埼玉県熊谷市にある『花音の森』には、170坪ほどの庭があります。2019年12月に木がまったくない更地から、植物を植えて庭を作り、2年目の春を迎えています。今回は、パールアカシアのお話。黄色い花が咲くのを楽しみにしていましたが、枯れてしまったのです。気に入っていただけにショックでしたが、対策をして、リベンジしてみることにしました。今回は、そんな庭のトライ&エラーについてレポートをお届けします。

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パールアカシアってどんな植物?

パールアカシアってどんな植物?

中央のシルバーがかかった木が「パールアカシア」です。3月に黄色い丸い花をつける、オーストラリア原産の常緑樹。愛らしい花が咲くので庭木としても人気が高く、育ててみたいと思っている方も多いのではないでしょうか?

こちらの写真は5月のもの。背丈は50cmほどでしたが…

こちらの写真は5月のもの。背丈は50cmほどでしたが…。

10月には、3m近くになりました。

10月には、3m近くになりました。パールアカシアは成長が早い木でぐんぐん大きくなり、とても目立つ存在です。12月には花芽もたくさん付き、花が咲くのを心待ちにしていました。このパールアカシアは常緑の葉がとても美しく、花が咲かない時期も楽しめます。周りの木々が落葉した後、隣近所からの視界を遮るという面でも、おすすめの樹木です。

…が、異変に気がついたのが1月上旬のこと。

葉っぱがパリパリ

葉っぱに触れたら、あれ? パリパリしている…? 一部の枝が庭にありながらいつの間にかドライ化していました。それから慌ててケアしてみたものの、時すでに遅し。2本とも落葉し、枯れてしまいました。

パールアカシアが枯れた原因1:寒かった・暑かった

パールアカシアが枯れた原因1、寒かった・暑かった

枯れてしまった原因を考えてみましょう。まず、思い当たるのは、今年の冬、とても寒かったということ。ここでは、一年を通じて、外と室内の気温を記録しているのですが、今年の最低気温は-7.7℃。熊谷市から30分ほどのところにある寄居町では、-9.2℃を記録し、観測史上最低気温を更新したそうです。アカシアだけでなく、庭木として丈夫なはずのシマトネリコ、例年ならこのあたりでも冬越しできるみかん類も、寒さで落葉してしまいました。

さらに、低温に加えて、霜が降りる日も多かったように思います。霜にあたり、植物の組織が凍ってしまう時間が長いと、組織が損傷して霜焼けという状態になり、枯れてしまうことがあります。

また、一見すると冬の寒さばかりに目がいきますが、夏越しも問題だったのではないでしょうか。剪定もせず、そのままにしていましたが、アカシアも高温多湿は苦手。枝葉を剪定して軽くするなど、梅雨入り前に手入れしておくべきでした…。

パールアカシアが枯れた原因2:植えたばかりで環境に順化していなかった

パールアカシアが枯れた原因2、植えたばかりで環境に順化していなかった

「順化」という言葉をご存じですか?

植物は、年数をかけて、環境に順応する能力があります。温室で育てられている植物は、引っ越し先が寒かったり、急な環境変化があると、それだけストレスになってしまいます。1年目の夏の異常な暑さが体力を奪い、さらにそこに-7.7℃の寒さに当たり、対応できなかったのでしょう。もしこれが、3年、4年と時間が経過していた樹木なら、結果は違ったかもしれません。暑さ除け・寒さ除けをして、環境負荷を減らしてあげるべきでした。

リベンジ! 次は失敗しないための対策は?

植物と一緒にいると、暑さ・寒さ・風など、自然の力の凄まじさに驚きます。その年によって暑さ寒さも異なるなかで、いつもと同じように花を咲かせて、実をつけて…なんてことは難しいですし、予期せぬトラブルにあうことも。ですが、枯れてしまったからといって諦めることはありません。もっと丈夫な植物はないか? と、その土地の特徴に適したものを選び直すのもいいですし、対策をしてリベンジするのもあり!

いつもなら、私はどちらかというと前者で、環境に合う植物を探し直しますが、パールアカシアは本当に葉が美しく、とても気に入っていたのです。枯れたことが大変ショックで、リベンジすることにしました。

リベンジする際は、振り返りをして原因を考え、次は枯らさないように、環境整備を行うことが大切です。台風が頻発する地域、風が強く吹く地域、熊谷市のように夏暑い地域など、お住まいの地域によって特色があり、植物への対策も異なりますが、今回の教訓から私が考えたことは以下の通りです。

1. 遅霜が降りる心配がなくなる頃まで、庭への植え付けは待つ。そして、梅雨入りまでにしっかり根を張ってもらえる環境を作る。

2. 風通しがいいように、適宜枝の数を減らす「すかし剪定」を行う。幹が見えるくらいをキープする。

3. 暑さ除けの対策をする。

4. 1年目は、大きくする・花をたくさん咲かせることを考えず、環境に慣れてもらうこと(順化)に注力する。

5. 11月下旬には、寒冷紗をかけて、寒さ除けの対策をする。

枯れた木はどうするの?

枯れてしまった木は、すぐ切ったり抜いたりせず、しばらく様子を見ます。一見枯れてしまったように見えても、意外と春になると復活することもあるからです。待っても新芽が出てこなかった場合は、株元からのこぎりなどでカットするか、伐根します。

ケースバイケースではありますが、今回のパールアカシアは、のこぎりで株元を少し残してカットしました。年数をかけて、根は土に還ってくれればよいと思っています。

また、私は「庭から出たものをゴミにしない」をモットーにしているので、枝葉はバラバラにし、長いものは20cmほどにカットして、庭に戻しました。

新たに植えたパールアカシア。

新たに植えたパールアカシア。今度は上手に育てられるように、頑張ります!

Credit

写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)

花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。

生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/

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