはいうものの、乾燥しすぎると弱るので、水切れしないようにすることが大切です。しかし、いつでもジメジメとした状態になっていると、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたのを見はからってから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬に地上部が枯れても、カラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。

ゲウムへの肥料の与え方

肥料
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【地植え】

植え付け時に元肥として緩効性肥料を施してあれば、その年の追肥は暑さが落ち着いた10〜11月中旬頃に、株の周囲に緩効性肥料をばらまいてよく耕すのみでOK。

越年して以降は、生育が旺盛になり始める少し前の3〜4月中旬頃と、暑さが落ち着いた10〜11月中旬頃の年に2回を目安に緩効性肥料を施します。

【鉢植え】

3〜4月中旬頃と10月〜11月中旬頃に、緩効性肥料を鉢に均一にばらまいて土に馴染ませましょう。もしくは、この時期に液体肥料を2週間に1度を目安に与えてもかまいません。

ゲウムの栽培に必要な作業

剪定
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【花がら摘み】

ゲウムは次々に花が咲くので、終わった花は摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。種子を採取したい場合は、開花が終わりそうな頃に花がら摘みをやめて、種子をつけさせましょう。

【切り戻し】

開花後は暑くなって株が蒸れて弱ることがあるので、切り戻して風通しよく管理します。草丈の半分くらいまでを目安に短くカットして、込み合っている部分があれば透かし剪定をしておくとよいでしょう。

ゲウム栽培に注意すべき病気や害虫

アブラムシ
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【病気】

ゲウムが発症しやすい病気は、灰色かび病などです。

灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほどで多湿の環境下で発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合いすぎていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合いすぎている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。

【害虫】

ゲウムに発生しやすい害虫は、アブラムシ、ヨトウムシなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

ヨトウムシは蛾の幼虫で、夜に活動して葉を食い荒らします。食欲旺盛で、一晩のうちに丸裸にされてしまうことも。葉の裏に卵が産み付けられるので、孵化直後の幼齢のうちに退治するのがポイントです。または植え付け時に、土に混ぜ込んで防除するタイプの殺虫粒剤を土壌に混ぜ込んでおくと発生を防ぐことができます。

夏越し・冬越し

ゲウム
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【夏越し】

庭植えの場合、環境に合えば植え替えの必要がありません。しかし、夏の暑さに弱る場合は夏前に半日陰の涼しい場所に植え替えるか、鉢に植え替えて夏越しさせるとよいでしょう。

鉢植えの場合は、風通しのよい半日陰など涼しい場所へ移動して管理します。

【冬越し】

ゲウムは冬の寒さに大変強いので、庭植えは植えっぱなしでよく、鉢植えは戸外に置いたままで越冬できます。

ゲウムの植え替え・鉢替え

ガーデニング
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ゲウムの植え替え適期は、3月または10月です。

【地植え】

順調に生育していれば、数年は植えっぱなしにしてもかまいません。大株に育って株が衰え始めたら、株分けを兼ねて植え替えます。株分けの仕方は、「増やし方」の項目を参照してください。

【鉢植え】

鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。

鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢を崩す程度にして植え替えてください。

増やし方

種まき
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ゲウムは、種まきと株分けで増やすことができます。

【種まき】

種まきするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。

ゲウムの種まきの適期は3月中旬〜5月中旬か10月頃です。ゲウムは発芽率がよく、こぼれ種でも増えるほどなので、種まきは容易にできます。種まき用のセルトレイに市販の草花用培養土を入れ、1穴当たり1〜2粒ずつ播きます。種が隠れる程度に土を薄くかけ、はす口をつけたジョウロで高い位置からやわらかい水流で水やりをしましょう。乾燥しないように管理し、発芽後は日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚出始めたら、黒ポットに植え替えて育苗しましょう。ポットに根が回ってしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植します。

【株分け】

ゲウムの株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りを図ります。ゲウムの株分けの適期は3月か10月頃です。株を掘り上げて数芽ずつつけて根を切り分け、再び植え直します。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。

ゲウムで初夏の庭を華やかに

ゲウム
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春から初夏にかけて次々と花を咲かせてくれるゲウムは、カラフルな花色ながらも楚々とした花姿が可憐で、ほかの草花ともコーディネートしやすいのも長所の一つです。また、切り花としても利用でき、インテリアをみずみずしく彩るのにも一役買ってくれます。ぜひ庭やベランダに取り入れて、明るい花色を愛でてはいかがでしょうか。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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