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宿根草ショップの店長が提案! 暑さに強い宿根草でサマーガーデンを楽しもう

宿根草の多くは春から初夏にピークを迎えますが、その後、夏になると咲くものが減り、庭が寂しくなりがちです。特に暖地、猛暑地といわれる地域では、なかなか花を咲かせるのが難しいのではないでしょうか。そこで、宿根草を数多く扱いガーデニング愛好家に支持されるショップ「おぎはら植物園」店長の荻原範雄さんに、暖地でも夏に花を楽しむ方法や、植物の使い方、おすすめの種類について教えていただきます。
目次
暑さに強い宿根草で夏も見どころを作ろう!

暑い時期は咲くものが少なかったり、暑さに負けてしまうなど、宿根草の庭では夏が悩みの種で、ガーデニングを諦めてしまう方も多いのではないでしょうか?
暑さが苦手なイメージのある宿根草ですが、実際は暑さに強くて猛暑の中でも咲く花はたくさんあります。それらを知っていれば、素敵なサマーガーデンは難しくありません。ぜひ、春だけでなく、夏にも見どころを作って庭づくりを楽しみましょう。
今回は、おぎはら植物園の男性スタッフ、Nさんの庭づくりを参考に、夏のガーデニングを解説します。Nさん曰く「男性らしいスタイリッシュさだけではなく、花々の躍動感、生命感を大切にした庭づくり」を心掛けているそうです。
春から夏へ。花のリレーを計算して植える

植物リスト:リアトリス‘ゴブリン’/エキナセア‘チェリーフラフ’/アンバーボア‘デザートスター’/アサギリソウ
植えてすぐに咲く一年草と違って、宿根草は開花までに時間が必要です。例えば、夏咲きの宿根草を夏に植えても、よく咲かない、暑さに負けるという場合があります。宿根草は、本来のパフォーマンスを発揮させるために花期の半年以上前に植え付けて、しっかりと根を張らせ、その場所に馴染んだ状態にしておくのが大切。植え付けは、前年の秋冬までに行って、庭で越冬させること。時間をかけることで根の張りが強くなり、暑さに対しても耐性がつきます。できるだけ早く植え付けて、夏に枯れにくい丈夫な株に育てましょう。
植え込む際には花期や草丈をある程度計算して、春から夏、秋へと花のリレーが楽しめるように配置します。春咲き、夏咲き、秋咲き、それぞれの種類が混ざるように植えておくとよいでしょう。花期ごとにまとめて植えるよりも、ある程度分散させたほうがうまくいきます。
サマーガーデンの基本は、暑さに強い植物+酷暑対策

いくら暑さに強い夏咲きの花でも、暑さ対策をしなければ、弱ったり、枯れてしまうこともあります。「以前、挑戦したけど、うまくいかなかった」そんな経験があったならば、土と環境に注目してみましょう。
- 周囲の雑草や生い茂る庭木の整理をして風通しを確保する。
- 庭土に軽石や砂利を混ぜて水はけをよくする。
- 植栽の場所を一段高くする。
これらの方法を試してみてください。そして、暑さに負けないための育て方のコツは、
- 植物を伸ばしすぎない(徒長させない)。
- 余分な水分を与えず植物の強さを引き出す。
そうすることで、暑さに強い植物がさらに丈夫に育ち、元気に花を咲かせてくれます。


夏のガーデンにこそ花の彩りを

年々夏の暑さが厳しくなっていますが、暖地や猛暑地では、より暑さに強くて姿の変化が少ない、ローメンテナンスな植物が多く使われる傾向にあるようです。多肉質だったり、形の面白いユッカやアガベ、コルジリネなどがとりわけ人気が高いですが、シャープな印象でスタイリッシュな反面、成長がゆっくりなので姿の変化が少なく、風に揺れる風情や色彩が足りないなと感じませんか?
そこでプラスαとして活躍するのが、花の咲く宿根草。これらを加えることで一気に雰囲気が明るくなり、季節感が出て、花の躍動感も楽しめます。日々のお手入れや植え替えなどのお世話が多少増えますが、メンテナンスもガーデニングの楽しみの一つ。ぜひ、挑戦してみてください。

お洒落なサマーガーデンにおすすめ!
暑さに強い宿根草・多年草8種

数ある夏咲き種の中から、暑さに強く丈夫な種類をご紹介します。「姿のお洒落さ」も加味してピックアップしました。スタイリッシュなサマーガーデンの演出にプラスしてみませんか?
Select① エキナセア
夏の代表的な宿根草の一つ。年々新しい種類が登場してバラエティーが豊富です。



Select② コレオプシス
寒さにも暑さにも強い宿根草。夏から秋によく咲きます。


Select③ バーベナ・ボナリエンシス
背が高くなる宿根草のバーベナ。別名、三尺バーベナ。暑さに強く、初夏から秋まで咲きます。

こぼれ種で増えて群生し、紫の花が宙を舞っているよう。

バーベナの間に、グラスのペニセタム‘テールフェザーズ’が風に揺れ、ピンク花のセンニチコウ‘ファイヤーワークス’が紫花とコラボレーション。
Select④ クロコスミア
暑さに強く、丈夫で広がるように増えます。鮮やかな小花がサマーガーデンのポイントに。


Select⑤ アリウム‘ミレニアム’
近年登場した夏咲きのアリウム。暑さや寒さにも強い。

アリウムといえば春から初夏に咲く球根植物ですが、暑さに強く真夏に咲く種類が登場して注目を集めています。
Select⑥ ルドベキア・マキシマ
暑さや乾燥にも強い北アメリカの原種。2m近い高さで咲き、インパクトがあります。

乾きやすい場所でもよく育ちます。

葉色も美しいので花期以外も楽しめます。
Select⑦ アーティチョーク
つぼみを食用にするハーブとしても有名。大型で見応えがあるアザミの仲間。

大きな花がよく目立ち、インパクトがあっておしゃれな雰囲気。

大型で株姿も見事。花期以外も観賞できます。
Select⑧ ユッカ・ロストラータ
暑さに強いユッカの仲間。常緑で輝くような銀色の葉が一年中楽しめます。暑さだけでなく寒さにも耐えられます(おおよそ-10℃まで耐える)。

若いうちは草花との植栽にも。成長がとてもゆっくりです。

Credit
写真&文 / 荻原範雄 - 「おぎはら植物園」店長 -

おぎはら・のりお/長野県上田市にある宿根草と山野草を扱う植物専門店「おぎはら植物園」の店長。1979年から植物の栽培と販売をスタートさせた「おぎはら植物園」では、現在、取り扱う宿根草と山野草は4千種を超える。全国に苗生産者のネットワークを持ち、海外からの新品種の導入なども積極的に行う。近著に『咲かせたい!四季の宿根草で庭づくり』『決定版 カラーリーフ図鑑』(ともに講談社)。
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