ストックは、赤や紫、淡いピンクや黄色など、花色のバリエーションが豊富で、香りもよい一年草です。この記事では、ストックの特徴や育て方のポイントなどを幅広くご紹介していきます。

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ストックの特徴は?

ストック
WindOfHope/Shutterstock.com

ストックは、アブラナ科アラセイトウ属の一年草です。原産地はヨーロッパ南部で、生育適温は5〜25℃。暑すぎず、寒すぎずの環境を好みます。原産地では多年草とされていますが、日本の厳しい夏を乗り越えられないため、日本では一年草に分類されています。

草丈は20〜80cm、寄せ植えに向くよう品種改良されたミニタイプから切り花にも向く高性種までそろっています。ミニタイプは密に植えて群植させると見映えがよく、高性種は花壇にダイナミックな雰囲気をもたらしてくれます。高性種は倒伏を防ぐために、支柱を立てて誘引しておくとよいでしょう。フラワーショップなどで見かける苗はミニタイプが多く、高性種はタネがよく出回っています。

花色は白、淡いピンク、濃いピンク、赤紫、青紫、パステルイエローなどがあり、咲き進むにつれて色が変化していく品種もあります。花茎を立ち上げ、下から花が咲き上がる縦のラインが美しい花姿。甘い香りも魅力です。花形には、一重咲きと八重咲きがあります。

ストックの持つ意味・楽しみ方

白色のストック
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ストックは英名で、「Stock」と書き、茎が太くて丈夫なことがこの名前の由来となっています。学名はMatthiola incanaで、イタリアの医師で博物学者のピエトロ・アンドレア・マッティオリに捧げて名付けられたものです。日本へは江戸時代に伝来し、アラセイトウと呼ばれていました。語源は不明で、外国語が訛ったものともいわれ、当て字として「紫羅欄花」と書かれるようです。

ストックの花言葉は「永遠の美」「愛情の絆」「求愛」。また花色別の花言葉もあり、赤花は「私を信じて」、白花は「思いやり」「ひそやかな愛」、黄花は「寂しい恋」、ピンクの花は「ふくよかな愛情」とされています。

ストックは切り花としても人気の高い花です。茎が硬いために扱いやすいこと、花もちがよいこと、豪華なアレンジができることなどが、人気の理由。庭で咲いた花をブーケにしてプレゼントするのもいいですね。

ストックの種類

ストックの花
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ストックはゴージャスな咲き姿が美しく、ガーデニングでも切り花でも人気が高いため、園芸品種は多種類出回っています。草丈が低く抑えられたミニサイズでは「キスミー」シリーズが人気。花色はイエロー、チェリー、ブルー、バイオレット、ホワイト、ローズなど。高性種では、純白で花穂のつまりがよい‘ジュノンホワイト’、淡いグリーンから咲き始めてパステルピンクへと咲き進む‘ピンクメイ’、大輪のクリームイエローが美しい‘ハロウィンイエロー’などがあります。

ストックの花期

ストックの花
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ストックの開花期は11〜5月と長いのが特徴(中間地基準)。実際は11月頃から少しずつ咲くものの、冬は生育が緩慢になり、3月〜5月中旬に花穂を盛んに立ち上げて最盛期を迎えます。秋まき一年草に分類される、ライフサイクルの短い植物で、秋に種を播いて育苗し、越冬して春に開花したのち、花が終わると枯死します。

ストックの生育適温は5〜25℃。寒冷地では越冬させるのが難しいので、春に種を播いて初夏に開花させるのが一般的です。

ストックの植え方

ストックは、ビギナーでも種まきから育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。

フラワーショップなどで花が咲き始めた頃の苗を入手して、手軽に苗の植え付けからスタートしたい場合は、次項へ進んでください。

種まき

ストックのタネ
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種まきの適期は、温暖な地域では8月下旬〜9月上旬頃で、発芽適温は20℃くらい。この時期に種を播けば、年内から開花し始めます。寒い地域では冬の開花はあきらめ、4月頃に種を播き、6〜7月頃に開花させるとよいでしょう。

ストックは移植を好まないため、種まきには黒ポットを使います。間引いて1本だけ残して育苗するので、必要な苗数分の黒ポットを用意します。例えば10株育てたい場合は、10個の黒ポットを使いましょう。

黒ポットに草花用培養土を入れ、均等に間隔をあけて3〜4粒ずつ種を播き、5mmくらい薄く土をかけて、涼しい場所に置きます。発芽までは3〜4日かかるので、新聞紙などをかけて日よけし、乾燥させないように水の管理をしましょう。

発芽したら日の当たる場所で管理し、10日ほど経った頃、勢いがよく双葉にくびれが入った苗を1本だけ残し、ほかの苗は抜き取ります。

育苗

ストック
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日当たりのよい場所に置き、表土が乾いたら水やりをして育成します。多湿になると根の張りが悪くなり、ヒョロヒョロと頼りなく伸びる徒長苗になったり、病気が発生したりします。適切な水分管理をすることがポイントです。

本葉が出始めたら、7〜10日に1度を目安に、液肥を与えて育てましょう。育苗期間は3週間程度が目安です。

ストックの育て方のポイント

ここからは、苗の植え付けから日頃の管理などについて詳しく解説していきます。種まきして育苗した苗、またはフラワーショップで入手した苗も、適切なメンテナンスをして、きれいな花を長く咲かせましょう。

栽培に適した場所

ストックの育て方
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日当たり、風通しのよい場所が適しています。霜に当たると枯れることがあるので、鉢栽培にして冬は霜の当たらない軒下で管理するとよいでしょう。地植えにしたい場合は、気温が上がった頃に定植します。室内で楽しみたい場合は、日中はよく日が差す窓辺などに置いてください。

植え付け

ガーデニング
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種から育てた場合、植え付けの適期は9月下旬〜10月頃です。フラワーショップで苗を購入してスタートする場合は、春先まで苗が出回っているので、入手次第植え付けます。

【地植え】

丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕してふかふかの土を作っておくとよいでしょう。

土作りをしておいた場所に、苗を植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、20〜30cmの間隔を取りましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。草丈が高くなる品種は、周囲の草花との間隔を広めに取ります。また支柱を立てておき、花茎が上がってきたら誘引して倒伏を防ぎましょう。

【鉢植え】

草花用培養土を利用すると便利です。鉢の大きさは、入手した苗の2回りほど大きいものを準備します。

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ストックの苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2~3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。

水やり

水やり
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【地植え】

植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。その際は、株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、ジョウロのハス口を外して、株元の地面を狙って与えてください。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチして対処することが、枯らさないポイント。株が蒸れるのを防ぐために、株全体にかけるのではなく、ジョウロのハス口を外して、株元の地面を狙って与えてください。

肥料

肥料
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  • 元肥

苗を植え付ける際に施す肥料が、元肥です。元肥は苗の初期生育を助け、茎葉をしっかり茂らせることにつながります。

【地植え】

植え付ける前に、腐葉土や堆肥などの有機質肥料を施しておきましょう。

【鉢植え】

鉢植えの場合、市販の培養土には肥料が含まれていることが多いので、元肥の必要があるかどうか確認し、必要な場合は緩効性化成肥料を施しておきます。

  • 追肥

植え付けた苗が順調に生育し、元肥の効き目が切れた頃に与えるのが追肥です。

【地植え】

秋に植え付けた場合は、生育が盛んになる少し前の3月上旬頃に、緩効性化成肥料を施すとよいでしょう。春に植え付けた場合は、元肥だけで十分。与えすぎると茎葉ばかりが旺盛に茂り、かえって花つきが悪くなることもあるので注意します。ただし、生育が悪いようなら速効性のある液肥を与えて様子を見ましょう。

【鉢植え】

鉢栽培の場合は、水やりとともに肥料成分が流失しやすいので、追肥をして株の勢いを保つようにします。春から生育が盛んになるので、月に1度を目安に緩効性化成肥料を表土にばらまき、軽くなじませます。もしくは10日に1度を目安に、速効性のある液肥を与えてもよいでしょう。開花期は開花促進の効果がある、リン酸やカリ分などを多く含んだ液肥を選ぶと花つきがよくなります。

花がら摘み

園芸バサミ
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花が終わったら、早めに摘み取りましょう。株周りを清潔に保つことが、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、タネをつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして長く咲き続けてくれます。

増やし方

ストック
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ストックは、秋まき一年草に分類される、ライフサイクルの短い植物です。そのため株分けや挿し芽などで増やすことはできません。種まき一択となります。

開花後に実らせた種を採取し、種まきに利用することができます。ただし、八重咲きの花から同じ八重咲きの花を咲かせることはできず、種を採取して育てた花は、すべて一重咲きになります。ちなみに、購入した八重咲きの園芸品種の種でも、すべてが八重咲きになるわけではなく、数パーセントは一重咲きの花が混じる可能性があります。八重咲きは一重咲きに比べ発芽が早く、双葉にくびれがあり、やや大きいという特徴があるので、苗を間引く際の目安にするとよいでしょう。詳しい種まきの方法については、前述の「種まき」の項目を参照してください。

夏越し・冬越し

ストック
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●夏越し

ストックは秋まき一年草に分類され、夏前には枯死します。夏越しすることはできないので、枯れたら抜き取って根ごと処分します。

●冬越し

ストックは初秋に種まきをして、冬越しをします。霜の降りない暖地では地植えにして越冬できますが、暖地以外では寒さ対策が必要です。冬の間は鉢植えにして、日当たりがよく、霜が降りない軒下やベランダなどで管理を。暖かい室内に入れる場合は、昼間によく日が差し込む窓辺に置くとよいでしょう。

病害虫

アブラムシ
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●害虫

ストックにつきやすい害虫はアブラムシで、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるだけでなく、ウイルス病を媒介することもあります。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーをかけて落としましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒剤を利用するのがおすすめです。

また、コナガやヨトウムシが花や葉を食い荒らすことがあります。葉や花に穴があいているのを見つけたら、早いうちに適応する薬剤を散布して防除しましょう。

●病気

気温の高い時期は、苗に立ち枯れ病が発生することがあります。種まきから育てる時は、庭土や古土は使わずに、市販の種まき用、または草花用の新しい培養土を使うと安心です。

また、菌核病の発生に注意。気温が低い時期に、多湿の状態になると発症しやすい傾向にあります。地際の部分に発生しやすいので、株に元気がない場合は気をつけて観察しましょう。初期は小さな斑点が現れ、次第に大きくなって灰色の病斑になり、ひどくなると枯死します。周りの株にも病気を広めてしまうので注意。病株は抜き取って処分し、周囲の草花に蔓延しないようにします。

色とりどりで華やかなストックをたくさん植えて楽しもう!

ストックの花
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ストックは、種まきや植え付けの時期にさえ気をつければ、開花期間が長く、春にはボリューム感のある花姿を楽しめます。花にはよい香りもあり、庭やベランダで育てれば、季節の喜びに満たされることでしょう。ぜひストックの栽培にチャレンジしてみてください!

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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