ランタナは和名で「七変化」といい、つぼみを開いて咲き進むとともに、花色が変化していくのが特徴です。常緑性の低木で開花期が長く、初夏から晩秋まで咲き続けて、ガーデンを豊かに彩ってくれます。この記事では、そんなランタナの特性や花言葉、豆知識、育て方まで詳しく解説していきますので、ぜひ最後まで読んで、ランタナを育ててみましょう。

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ランタナの基本情報

ランタナの花
Ibenk_88/Shutterstock.com

ランタナは、クマツヅラ科シチヘンゲ属(ランタナ属)の常緑性低木。原産地はアメリカ、ブラジル、ウルグアイで、約150種が分布するとされています。熱帯地域原産のため、夏の暑さに大変強いのが特徴。真夏でも次から次へと開花し、庭を明るく彩る樹木です。一方で、冬の寒さには弱く、5℃以下になる地域では、地植えでの越冬は厳しくなります。高冷地では鉢栽培にして楽しむのがおすすめ。春先に地植えして開花を楽しみ、晩秋に鉢に植え替えて凍結しない暖かい場所に移動するという具合に、地植えと鉢上げを繰り返して一年を過ごしてもよいでしょう。

ランタナのライフサイクルは、以下の通りです。3〜4月頃から新芽を出して枝葉を広げ、5〜10月まで開花。追肥を繰り返すと樹勢を保って絶えず花を咲かせ続け、長い期間開花を楽しめるのが、ランタナの魅力です。11月頃になると生育が止まるので、切り戻して冬支度をし、翌年に新芽が出るのを待ちます。常緑性ですが、冬の環境に合わずに葉を落としてしまうことも。ただし、枯れてしまったと判断するのは早計で、3〜4月頃の成育期を迎えると、また芽吹いてくることがあります。

ランタナの樹高は30〜200cm。樹高の幅が広い理由は、立ち上がって生育するタイプ、匍匐しながら樹形を広げるタイプ、枝垂れるように枝を伸ばすタイプ、コンパクトにまとまって鉢植えに向くタイプなどがあるからです。ランタナの種類によって樹形が異なるので、花壇の後方または前方に使いたいのか、鉢栽培にしたいのかなど、ガーデニングの用途によって選ぶとよいでしょう。

ランタナの名前の由来は、ラテン語で「曲げる」という意味の「lentare」から来ているという説が有力とされていますが、実際は定かではありません。しなるように生育する樹形に由来しているのかもしれませんね。日本では、「七変化」という別名があります。これはランタナ(カマラ種)の花が咲き進むにしたがって、色が変化するさまから名づけられたとされています。

ランタナの開花時期・花言葉

ランタナの花言葉
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ランタナの開花時期は、5〜10月です。追肥をすれば中休みをすることなく、絶え間なく咲き続けてくれます。花色は、オレンジ、黄色、赤、ピンク、白、2色が混じる複色など、大変多彩です。ランタナの一種、ランタナ・カマラは品種によっては、花が咲き進むにしたがって黄色からオレンジに変わるもの、クリーム色からピンクに変化するものなどがあります。

ランタナの花は一つひとつは小さいのですが、花茎を伸ばした先に集まって、直径2〜3cmの球状になります。次から次へとつぼみを上げてくる多花性で、たっぷりと咲く姿は華麗で、夏のガーデンで主役になれる存在です。

ランタナの花言葉は、「厳格」「確かな計画」「協力」「合意」など。「厳格」「確かな計画」は、半年以上の長い期間にわたって絶え間なく咲き続けるため、堅実さをイメージさせることから。また、「協力」「合意」は、小さい花が集まって、より大きな花として魅せる咲き姿が由来しているようです。

ランタナの種類

ランタナの花
JAKKRIT SAELAO/Shutterstock.com

ランタナの種類は約150種あるとされていますが、ガーデニングで主に栽培されているのは、ランタナ・カマラとコバノランタナで、これらを交雑させた園芸品種なども出回っています。

ランタナ・カマラは樹高約1mの低木で、「ランタナ」としては日本で最もポピュラーな種です。花色が変化していく特性があります。コバノランタナは、葉がランタナ・カマラより小さく、枝をつるのように伸ばして這うように伸びます。花色はカマラのようには変化しません。

園芸品種で人気があるのは、ピンクと黄色の2色咲きが華やかな‘コンフェッティ’、葉に明るい黄緑色の斑が入るランタナ・ヴァリエガータ、1株でこんもりと丸くまとまる樹形で多花性の「スーパーランタナ」シリーズなどです。

ランタナを植えてはいけない理由

ランタナの自生地
La Su/Shutterstock.com

ランタナは、じつのところ自生している熱帯地方では「植えてはいけない」といわれている植物なんです! こんなに可愛いのに、どうして!?

なぜなら、ランタナは生命力旺盛で、自生地では爆発的に繁殖し続けてしまうため。ほかの自生植物が競合に負けて駆逐されてしまう一面もあり、世界の侵略的外来種ワースト100に選ばれているほどの猛者なのです! しかし、ランタナは寒い冬が苦手で、日本では今のところ極度に繁殖しすぎるということはないようです。「今のところ」と書いたのは、日本でも年々温暖化が進んでいるため。冬の最低気温が氷点下にならないような暖地では、こぼれ種で増えることもあります。その場合は繁茂しすぎないように管理しましょう。

また、タネには「ランタナン」と呼ばれる毒が含まれており、食べると下痢や呼吸困難、最悪の場合は死に至ることも。幼い子どもがいる家庭では、手にとって口にすることのないように注意したいものです。

ランタナの育て方

ここまで、ランタナの特性や種類、豆知識などについて触れてきました。さあ、ここからはガーデニングの実践編です。植え付けから始まり、水やりや追肥などの日頃の管理、剪定や増やし方などについて、詳しく解説していきます。この先を読めば、きっとランタナの育て方をイメージしやすくなるはずですよ!

栽培環境

ランタナの育て方
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日当たりのよい場所が最適ですが、半日陰の環境でも生育可能。ただし、日当たりがよいほうが花つきがよく、木も間延びせずにがっしりと締まって旺盛に枝葉を伸ばします。ランタナのふるさとは熱帯地域なので寒さには弱く、関東南部以北や高冷地では、鉢栽培にして楽しむのがおすすめ。冬も温暖な地域では、増え広がりすぎてしまうので、野放しにせずにきちんと剪定管理をして樹形を保ちましょう。

土づくり

ランタナの育て方

【庭植え】

まず、一年を通して日当たり、風通しのよい場所を選びましょう。植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

樹木用にブレンドされた、培養土を利用すると手軽です。

植え付け

ランタナの植え付け
J-Amethyst Photography/Shutterstock.com

【庭植え】

土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。

【鉢植え】

8〜10号鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。

水やり

水やり

【庭植え】

植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥しすぎる場合は、水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。

【鉢植え】

日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は生育が止まるので、控えめにして管理します。

追肥

肥料

【庭植え】

5月と9月の年に2回を目安に、緩効性化成肥料を株周りにまいて土に混ぜ込みます。

【鉢植え】

5〜10月に緩効性化成肥料を1カ月に1回を目安に施しましょう。開花期間中は、液肥に切り替えるのもおすすめです。開花を促すリン酸を多めに配合した液体肥料を10日に1回を目安に与えると、次々に花を咲かせてくれます。

花がら摘み

ランタナの花殻摘み
Ketut Mahendri/Shutterstock.com

開花期間中、終わった花がらは、まめに摘み取りましょう。花びらは自然に落ちやすいのですが、タネをつけると株がエネルギーを消耗し、花数が少なくなるので、株の勢いを保って次々と咲かせるためにも一手間かけてください。終わりかけた花や、すでに花びらを散らして綿棒のような状態になったものを、花茎の根元から切り取りましょう。終わった花がらを放置せずに、まめに整理して株周りを清潔に保つことで、病気の発生を予防することにもつながります。

剪定

ランタナの剪定
RapunzielStock/Shutterstock.com

ランタナの剪定適期は、生育期間中の4〜11月です。樹勢が強く旺盛に枝葉を伸ばすので、定期的に切り戻したり、透かしたりして、広がりすぎないように樹形をコントロールすることが大切です。

樹形が乱れてきたら、ドーム状になるように草丈の半分くらいまで切り戻しましょう。すると枝数が増えて再び盛り返し、花数も多くなります。樹形が乱れるごとに切り戻しを繰り返すとよいでしょう。開花が終わったら、再び切り戻して冬越しを。冬は生育が止まるので、剪定は控えましょう。

植え替え

植え替え
Jorge Moro/Shutterstock.com

【庭植え】

一度植え付けたら、植え替えは不要です。

【鉢植え】

植え替えの適期は5〜9月です。生育旺盛で根詰まりしやすいので、1〜2年に1回は植え替えます。

植え替えの前には水やりを控えて、鉢内の土を乾燥させておきましょう。鉢から株を取り出し、根鉢を少しずつ崩していきます。不要な根を切り取り、1/3くらいまでを目安に根鉢を小さくしましょう。これ以上大きくしたくない場合は同じ鉢に、もう少し大きくしたい場合は二回りくらい大きな鉢に植え替えます。手順は「植え付け」の項目を参考にしてください。

ランタナは、挿し木や種まきで増やせます。

ランタナのタネ
Bakusova/Shutterstock.com

挿し木の適期は5〜9月頃。春に伸びた若くて勢いのある枝を選んで切り取ります。市販の園芸用の培養土を育苗用トレイなどに入れて、採取した枝葉を挿しておきます。直射日光の当たらない明るい場所で、水切れしないように管理を。発根したら黒ポットなどに植え替えて育成します。大きく育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、採取した株のクローンになることです。

種まきの適期は5〜9月頃。環境に合えば、こぼれダネで増えるほど強健な性質で、簡単に増やすことが可能です。前年の11月頃に実から採取し、密閉容器に保存しておいたタネを用います。タネをよく水洗いしたのち、黒ポットに園芸用培養土を入れて3〜4粒ずつ播きましょう。薄く覆土して水やりし、発芽まで乾燥しないように管理を。発芽後は日当たりのよい場所に置き、弱い苗は間引きながら育成。本葉が3〜5枚ついたところで1本のみ残して、1本立ちにします。成長とともに大きい鉢に植え替えながら育成し、十分大きく育ったら定植しましょう。

病害虫

病害虫の心配はほとんどなく、手がかかりません。

ランタナは強くて丈夫な植物なので
皆さんも栽培にチャレンジ

ランタナの花
ninekrai/Shutterstock.com

熱帯地方原産のランタナについて、特性や花言葉、豆知識、栽培方法など、さまざまな角度からご紹介してきました。ランタナについてあまり知らなかった方も、そのキャラクターが明確になってきたのではないでしょうか。寒さには弱い一方で真夏が大好き、旺盛に生育して初夏から秋までたっぷりと花を咲かせる陽気な元気娘です。ぜひ庭に迎えて、華やかに咲く姿を楽しんではいかがでしょうか。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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