針葉樹は広葉樹の対語で、裸子植物の針葉樹類(球果植物類)に属する樹木を総称します。英語ではConifer(コニファー)とよばれ、ガーデンでも古くより親しまれてきました。

日本においては、まずマツ「松」(マツ科 マツ属 Pinus)があります。マツは、日本庭園においては第一のシンボル樹で、「不老長寿」「永遠」のシンボルとして神社仏閣にも植えられてきました。シンボル的な意味合いだけでなく、建材や防風、防潮としても多く植えられ全国的にも風光明媚な観光名所にも必ず登場してきます。植栽だけでなく、お正月の門松や松竹梅などの盆景、松明などにも使われ日本人にとっては最も親しまれてきたといっても過言ではありません。マツ以外にもスギ「杉」(スギ科 スギ属 Cryptomeria)、ヒノキ「檜」(ヒノキ科 ヒノキ属)、マキ「槇」(マキ科マキ属 Podocarpus)などがあります。

西日本の生垣でよく使われるカイヅカイブキ「貝塚伊吹」(ヒノキ科 ビャクシン属 Juniperus chinensis ‘Kaizuka’)はヒノキの仲間で、剪定をして整えると美しい形に仕立てることができます。マツやマキの門かつぎも、日本の剪定技術によって生み出された仕立てです。これからのガーデン演出にもこの日本の技術が活かされることを願います。
北海道や東北の北エリアでは、モミ「樅」(マツ科 モミ属 Abies)やトウヒ「唐檜」(マツ科 トウヒ属 Picea jezoensis var. hondoensis)が登場します。一言にマツといっても、トドマツ「椴松」(Abies sachalinensis)はモミの仲間で、エゾマツ「蝦夷松」(Picea jezoensis)はトウヒの仲間です。
代表的な針葉樹
スギ(杉)

スギ科 スギ属
日本固有種で本州北端から屋久島まで自生する。枝先に葉が丸く茂る。
ヒノキ(檜)

ヒノキ科 ヒノキ属
火を起こすための、火切り板として使ったため、「火の木」の意とする説がある。
モミ(樅)

マツ科 モミ属
日本に自生するモミ属で最も温暖地に分布し、その北端は秋田県、南端は屋久島に達する。
コウヤマキ(高野槙)

スギ科 コウヤマキ属
日本および韓国済州島の固有種。別名ホンマキで、1属1種の針葉樹。
アカエゾマツ(赤蝦夷松)

マツ科 トウヒ属
北海道と東北地方の一部、南千島、樺太に分布する常緑針葉樹。
新着記事
-
育て方
秋のバラ苗予約スタート! 夏バテバラの回復におすすめのプロ推奨資材&作業ポイントも詳し…PR
今年2回目の最盛期を迎える秋バラの季節も、もうすぐです。秋のバラは色も濃厚で香りも豊か。でも、そんな秋のバラを咲かせるためには今すぐやらなければならないケアがあります。猛暑の日照りと高温多湿で葉が縮れ…
-
観光ガーデン
【スペシャル・イベント】ハロウィン色で秋の庭が花やぐ「横浜イングリッシュガーデン」に…PR
今年のハロウィン(Halloween)は10月31日(金)。秋の深まりとともにカラフルなハロウィン・ディスプレイが楽しい季節です。「横浜イングリッシュガーデン」では、9月13日(土)から「ハロウィン・ディスプレイ」…
-
公共ガーデン
都立公園を新たな花の魅力で彩る「第3回 東京パークガーデンアワード」都立砧公園【秋の到来を知らせる9月…
新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテストとして注目されている「東京パークガーデンアワード」。第3回コンテストが、都立砧公園(東京都世田谷区)を舞台にスタートし、春の花が次々と咲き始めています。…