木の実を活用するといっても、植物の種類によってさまざまな用途があります。人が生活してきた歴史とともに木の実の歴史はあります。まず一番に頭に浮かぶものは「生でそのまま食べるもの」一般に果物(フルーツ)ですね。
次に、「熱を加えたり乾燥さしたりして加工するもの」さらに、「精製したり絞ったりして油をとるもの」が食用として使用するだけでなく、染料やろうそくの原料など「食」以外の生活必需品に使用することもあります。
植物によって実がなる時期は異なりますが、秋は特にその種類が多い季節といえます。暮らしの文化として、例えば柿の木の枝に、実が熟してくる景観を見ると晩秋の風情を感じますね。最近人気が出てきているものは、「健康」にかかわる果実類です。暮らしのガーデンで楽しむ種類としては、ナツメ、ブルーベリー(スノキ)、クランベリー(ツルコケモモ)、ジューンベリー(アメリカザイフリボク)、ヤマボウシ、ガマズミ、ウワミズザクラや、つる性植物のアケビ、マタタビ、サルナシなどがおすすめです。ヤマボウシは実を乾燥させて下痢、腹痛など薬事的にも活用できますし、ナツメはそのままでも食べられますが、乾燥させたものは大棗(タイソウ) と呼ばれ、漢方の生薬として利用されて、冷え・むくみ・貧血・便秘や下痢・婦人病などに効果があるといわれています。

改善といったさまざまな効能が期待できる、優れた木の実です。
欧米のガーデンでも日本原産のムベ、アケビ、マタタビなどは非常によく使われる植物といえます。野菜の収穫と同じように、実りのあるものを育てることは「感謝」「喜び」の感情を生み出します。これからの暮らしのガーデンに実のなる木を植えていきましょう。
秋に実を結ぶ植物
ナツメ

クロウメモドキ科 ナツメ属
強壮作用・鎮静作用があり、副作用の緩和などを目的に多数の漢方方剤に配合される。
クランベリー

ツツジ科 スノキ属
膀胱炎、腎盂腎炎、尿路感染症の予防、尿が臭い、乳ガンの進行を抑制する。
アケビ

アケビ科 アケビ属
古くから利尿、排膿作用に効果がある生薬として利用されてきました。
ヤマボウシ

ミズキ科 ミズキ属
生食では、滋養強壮や疲労回復などの効能があるといわれています。
アキグミ

グミ科 グミ属
疲労回復や利尿作用、高血圧の予防や抗酸化作用がある。
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