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- 秋の花を選んで季節を演出! アレンジメントや寄せ植えを作ろう
空高く爽やかな風が吹く秋、散歩やハイキングが楽しい季節になりましたね。外を歩いていると、日ごとに葉色が移りゆく紅葉や豊かに実る果樹、そしてやわらかに揺れる草花たちが目に入ってきます。そんなしっとりと秋らしい季節感を、寄せ植えやフラワーアレンジで表現するにはどのような植物を選べばよいでしょう? 今回はそんな秋の演出に欠かせない植物たちをご紹介していきます。
目次
秋の花の代表格「秋の七草」とは?
秋の野に 咲きたる花を指折りて かき数ふれば七種の花 (其の一) 山上憶良
萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝がほの花 (其の二) 山上憶良
「秋の七草」は、奈良時代の歌人・山上憶良が『万葉集』で秋の野辺に咲く花について詠ったことが始まりとされます。古くから日本で愛されてきた秋の草花の代表格といわれる7種と、それぞれの魅力について解説していきます。
ハギ(萩)
ハギは日本で古くから愛されている草花で、万葉集でもっとも多く詠まれている植物として有名です。マメ科ハギ属に属する落葉性の低木で、品種が多いのが特徴です。中でも庭木として最も広く栽培されるのがミヤギノハギで、晩夏から晩秋にかけて、枝垂れた枝に赤紫の小花がたくさん咲きます。他にも野生種のヤマハギや園芸種のニシキハギなどが一般的に知られています。ハギの根には根粒菌が共生しているので、やせ地でもよく育ちますが、育てるときは水はけと日当たりのよい場所を選んでください。
<育て方のポイント>
ハギを育てる上で一番重要なのが剪定です。落葉してから芽が出る前の2月頃、株元から10~30cmの位置でバッサリと刈り込むことで春に新枝が出て、花付きがよくなります。夏の高温乾燥に気をつけ、特に鉢植えの場合は、真夏の水切れに注意しましょう。
<四方山ばなし・万葉人が楽しみにした秋の花見といえばハギだった!>
『万葉集』には数多くの植物名が詠まれていますが、その中でもっとも多いのがハギで、141首(137首とも)にもなります。万葉集に登場する160種の植物の中でもダントツに多いハギですが、その花見は、万葉人にとって秋の行楽の大きな楽しみで、宮勤めの人々が野山へ出かけた様子も詠まれています。その際、ハギの花を手折っては挿頭(かざし)にして、野の精気を取り入れていたそうです。なんとも風流な遊びですね。
ススキ(薄)
ススキはイネ科ススキ属の多年草で、古くは尾花(おばな)という名でその風情を愛されてきました。十五夜の飾りをはじめ、花鳥画や蒔絵などの秋草紋様にも使われるなど日本文化にも重要な植物です。また昔は、牛馬の飼料や茅葺屋根の材料に使われるなど人々の暮らしに欠かせないものでした。ススキは日当たりのよい草原に群生し、日本列島、朝鮮半島、中国、台湾など広く分布しているため品種も多く、斑入りや矮性、穂の長さなど変化に富んでいます。
<育て方のポイント>
耐寒性・耐暑性も極めて強く、病害虫も特にないため初心者にもおすすめです。日なたで育て、水がたまるような場所でなければ土質は選びません。ただし、イネ科のアレルギーを持っている人はご注意ください。
<四方山ばなし・フワフワ可愛い! ススキみみずくを作ってみよう>
郷土玩具にもなっている「ススキみみずく」を、身近な材料で作ってみませんか?
用意するもの/
- 穂が出たススキ20~30本
- 目とくちばしになる木の実(ドングリなど)
- タコ糸
- 剪定バサミ
- グルーガンか工作用ボンド
作り方/
- ススキを2~3本ほど束ねてタコ糸で縛る。
- 穂先から2/3のところをタコ糸で縛る。
- 穂を外側に向けて丸く折り返してタコ糸で縛る(頭部)。
- 3のまわりをススキで囲んでタコ糸で縛り、ふんわりと折り返してタコ糸で縛る。
- 頭部左右にススキを1本ずつ挿して耳に見えるようにカットする。
- 木の実やフェルトで目とくちばしを作ってグルーガンやボンドで付けて完成。
クズ(葛)
万葉の時代から深く生活に浸透していたクズは、最近では元皇族・高円宮家絢子女王のお印に使われたことでも有名です。マメ科クズ属のつる性多年草で、花は秋の七草として親しまれ、葉は牛馬の飼料や草木染めに、根からは、くず餅やくず湯の原料となるくず粉や漢方薬の葛根湯が作られてきました。さらにつるはしなやかで切れにくいため、薪の結束や籠編みにも使われました。しかし便利な反面、近年ではその強靭な繁殖力が災いし、海外でも侵略的外来種として広く認知されています。
<育て方のポイント>
繁殖力がとても強く、他の植物に覆いかぶさって繁茂するほどなので、育てる場合は鉢植えでこまめに剪定するのがおすすめです。
<四方山ばなし・まるでアップルパイ⁈ ヘルシーで美味しいフルーツくず湯>
くず湯が今、ダイエットや風邪予防になる上に、美味しいスイーツとしてブームになっています。簡単なので、ぜひ試してみてください!
アップルシナモンくず湯
材料/
- くず粉 大さじ1
- 水 カップ1
- リンゴ(すりおろすか細かく切る) 1/2個分
- ハチミツ 大さじ1~2
- レモン汁 小さじ1
- しょうがすりおろし・シナモン(好みで)
作り方/
- 鍋にくず粉と水を少し入れ、よく混ぜてから残りの水を加え、さらによく混ぜる。
- 残りの材料を入れてよく混ぜ、火にかけてとろみが出たら完成。
ナデシコ(撫子)
ナデシコは日本の美しい女性を意味する「大和撫子」の語源になった花です。ナデシコ科ナデシコ属(ダイアンサス属)で世界中に分布している品種は約300種あります。日本に自生するのは4品種で、その中で秋の七草とされているのは「カワラナデシコ」という品種です。花期の長いナデシコは常夏(とこなつ)とも呼ばれ、『源氏物語』では幼女を「撫子」、妻や愛人を「常夏」と名前を使い分けるなど、昔から女性を例えるさまざまな表現にも使われています。
<育て方のポイント>
日当たりと水はけのよい場所が適しています。乾燥に強く、砂利混じり、傾斜地、石垣の上など乾きやすい場所でも育てることができます。梅雨~夏の蒸れに弱いので、草丈の高い品種は花後の茎を株元近くで切り戻します。草丈の低い品種は、開花が一段落したら半分くらいの高さまで刈り込みます。
<四方山ばなし・日本初のガーデンフラワーはナデシコだった⁈>
万葉歌人・大伴家持が「君はなでしこが花に比(なぞ)へて見れど」と詠ったことが「大和撫子」の語源といわれていますが、他にも家持の歌で園芸的に貴重な記録があります。「わが家前に 蒔きしなでしこ いつしかも 花に咲きなむ なぞへつつ見む」(巻八・1448)は、家持が妻の坂上大嬢に贈った歌で、花を楽しむためにタネを播いて育てたという、園芸的にも貴重な日本で最初の記録です。家持は奈良の都から遠く離れた越中に単身赴任しますが、その間もナデシコのタネを播いて育てたことを詠っています。妻の面影をナデシコの花に見いだし、せめて花だけは近くに置いて寂しさを慰めていたようです。
平安時代に流行った遊びで「撫子合わせ」というのがありました。庭に咲くナデシコを持ち寄り、その美しさを競った後に歌合わせをして楽しんだそうです。この遊びを思い浮かべながら、ナデシコのいろいろな花姿を寄せ植えにして楽しむのも素敵ですね。
オミナエシ(女郎花)
オミナエシはスイカズラ科オミナエシ属の多年草で、数本の茎をまっすぐに伸ばして株立ちになり、黄色い小花が密集して咲きます。中・東部日本では名月に供えるという風習があります。日当たりのよい草原に生えています。耐寒・耐暑性に優れ、花期が長く育てやすいため、初心者にもおすすめです。ただ、生けると水が臭くなりやすいため、毎日水を替える必要があるのでご注意ください。
<育て方のポイント>
地下茎を横に伸ばす性質があるので、鉢植えにするとこの地下茎が地上に浮き上がってしまう場合があります。そのままにしておくと株全体が乾燥して枯れてしまうので、見つけたら周りの土をかぶせるなどして地下茎が乾かないようにしましょう。
<四方山ばなし・オミナエシにまつわる悲恋話>
昔、京都の石清水八幡宮がある男山の麓に、小野頼風という男が住んでいました。頼風は宮仕えで都へ上っているうちにある女と深い恋仲になりましたが、しばらくすると頼風が訪れなくなったので、女は心配になり男山を訪ねます。しかしそこには頼風の女房と名乗る女がいて、冷たく追い返されてしまいました。女は頼風の心変わりを恨み、悲しさに打ちひしがれて泪川に身を投げました。それを知った頼風が、その亡きがらを手厚く葬りました。やがてその場所に、生前女が着ていた着物と同じ山吹色の女郎花が咲きました。頼風は懐かしさのあまりその女郎花にかけ寄りましたが、花はなびいて退いてしまう。そして頼風が後ろへ下がると、花はまた元の場所に戻ります。その様子に心を痛めた頼風は自分の過ちを悔やみ、同じ川に身を投げて死んでしまいました。後にこの話を哀れに思った世の人が、女郎花塚を建てました。現在でも、松花堂庭園内に女郎花塚、八幡今田に頼風塚が残っており、秋になると女郎花が美しく咲いています。
石清水八幡神社 http://www.iwashimizu.or.jp/top.php
フジバカマ(藤袴)
フジバカマはキク科ヒヨドリバナ属の多年草で、川沿いの湿った草原や日の当たる林に見られますが、だんだん自生に適した環境が少なくなり、野生種は絶滅危惧種となっています。現在フジバカマの名で市販されているものの多くは、サワフジバカマ(フジバカマとサワヒヨドリの雑種)です。まっすぐに伸びる茎に、3裂する葉が対になって付き、白く小さな花が密集して咲きます。生乾きの茎葉にクマリンの香り(桜餅の葉の香り)があるため、古くから香りを楽しむ植物とされ、髪の毛を束ねた下にフジバカマを挟んだり、香気を利用してトイレに吊す家もありました。
<育て方のポイント>
日なたで育てますが、水切れするとひどく傷むので、水やりをしっかり行います。地下茎で猛烈に繁殖するので、鉢植えがおすすめです。庭植えの場合は、土の中を板で仕切っておく必要があります。
<四方山ばなし・絶滅危惧種のフジバカマを救った京都のプロジェクト>
1998年、京都・大原野の溜池のあぜで、京都府ではすでに絶滅したと思われていたフジバカマが発見されました。この貴重なフジバカマは大原野神社で大切に育てられ、数を増やしていきました。その後、2007年からKBS京都(京都放送)が中心となった「守ろう!藤袴プロジェクト」で京都各地に広がり、3年間で7,000株の原種が育てられ、今では100校以上の小学校に根をおろすまでになりました。秋には「藤袴祭」などのイベントが開催されるので、原種のフジバカマを楽しみに秋の京都へ足を運んでみてはいかがでしょう。
源氏藤袴会 http://g-f-a.org/festival/
キキョウ(桔梗)
秋の七草に含まれる「朝がほの花」とはキキョウのこと。切り花としても多く使われるキキョウは仏花の一つで、お盆になるとオミナエシとともに飾られます。キキョウ科キキョウ属の多年草で、江戸時代には園芸品種が多く作られ、花色は紫、白、ピンクにツートンカラーもあります。花姿は一重や八重の他、現在では見られないような花茎9cmもある怪物キキョウまで作られました。花は薬草としても用いられ、主に咳止めに使われました。日当たりのよい草原に咲きますが、現在そのような場所が減ったため、野生種は日本国内で絶滅危惧種になっています。
<育て方のポイント>
開花期が長く耐寒性があるので、初心者にもおすすめです。最初の花が終わったら、茎の半分から2/3ほど残して切り戻すと、二番花を楽しむことができます。
<四方山ばなし・キキョウは花が咲くとき音がする?>
風船のようなつぼみがなんとも可愛らしいキキョウは、英名がバルーンフラワーです。その膨らんだつぼみを見ると思わず押してみたい衝動に駆られますが、それは昔の人も同じだったようです。「たわむれて指につまめば音たてて桔梗の蕾われにけるかも」(結城哀草果1893~1974)。つぼみを押すと、はじける時にポンッと音がするようです。育てている人は、子どものいたずら心にかえって、試してみるのも面白いですね。
誰もが秋を感じる花6選
秋は小ぶりな花やシックな色合いの花が多いのが特徴です。色づくカラーリーフと合わせると、より秋らしい演出を楽しむことができます。誰もが秋を感じる、おすすめの花を6つご紹介します。
キク
誰もが秋を感じる花として有名なのがキクです。中国原産で、日本には奈良~平安時代頃に伝わり、江戸時代には庶民の間でも人気となって品種改良が進みました。各地で行われる菊人形祭りや菊花展などは、伝統的文化として現在に引き継がれています。キク科キク属の植物は種類が多く、世界中に1万以上の品種があるといわれています。大菊、中菊、松菊と花の大きさにバリエーションがあるほか、咲き方もポンポン咲き、スプレー咲き、八重咲きなどさまざまです。近年ではポットマム(洋菊)が注目され、ガーデンでも取り入れやすく、フラワーアレンジにも向く品種が多く手に入るようになりました。
<育て方のポイント>
手をかけるほどに美しく咲くといわれ、栽培が難しいといわれてきた大菊や中菊に比べ、小菊は丈夫で育てやすいので初心者にもおすすめです。日光を好むので一年を通して日当たりのよい環境で育てます。また雨に当たると花が傷んでしまうので、軒下など雨を避けられる場所が適しています。
<スタイリング>
特徴的な花色が多いので、単植でも華やかに見えます。寄せ植えする場合は、あまり色を増やしすぎないようにするとバランスが取りやすいです。
リンドウ
爽やかな秋風が吹く日に足元をパッと彩るリンドウは、人里近い野山や低い山地で見ることができる代表的な秋の山野草です。リンドウ科リンドウ属の多年草で、青紫や白色の釣鐘型の花が咲き、笹に似た細長い葉が特徴です。エゾリンドウやオヤマリンドウなどの自生種以外にも園芸品種が多く作られています。
<育て方のポイント>
春の芽出しから梅雨明けまでは明るい日差しを好みますが、梅雨明け以降は葉焼けを起こしやすいので、遮光をするか明るい日陰に移動し、秋の彼岸頃に再び明るい日差しが入る場所へ移動して株の充実を図ります。また乾燥するとすぐに葉が傷むので、水やりを忘れないようにしましょう。
<スタイリング>
草丈が低いので同じく低い草花と合わせたり、前方のアクセントに向いています。
ヒガンバナ
ヒガンバナ科リコリス属の多年草で、名前は秋の彼岸に花を咲かせることに由来します。別名は曼珠沙華(マンジュシャゲ)、また死人花などとも呼ばれ、その妖しげな美しさや由来から、マンガやアニメの死に関係する表現で度々使われます。日本では不吉な花のイメージが、欧米では「リコリス」という名でガーデンやフラワーアレンジに人気があるため、日本でも「リコリス」の名で多く販売されるようになりました。色は赤、白、黄色、紫などで、園芸品種も多彩です。また育てやすく耐寒性があることから初心者にも人気の花です。
<育て方のポイント>
花茎に日が当たらないと茎が弱く倒れやすくなるので、開花期はよく日に当てるようにします。また葉のある時期は特に乾燥を嫌うので、土に湿り気を持たせるよう、しっかりと水やりをします。
<スタイリング>
葉のない夏の時期は、球根の間に一年草を植えると球根の暑さ対策にもなり、夏の花が色を失うころにパッと美しい花を咲かせます。
キンモクセイ
秋になると甘い香りを放つキンモクセイは、ジンチョウゲ、クチナシと共に日本の三大香木として親しまれています。その香りは強く、夜などは近くになくても漂ってくるほどです。モクセイ科モクセイ属で剪定しなければ5~6mまで生長する高木です。病虫害も少なく日陰でも育つことから庭木として人気ですが、鉢植えでも育てることが可能です。
<育て方のポイント>
キンモクセイは生育旺盛なので、風通しのよい場所で育て、開花前までこまめに剪定をします。大きくなってからの移植を嫌うので、鉢植えの場合は植え付け時に2~3回りほど大きめの鉢に植え付けます。
●キンモクセイの正しい剪定方法。時期やコツ、初心者が注意したいポイントとは?
<スタイリング>
キンモクセイは、花が落ちて地面がオレンジ色の絨毯のように染まる姿も美しいものです。根元にビオラやクリスマスローズなど草丈の低い植物があると、花落ちも美しく映えます。
コスモス
秋になると河原や土手をいっせいにピンクや赤色で覆い尽くすコスモス。和名を「秋桜」と呼び、日本ではまさしく秋の代名詞的な花ですが、じつはメキシコ原産です。キク科コスモス属の一年草で、日当たりと風通しがよければ土質を選ばずに育ちます。またこぼれ種で増えるので、限られた空間で育てる場合は、鉢植えがおすすめです。
<育て方のポイント>
放っておくと草丈がぐんぐん伸びてしまうので、小さく育てたい場合は、茎の先端にある芽を摘み取り植物を横に生長させる「摘心」と、伸びた枝や茎を途中で切って美しい姿にする「切り戻し」が必要です。
<スタイリング>
ラインが細く、高さが同じくらいでボリュームがある植物を一緒にすると負けてしまいます。寄せ植えにするときは、草丈の低い草花を合わせるとよいでしょう。
サルビア
サルビアはシソ科アキギリ属(サルビア属)で一年生と多年生に分けられます。一年生のほうは目の覚めるような青花や、燃えるような赤花がまるで炎のように咲くため、秋の主役花として人気です。本来は多年草ですが耐寒性がないため、日本では一年草扱いです。多年生のサルビアは、薬用サルビアとも呼ばれ、コモンセージをはじめたくさんの品種がハーブや観賞用に活用されています。欧州原産の品種は耐寒性に優れていますが高温多湿に弱く、メキシコや中南米原産の品種は耐暑性があるなど、品種によって特徴が異なります。
<育て方のポイント>
一年生サルビアは日当たりと水はけがよく、乾燥しすぎない場所が向いています。また生育旺盛で開花期間が長いので、定期的に肥料を施すとよいでしょう。多年生のサルビアは多湿に弱いので、水やりは土が乾いているときにたっぷり与えます。
<スタイリング>
一年生ははっきりとした色合いが多いので、カラーリーフプランツと合わせると秋らしい深みが出ます。多年生はボリュームのある葉も美しく、キッチンハーブとして他のハーブと寄せ植えしてもグッド。
秋の花は育てやすい
秋の七草をはじめ、秋に見頃を迎える花の多くは里山に自生していた植物たちです。日当たりと水はけさえよければ丈夫に育つ植物がほとんどなので、育てる地域によって耐寒性、耐暑性のある品種を選べば、初心者でも失敗せずに花を楽しむことができます。また春夏と比べると、秋は病害虫が少ないのも嬉しいところ。ガーデナーにとって煩わしい「ヤブ蚊」の数もぐっと減るので、外での作業もしやすくなりますね。
秋の花で季節感を味わおう
秋は控えめな花姿や地味な色の花が多いイメージですが、昼夜の温度差によって花色が冴え、紅葉した葉と合わせて見ると、より複雑で深い色合いを楽しむことができます。寄せ植えやフラワーアレンジメントでは、あえて色数を抑えてシックにまとめたり、個性的なカラーリーフを取り入れて、しっとり大人の秋を演出するのも素敵です。また秋の七草でご紹介したように、植物には興味深い逸話や伝承話がたくさんあるのも魅力です。秋の夜長、ご自分の庭に咲く花にまつわる物語を読み解いていくと、ガーデニングをより深く楽しむことができますよ!
参考文献/
秋の七草 有岡利幸・著
寄せ植えスタイリングブック 上田広樹・著
Credit
制作・レシピ・写真・文 / 本間のぞみ
ほんま・のぞみ/福島県会津若松市生まれ。デザイン事務所のアシスタントを経てガーデニング雑誌編集部に入社。庭のある暮らしや食に関する記事をつくる中で、さまざまな食のプロに出会い魅了され、和菓子店、ベーグル店、ビストロなどで経験を積む。現在2人の子どもを育てながら、地元の母がつくった会津野菜や食品を使ったレシピを提供中。
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