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バラに託されたメッセージ。花言葉やバラにまつわる物語を紹介します

バラに託されたメッセージ。花言葉やバラにまつわる物語を紹介します

大切な人に花を贈るときに、バラを思い浮かべる方は少なくないでしょう。たとえば、プロポーズのときに贈る花の定番は、赤いバラですね。だれもが知っていて、しかも、特別な気持ちを伝えるのにふさわしい花。そんなバラには花言葉や花にまつわるストーリーが数多くあります。花色ごとに、本数によっても、さまざまな花言葉をもつバラ。どんな言葉を託されているのか、ご紹介しましょう。

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バラの花言葉について知りたい!

まずは、バラとはどんな花なのか、その基本を確かめておきましょう。

バラの基本データ
学名:Rosa
科名:バラ科
属名:バラ属
原産地:ヨーロッパ、北アメリカ、アジア
和名:バラ(バラ、ソウビ、ショウビ)
英名:Rose
開花期:5~11月
切り花の出回り時期:周年
花色:赤、ピンク、オレンジ、黄、白、紫、緑、茶、複色

バラの花言葉は、
「愛情」「美」
だれからも愛される、華やかなバラのイメージにぴったりの花言葉ですね。多種多彩なバラには、じつは花色ごとに花言葉があります。

バラは花色ごとに花言葉があります

花色別にバラの花言葉を紹介しましょう。

「あなたを愛します」「愛情」「美」「情熱」「恋」「熱烈な恋」

ロワイヤル

テス

「純潔」「私はあなたにふさわしい」「深い尊敬」「純潔」「清純」

フラッフィ

オードリー

ピンク

「しとやか」「上品」「可愛い人」「美しい少女」「愛の誓い」「感銘」

エレガントドレス

イブピアッチェ

「友情」「平和」「友愛」「献身」「嫉妬」「薄らぐ愛」

風月


オレンジ色

「無邪気」「魅惑」「絆」「信頼」「すこやか」「愛嬌」

オレンジキャロット+

チアガール

「穏やか」「希望を持ち得る」

コンキュサーレ

「誇り」「気品」「尊敬」「高貴」

リベルラ

マダムヴィオレ

「不可能」「夢かなう」「奇跡」「神の祝福」

アプローズ

覚えきれないほど花言葉がありますが、もっと細かく分類した花言葉もあるようです。特別な場合、大事な相手に花を贈る場合には、花言葉を確かめておくといいかもしれませんね。

黄色いバラには「嫉妬」「愛の薄らぎ」の花言葉があるので、プレゼントには避けたほうがいいともいわれますが、最近では父の日に好まれているのが、ヒマワリやこの黄色いバラ。「平和」「友愛」などプラスイメージの花言葉もチェックしましょう。

バラにまつわる歴史とエピソード

たくさんの花言葉をもつバラ。花言葉が表すバラのイメージは、どのように生まれ、どのように膨らんでいったのでしょう。バラにまつわる神話やエピソードを、ひも解いてみましょう。

ギリシャ・ローマ時代

はるか昔、ギリシャ時代のこと。芳香のある植物が好まれていたこの時代、バラの香りも関心の的でした。しかも白やピンクの「清楚」な色、形も好まれ、やがてバラは清らかな乙女のイメージと重なり、「純潔」を象徴する花になっていきました。貴族が頭に載せていた花冠にもバラが好まれましたが、貞操を失った乙女がバラの花冠をつけることを禁じたというような記録が残っているそうです。

古代ローマ時代の黄金期、アウグストゥスの時代はバラを贅沢品と考えていましたが、すぐに古代ローマ人貴族に欠かせないものに。バラに熱狂し、バラを栽培するためのバラ園も誕生しています。

バラは暮らしと密着し、バラの花を部屋に飾り、香りを楽しみました。最初に咲いたバラを恋人にプレゼントする習慣があり、プレイボーイは恋人を「私のバラ」と呼んだとか。何とも甘い表現ですね。

皇帝ネロは晩餐のときに部屋をバラで埋め尽くし、天井からバラの雨を降らせたという話もよく知られています。バラは「高貴」なものの象徴にもなっていったのです。

神話や伝説とバラ

ルネサンス期の著名なイタリアの画家サンドロ・ボッティチェッリ(1445年~1510年)の名画『ヴィーナスの誕生』で描かれているのは、「愛」と「美」と性を司る女神ヴィーナス。ヴィーナスは、ギリシャ神話のアプロディーテのこと。アプロディーテが海の泡から生まれたという神話が描かれ、そのとき一緒に生まれたのが白いバラ。可憐な白いバラがアプロディーテの周りを舞っています。

そのアプロディーテは恋多き女神。愛人の武神マルスよりも美少年アドニスに恋をしたため、マルスはアプロディーテをわがものにしようとして、アドニスを地上に叩きつけたといいます。駆け寄って救おうとしたアプロディーテは白いバラの茂みに倒れ、トゲで傷を負います。そして流れ出たアプロディーテの鮮血が白いバラを赤く染めたといいます。また、マルスの放った猪にアドニスが殺された時、彼の死を悲しんだアプロディーテの涙が、赤いバラに変わったという話も。赤いバラは、アプロディーテの花。「愛」と官能の象徴なのです。

また、キリスト教世界では、白バラは白ユリとともに、聖母マリアのシンボル。「純潔」の象徴を意味します。

青いバラ

時代は変わり、19世紀になると、バラの愛好家や園芸家がつぎつぎに新しいバラを作りだします。ところが、どうしても作ることができなかったのが、青いバラでした。そのため、夢見てきた青いバラは「不可能」という意味をもつようになります。その夢を実現したのが、日本のサントリーフラワーズとオーストラリアの企業。遺伝子組み換えの技術を使い、長年かけて青色色素をもつバラの開発に成功。2004年に発表しました、その青いバラの名前は、アプローズ。「喝采」の意味です。花言葉は「夢かなう」。青いバラは、「不可能」から「夢かなう」の花言葉のバラに変わったのです。

12本のバラで、愛を告白

さらに、バラは本数によっても異なる花言葉をもちます。なかでもヨーロッパでよく知られているのが、「ダズンローズ」、12本のバラです。始まりは中世ヨーロッパにさかのぼり、こんな言い伝えがあります。

ある男性が恋人の家に向かう途中、野に咲くバラを12本摘んで花束を作りました。男性はその12本のバラに誓いをたて、恋人に花束を手渡し、プロポーズしたそう。女性は花束を受け取ると、そのうちの1輪を抜き取り、男性の胸元に挿してプロポーズを承諾しました。それが新郎の胸を飾るブトニアの起源といわれています。

花嫁に贈られた12本のバラには「感謝・誠実・幸福・信頼・希望・愛情・情熱・真実・尊敬・栄光・努力・永遠」と、それぞれ異なる意味が込められていたといいます。なんともロマンティックな話は、今、結婚式の演出によく使われているそう。

また、ほかにも12本のバラにこだわるのが、イギリスのバレンタインデー。この日、花屋さんやスーパーの店先に12本の赤いバラの花束、「ダズンローズ」が並びます。多くの男性が愛する人に贈るのです。

真っ赤なバラは、「愛」を語る花。バレンタインデーに限らず、もし、1ダースのバラを女性が抱えていれば、プロポーズを受けたのか、結婚記念日というわけです。イギリスで12本の赤いバラは、「愛の告白」「真実の愛」の意味。なぜそれが12本なのか考えたこともないほど、当たり前になっているそう。

韓国では、5月14日はローズデー。恋人同士がバラを贈り合います。贈る本数によって、バラの花言葉は異なるそう。

1本
「あなたしかいない」「ひとめぼれ」

2本
「この世界はふたりだけ」

3本
「愛しています」

4本
「死ぬまで愛の気持ちは変わらない」

5本
「あなたに出会えて本当によかった」

といった具合に花言葉は続きます。ふだんからよく花を贈る習慣がある韓国。お付き合いして100日目には、男性から女性へ100本のバラを贈るそうです。

ちなみに日本でもプロポーズに赤いバラを贈る男性が増えつつあるとのこと。お隣韓国の影響もあるのでしょうか?  ただし、本数にはあまりこだわらないそうです。

アミリー

バラを主役にした、ギフトの紹介はこちらへ。⇒「バラのフラワーギフト、選び方とおすすめ10選

バラの扱い方、飾り方は「バラのおしゃれな生け方・飾り方。 フラワーアレンジで長もちさせるコツ」、ドライフラワーにしたいときは「バラの、上手なドライフラワーの作り方と簡単アレンジ」、種類を知りたいときは「知りたい! バラの種類や品種、それぞれの特徴と見分け方」をご覧ください。

Credit

記事協力

花・嶋 友紀 構成と文・瀧下昌代

 

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