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- 秋のガーデニングを楽しくするアイディアと秋を彩る植物4選
宿根草類の植え付けなど、ガーデニングの作業においても秋は大切な時期です。日本の気候ならではのガーデンを創造するために「秋」は重要な時期といえます。今回は、日本の秋庭デザインのキーワードから、秋を彩る宿根草や花木、樹木をご紹介します。
秋を満喫する暮らしのガーデン
秋は、春とともにガーデニングの最盛期
四季がはっきりと移り変わる日本では、初秋から晩秋にかけての約3カ月間は、さまざまな楽しみがあります。「収穫の秋」「食欲の秋」「芸術の秋」など、私たちは昔から秋を楽しんできました。暑い夏が過ぎ、アキアカネが秋空に舞い、稲穂が首を垂れてきた姿を見て、少しずつ秋の深まりを感じます。
古典でも枕草子に「秋は夕暮れが一番美しい」と書かれています。確かに「秋の七草」に詠われたススキやフジバカマ、ハギも、夕方の光で観賞したほうがより美しく感じます。暮らしの庭を設計する際には、ぜひ夕陽のあたる場所には秋の情緒を強く感じる植物たちを演出しておきたいものです。
秋を彩る宿根草、花木、樹木
秋らしい宿根草としては、キク、フジバカマ、シャジン、ワレモコウ、シュウメイギク、ダリア、ケイトウ、タマスダレ、ススキなどがあげられます。
花木では、キンモクセイ、ノボタン、ハギ、フヨウや、実を観賞するムラサキシキブ、マユミ、ガマズミ、ウメモドキ、サンザシなど。また、晩秋を彩る紅葉の美しい樹木としては、カエデ類、ナナカマド、ニシキギ、ナンテン、ツツジ類、ナツハゼ、クロモジ、ソロ、フウ、カマツカ、マンサクなどがあります。日本の植物だけではなく、欧米原産の同じ仲間の植物も含めて、選択してみましょう。

日本の秋庭は、「情緒」と「借景」がキーワード
日本の秋庭をデザインするときには、まず、「情緒」と「借景」という言葉をキーワードに考えるとよいでしょう。辞典をみると、「情緒」とは、事に触れて起こるさまざまの微妙な感情。また、その感情を起こさせる特殊な雰囲気とあります。英語ではatmosphere 「雰囲気」、emotion、sentiment「感情」になりますが、これでは説明しきれない精神的な意味合いが含まれているように思います。
次に、「借景」ですが、これは造園技法のひとつ。庭園外の山や樹木などの風景を、庭を形成する背景として取り入れたもので、英語では、surroundinglandscape「囲まれた環境や景観」です。これも、英語では表現しきれない日本人独特の美意識や感情を感じます。つまり、「情緒のある庭づくり」「借景を活かした庭づくり」は日本人の感性を生かした造園ということでしょうか。
春から夏の花と異なり、秋の花は控えめな色彩、形状をしているものが大半です。紅葉に彩られた野山に出掛け、美しい自然の中で、美的感覚を体感しながら育てることもガーデンデザインには必要です。

フルーツエスパリエって? 果樹苗を育ててみましょう
最近は果樹に人気があり、庭で育ててみたいという声も少なくありません。晩秋には落葉系の果樹苗が花木とともに園芸流通してきます。プロの農家の方とは比較になりませんが、自分のガーデンで実ったものには格別の思いがあります。家庭菜園の普及とともに、今後さらに需要が増えることは間違いないでしょう。ただプロとは異なり生産だけが目的ではなく、ガーデン全体のデザインとの調和が大切です。
欧米では、ナシ、リンゴ、イチジク、ブドウを壁面に誘引したフルーツエスパリエという演出があります。狭い日本の暮らし空間にも活かすことのできる手法です。
秋を彩る宿根草や花木、樹木など




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