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約半年間咲き続けるブルーサルビア! 育て方や基本情報をご紹介します!

約半年間咲き続けるブルーサルビア! 育て方や基本情報をご紹介します!

Kotcha K/Shutterstock.com

初夏から秋にかけて、青紫の花を咲かせるブルーサルビアをご存じでしょうか。暑い夏の時期に涼しげなブルーの花穂を立ち上げて一斉に開花するので、夏のクールガーデンの演出に一役買ってくれますよ! この記事では、そんなブルーサルビアの特徴や育て方についてご案内します。

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ブルーサルビアとは

ブルーサルビアは、丈夫な性質で植えっぱなしにしても元気に育つので、ビギナーにおすすめの夏の花です。ここでは、ブルーサルビアの基本情報や名前の由来、花言葉などについてご紹介します。

ブルーサルビアの基本情報

ブルーサルビア
Photo Win1/Shutterstock.com

ブルーサルビアは、シソ科サルビア属の半耐寒性の多年草(日本では一年草扱い)。原産地は北アメリカです。初夏に種を播いて育苗すると、夏から晩秋にかけて長く咲いてくれます。暑さには強いのですが、寒さには弱いので、日本の寒い冬を乗り越えられずに冬前には枯れてしまいます(ただし本来は多年草なので、暖地では越冬することもあるようです)。寿命は半年くらいで、ライフサイクルの短い植物といえます。

草丈は40〜80cmほどで、花壇の中段あたりに向いています。花茎をすらりと上げて穂状になり、縦のラインが強調されるのでガーデンに立体感を出すことができます。花色は、ブルーのほかに白があります。

ブルーサルビアの名前の由来

ブルーサルビア
CuteIdeas/Shutterstock.com

ブルーサルビアという名前は、じつのところ通称で、学名はサルビア・ファリナセア(Salvia farinacea)といいます。この花が一般に出回り始めた頃、サルビアといえば赤い花のサルビア・スプレンデンスのほうが圧倒的に知名度が高かったため、それと区別して覚えやすいように、ブルーサルビアの名称で流通するようになりました。ややこしい話ですが、サルビア・ファリナセアには白い花もあります。青花よりも後発で白花も出回るようになったものの、「白花のブルーサルビアとはこれいかに」という混乱を回避するために、現在はサルビア・ファリナセアと呼ばれることが多くなっています。

ブルーサルビアの花言葉

ブルーサルビア
mariokinhed/Shutterstock.com

ブルーサルビアの花言葉は、「永遠にあなたのもの」「爽やか」など。これは花色や長期間咲き続けることにちなむとされています。

ブルーサルビアの育て方

ここまでは、ブルーサルビアの基本情報や名前の由来、花言葉などについてご紹介してきました。ここからはガーデニングの実践編として、育て方について詳しく解説していきます。

育てるのに適した環境

ブルーサルビア
THE CUT/Shutterstock.com

日当たり、風通しのよい場所を選びます。日照が不足すると花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりするので注意。また、水はけ、水もちのよい土壌を好みます。地植えの場合は、植え付け前に有機質資材を投入してよく耕し、ふかふかの土作りをしておくとよいでしょう。乾燥を苦手とする傾向があるので、砂質土壌など乾きやすい場所などでの栽培は避けたほうが無難です。

土作り

土作り
funnyangel/Shutterstock.com

【地植え】

丈夫な性質ですが、酸性に傾いた土壌を嫌うので、植え付ける3〜4週間前に苦土石灰を散布して土に混ぜ込んでおきましょう。さらに1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕してふかふかの土を作っておきます。特に乾きやすい砂質土壌では、水もちをよくするための土壌改良が必要です。有機質資材を多めに混ぜ込んでおきましょう。事前に土作りをしておくことで、分解が進んで土が熟成します。

【鉢植え】

草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。

種まき

種まき
Taras Garkusha/Shutterstock.com

ブルーサルビアは、ビギナーでも種まきから育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。

ただし、ブルーサルビアの苗は初夏から花苗店に出回り始めます。手軽に育てたいなら、苗の植え付けからのスタートがおすすめです。「1〜2株あれば十分」という方も、次項に進んでください。

ブルーサルビアの発芽適温は20℃前後。種まきの適期は、十分に気温が上がった5月頃です。

まず、セルトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れます。中央に植え穴をあけて種子を2〜3粒ずつ播き、ごく薄く土をかぶせましょう。最後に浅く水を張った容器に入れて、底から吸水させます。これはジョウロなどで上から水やりすると種子が流れ出してしまうことがあるからです。発芽までは暖かく明るい半日陰で管理し、乾燥しないように適度に水やりをしましょう。

発芽後は日当たりのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚ついたら、勢いがあって元気のよい苗を1本のみ残し、ほかは間引きましょう。ヒョロヒョロと伸びた弱々しい苗や、葉が虫に食われている苗、葉が黄色くなっている苗などを選んで間引きます。さらに、黒ポットに培養土を入れて植え替え、10日に1度ほど薄い液肥を与えて育苗します。十分に成長したら花壇や鉢などに植え付けます。

植え付け

ガーデニング
OlegDoroshin/Shutterstock.com

ブルーサルビアの植え付け適期は5〜7月中旬です。花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。

【地植え】

土作りをしておいた場所に苗よりも一回り大きな穴を掘り、やや根鉢を崩して植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、20cmほどの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。

【鉢植え】

鉢の大きさは、6〜7号鉢を準備しましょう。

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ブルーサルビアの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出し、やや根鉢を崩して植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。

水やり

水やり
wavebreakmedia/Shutterstock.com

株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。

【地植え】

しっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地中から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、乾燥した環境を苦手とするので、雨が降らない日が続くようなら、水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。乾燥すると株が弱るので、水切れには注意。土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。成長期を迎えてぐんぐん茎葉を広げるようになると、水を欲しがるようになります。気候や株の状態に適した水やりを心がけましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイントです。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。

肥料

肥料
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【地植え・鉢植え共通】

開花期間が長いので、真夏を除いた5〜7月、9〜11月上旬に、月に1度を目安に緩効性肥料を株の周囲にばらまいて、土によくなじませます。または、開花促進用の液肥を10日に1度ほどを目安に与えてもよいでしょう。

病害虫対策

アブラムシ
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【病気】

ブルーサルビアの栽培では、病気が発生する心配はほとんどありません。

【害虫】

アブラムシ、ヨトウムシ、ハダニの発生に注意します。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると植物の茎葉について吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

ヨトウムシはヨトウガの幼虫で、極めて食欲旺盛。一晩のうちに花や葉を食い荒らすことがあります。「夜盗虫」と漢字で書く通り、夜に活動する性質を持っています。葉や花に穴があいているのを見つけたら、夜にパトロールして捕殺するか、早いうちに適応する薬剤を散布して防除しましょう。

ハダニは、乾燥が続くと発生しやすい小さな虫で、葉裏などについて吸汁します。大発生すると株が弱るので、葉の表や裏にシャワーを勢いよくかけましょう。小さな虫なので、水の勢いで押し流すことができます。

生育に応じたメンテナンス

剪定
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【摘心】

苗を植え付けるタイミングで、新葉を2枚ほどつけた茎の下で切り取る「摘心」を行うと、下から脇芽が出てきます。この脇芽が勢いよく伸びたら、同様に摘心をし、この作業を繰り返すと、分枝が進んでこんもりと茂る株になります。枝の数が多くなるぶん、花数も多くなりますよ! ただし、「寄せ植えの花材の一つとして加えたいので、スマートな姿を保ちたい」といった場合には、不要な作業です。

【花がら摘み】

ブルーサルビアは次から次へと花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

【剪定(切り戻し)】

ブルーサルビアは開花期間が長く、ある程度咲きそろった後は徐々に草姿が乱れてきます。夏には草丈の半分くらいまで刈り取って、風通しよく管理しましょう。秋になると再び勢いを取り戻して生育し始め、晩秋まで開花を楽しめます。

増やすには?

ガーデニング
Cautivante.co/Shutterstock.com

ブルーサルビアは、挿し芽、種まきで増やすことができます。種まきについては前項を参照してください。

【挿し芽】

挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。たくましいですね! 植物の中には挿し芽できないものもありますが、ブルーサルビアは容易に挿し芽で増やせます。

ブルーサルビアの挿し芽の適期は、6〜7月です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水を入れて十分に湿らせておきます。培養土に3カ所の植え穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。十分に育ったら、植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

地植えと鉢植え、どっちがいい?

ブルーサルビアは、地植えでも鉢植えでも育てることができます。ここでは、その違いや特徴についてご紹介しましょう。

地植えの場合

ブルーサルビア
CuteIdeas/Shutterstock.com

地植えの場合は、鉢植えに比べて根を自由に広げることができるので、株姿が大きくなります。また、地中から水が上がってくるので、水やりもよほど乾燥が続く時以外は基本的には不要。肥料も土中に含まれる養分を吸い上げるので、鉢栽培ほど頻繁に与える必要がありません。また大きく育てれば、ダイナミックな景色をつくることができます。

鉢植えの場合

ブルーサルビア
COULANGES/Shutterstock.com

鉢植えの場合は土の容量が限られるために、まめな水やりのメンテナンスが必要です。また、水やりのたびに肥料成分が流亡しやすいので、施肥の頻度も地植えより高くなります。しかし、日当たりのよい場所など、適した環境に移動しやすいのがメリット。ベランダやテラスなどに配置すれば、居住空間に近い場所を草花で彩ることができます。鉢のデザインや素材にこだわり、草花とのコーディネートも楽しめますね。

庭を鮮やかに彩るブルーサルビアを育ててみよう

ブルーサルビア
ruangrit junkong/Shutterstock.com

この記事では、ブルーサルビアの基本情報から名前の由来、花言葉、育て方まで、詳しく取り上げてきました。暑い真夏にも負けずに、涼しげなクールカラーの花が元気に咲き続け、サマーガーデンには欠かせない草花です。この爽やかなブルーサルビアを、ぜひ庭やベランダで育ててみませんか。

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