ドウダンツツジは、公園や一般家庭の生垣に使われることが多く、丈夫で育やすい人気の花木です。花がたわわに咲く春、美しい新緑、真っ赤に紅葉する秋と、季節によって表情を変えていくのも魅力です。この記事では、ドウダンツツジの特徴や種類、育て方などを詳しくご紹介しています。

Print Friendly, PDF & Email

ドウダンツツジとは?

ドウダンツツジは、春に小さな花を鈴なりに咲かせる花木です。その見た目と特徴について、ご紹介しましょう。

ドウダンツツジの見た目

ドウダンツツジ
tamu1500/Shutterstock.com

ドウダンツツジは、樹高1〜2m程度の低木です。枝が細かく分かれて葉が密に茂るので、生垣として利用されることが多い花木ですが、もちろん自然樹形も楽しめます。

花は3〜5月に開花し、小枝の先端からベル型の小さな花を5〜6個咲かせ、株全体に鈴なりに咲きます。花のサイズには幅があり、5mm〜2cmほど。花色には白やピンクが揃います。真っ白な花が株全体を覆う姿から星空を連想し、「満天星(どうだん)」と呼ばれるようになったという一説があるほどです。

また、菱形のような葉がみずみずしく並んで整い、切り花として流通するほど美しい枝葉を持っています。晩秋には真っ赤に紅葉する姿も魅力です。冬には落葉しますが、枝が密に茂るので目隠しとしての機能を十分果たし、生け垣としてもおすすめ。細い枝が三方に分かれてつく姿が結び灯台の脚に似ていることから、「灯台(とうだい)」がなまってドウダンツツジの名がついたともいわれています。

ドウダンツツジの特徴

ドウダンツツジの紅葉
Koenig_K/Shutterstock.com

ドウダンツツジはツツジ科ドウダンツツジ属の落葉低木です。原産地は日本、台湾で、もともとは西日本に自生していたものが品種改良されて、日本全国に普及しました。耐寒性があり、暖地でも美しく紅葉します。萌芽性が強くて剪定に耐えるため好みの形に仕立てやすく、一般家庭の生け垣や公園などの街路樹としてもよく利用されている樹木です。

ドウダンツツジの種類

ベニサラサドウダン
scott mirror/Shutterstock.com

ドウダンツツジには、主に以下の4種類があります。サラサドウダンは、花色は淡いクリーム色地の先端にピンク色がのり、そこから絵の具を垂らしたように縦縞のピンクが入ります。ベニサラサドウダンは、サラサドウダンの変種で、紅色の花弁に刷毛目模様が入り、大変華やか。ヒロハドウダンツツジは、葉の幅が広いのが特徴でピュアホワイトの花が魅力的です。アブラドウダンは、葉の表面に照りがあるのでこの名前がつきました。ほんのりグリーン味を帯びた白花で、花茎がやや長い特性があります。

ドウダンツツジの育て方は?

ここまで、ドウダンツツジの基本情報を紹介してきました。では、ここからは実践編としてドウダンツツジの育て方について詳しく解説していきます。ぜひ花木を楽しむガーデニングの参考にしてください。

ドウダンツツジの育て方1.植え付け

植え付け
wavebreakmedia/Shutterstock.com

ドウダンツツジの植え付け適期は、10〜12月か、3月頃。日当たりのよい場所を選んで植え付けましょう。日当たりの悪い場所では、花つきが悪くなったり、紅葉の時期に美しく発色しなかったりするので注意。日本原産の植物のため、植え付けた後も環境に合いやすく、大変育てやすい花木です。生け垣として利用されることが多いドウダンツツジですが、鉢植えにして楽しむこともできます。

【庭植え】

植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。細かい根が浅い位置で広く張る性質があるので、浅植えにするのがポイント。複数の株を植え付ける場合は、50cmほどの間隔を取ります。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。

【鉢植え】

鉢で栽培する場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。また、用土は樹木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。

鉢植えで楽しんでいる場合は、放置していると根詰まりしてくるので、約2年に1度を目安に植え替えましょう。植え替えの適期は3月頃です。植え替えの前に、水やりを控えて鉢内の土を乾燥させておきましょう。鉢から株を取り出し、根鉢を少しずつ崩していきます。不要な根を切り取り、根鉢を軽くほぐしましょう。これ以上大きくしたくない場合は同じ鉢を用い、もう少し大きくしたい場合は2回りくらい大きな鉢を用意し、植え替えます。

ドウダンツツジの育て方2.日常管理

水やり
wavebreakmedia/Shutterstock.com
  • 水やり

【庭植え】

地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥が続く場合は水やりをして補いましょう。水分が不足すると、葉が萎れたり、葉焼けしたりします。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。

【鉢植え】

成長期は、日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。新梢や葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は落葉するので、水やりは控えめにしますが、まったく水を与えずに土をカラカラに乾燥させたままにすると、枯れてしまうのでご注意を。

  • 夏の乾燥対策

【庭植え】

近年、日本は温暖化が進んで夏の暑さが大変厳しくなっています。強光線によって夏は庭植えでも大変乾燥しやすくなります。ドウダンツツジは根が浅く張る性質があり、乾燥しやすくなるので、対策として株元にバークチップやワラなどを敷いてマルチングをするとよいでしょう。

【鉢植え】

真夏は乾燥しやすくなるので、西日の当たらない半日陰などに移動して、涼しい場所で管理するのがおすすめです。

  • 樹形の乱れを整える

花を咲かせることを目的とせず、境界線や目隠し用の生け垣として利用している場合は、枝葉が伸びて樹形が乱れてきたら、適宜刈り込んで美しい樹形を保ちます。萌芽力が強いので、季節を選ばずこまめに剪定してOKです。

ドウダンツツジの育て方3.肥料

  • 元肥(もとごえ)

植え付けの際に土に混ぜておく肥料を元肥(もとごえ)といいます。植え付け後の初期生育を促す肥料です。庭植えでは土づくりの際に施しておく堆肥や腐葉土、緩効性化成肥料などがこれに当たります。鉢植えでは、市販の樹木用培養土を利用する場合は、あらかじめ肥料が配合されていることが多いので、パッケージを確認しましょう。肥料がブレンドされていれば元肥は不要です。自身で赤玉土や腐葉土などをブレンドして配合土を作った場合には、緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきましょう。

  • お礼肥(おれいごえ)

庭植え、鉢植えともに開花が終わった5月中旬〜下旬頃に緩効性化成肥料を与え、土によくなじませます。たっぷりと花を咲かせることで、木がエネルギーを消耗するので、体力を回復させる目的で与える肥料で、「お礼肥(おれいごえ)」といいます。「たくさんの花を咲かせてくれてありがとう」という気持ちを込めて、肥料をあげてくださいね。

  • 寒肥(かんごえ)

庭植え、鉢植えともに、2〜3月頃に緩効性化成肥料を与え、土によくなじませます。これは、春の芽出しの時期のエネルギーの源となることを目的に、休眠期に土に混ぜ込んでおく肥料です。

ドウダンツツジの育て方4.剪定

剪定
mihalec/Shutterstock.com

ドウダンツツジの剪定は、自然な樹形を楽しむ方法と、刈り込んで玉づくりや生垣にして楽しむ方法とがあります。

  • 自然な樹形を楽しむ

自然な樹形にして、花を楽しむには、開花後すぐの5月〜6月中旬までに行います。7月には翌春のための花芽が形成されるので、この後に剪定すると花数が少なくなるので注意しましょう。

自然な樹形を楽しみたい場合は、枝が込み合っている部分の枝をいくつか切り取って、風通しをよくします。枝を切る際は、枝分かれしている部分の付け根で切ると自然に形が整います。

  • 玉づくりや生垣にして楽しむ

生垣など、境界線や目隠しなどを目的とし、花を咲かせなくてよい場合は、樹形が乱れた時に適宜刈り込んで構いません。花も楽しみたい場合は、開花後すぐの5月〜6月中旬のみとし、花後以外の時期は特に飛び出した枝を切る程度にとどめます。

刈り込みは、刈り込みバサミを使って全体の形を整えるとよいでしょう。萌芽力が強いので、円形や四角形などを容易に形づくることができます。このように刈り込んだ樹形を「玉づくり(玉仕立て)」、「玉散らし」、「角仕立て」などといいます。

ドウダンツツジを病害虫から守る方法は?

病害虫対策
Happy_Nati/Shutterstock.com
  • 病気

ドウダンツツジに発生しやすい病気はサビ病で、春と秋に雨が多いと発生するケースが多くなるようです。葉の裏などに小さな黄色や白の斑点が発生します。やがてさまざまな色や形の斑点が盛り上がるようになり、葉表にも目立つように。観賞価値が下がるうえ、病気が進行すると枯れてしまうこともあるので、発生初期に適用する殺菌剤を散布して被害が広がるのを防ぎましょう。

  • 害虫

ドウダンツツジに発生しやすい害虫は、カイガラムシ、ハダニ、アブラムシ、カミキリムシです。

カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫です。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせて行きます。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。

ハダニは、主に葉につく害虫で、3〜10月が主な発生時期。葉から吸汁して木を弱らせます。特に乾燥した環境を好み、軒下で管理している場合や真夏の乾燥期に発生しやすくなるようです。葉に勢いよく水をかけるだけでも、ある程度防除できます。薬剤にも弱いので、発生が多く見られたら適用する薬剤を散布して駆除しましょう。

アブラムシは、3〜10月に植物に寄生して吸汁する害虫で、ウイルスを媒介して病気をもたらす場合もあります。繁殖力が強く、大発生すると枝葉にびっしりと群がって見た目にも不愉快なので、適用する薬剤を散布して防除しましょう。土壌にまいておく粒剤も便利です。

カミキリムシは、テッポウムシとも呼ばれ、幹の中に入って旺盛に食害します。侵入口からオガクズ状の糞を見つけることができるので、木が弱ったら幹に穴やオズクズがないか観察を。見つけ次第、穴の中に噴霧するタイプの適用薬剤を利用して駆除しましょう。

ドウダンツツジで生け垣を作る方法は?

生け垣として利用するのを目的にドウダンツツジを育てる場合は、樹高40cm程度の苗を入手し、30〜40cmの間隔を取って植え付けます。しっかり根付くまでの1〜2年はそれぞれの苗木に支柱を設置して、倒伏を防ぎましょう。

枝葉を旺盛に伸ばすようになったら、刈り込みバサミで前年の位置まで切り戻します。浅い位置で切り込むと、そこから新芽が伸びて生け垣全体が膨らんでいくので、ボリューム感をキープするには、前年に切った位置まで切ることがポイントです。ドウダンツツジは樹勢が旺盛なので、いつ切っても構いませんが、花木として花を楽しみたい場合は、花芽を切らないようにしましょう。その場合、剪定は花後すぐの5月〜6月中旬のみに行います。

ドウダンツツジを切り花として楽しむ方法は?

ドウダンツツジ
Qianwei Bian/Shutterstock.com

ドウダンツツジは、春から夏にかけて切り花としてフラワーショップに出回るようになります。枝ものは2週間ほどと飾って楽しめる期間が長いので、インテリアに取り入れるのもおすすめです。

切り花にする際は、木が水を吸い上げやすいように、切り口に十字に割りを入れるとよいでしょう。水が腐らないようにこまめに水を替えて見映えを保ち、枯れ葉や乾燥によって縮れた葉があれば適宜取り除きます。大きな枝をそのままダイナミックに飾ることも、細かく切って小さめの花瓶に飾ることもできるので、剪定の際に切った枝を利用するのもいいですね。

ドウダンツツジを育てて季節の移ろいを楽しもう!

ドウダンツツジの育て方
croquette/Shutterstock.com

ドウダンツツジは、春に咲く小さな鈴型の花は愛らしく、秋には燃えるように赤く染まる紅葉が楽しめ、季節の移ろいを告げてくれる花木です。みずみずしい葉も美しく、枝ものとしてインテリアに飾っても素敵なため、用途の幅が広い植物といえるでしょう。ぜひドウダンツツジを庭先で育てて、季節の移ろいを楽しんではいかがでしょうか。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

参考文献/
上条祐一郎『切るナビ! 庭木の剪定がわかる本』NHK出版 (2017年第17刷)
『はなとやさい』2018年7月号タキイ種苗

Print Friendly, PDF & Email