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カーネーションに託したメッセージ! 花言葉や花名の由来、英語名を紹介

カーネーションに託したメッセージ!  花言葉や花名の由来、英語名を紹介

最近は、フラワーギフトを贈る際などに、花言葉にこだわる方が増えています。花言葉とは、花姿、色、香り、雰囲気、伝説、神話、風習などといった植物にまつわるさまざまな情報から、それぞれの植物に独自の象徴的な意味をもたせた言葉です。もともとは、花に想いを込め、花を使って人にメッセージを伝えるヨーロッパの古い風習から来ています。花言葉は国や時代によって、また提唱する人によっても若干変わります。ここでは、カーネーションについて、日本における代表的な花言葉を取りあげましょう。

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カーネーションの花言葉について知りたい!

最初にカーネーションという花のことを、簡単に説明します。

■カーネーションの基本データ
学名:Dianthus caryophyllus
科名:ナデシコ科
属名:ナデシコ属
原産地:南ヨーロッパ、西アジア
和名:阿蘭陀石竹(オランダセキチク)、阿蘭陀撫子(オランダナデシコ)、麝香撫子(ジャコウナデシコ)
英名: carnation
開花期:4~6月
花色:赤、ピンク、オレンジ、黄色、白、紫、緑、茶色、複色

日本におけるカーネーション全般の花言葉は下記です。

「あなたを熱愛します」
「純粋な愛」
「感動」

その意味など詳しい解説は「3.カーネーションの花名や花言葉の由来は?」でご紹介します。

花言葉は、花の色によっても変わります

カーネーションの花言葉は、色によっても違います。色ごとの花言葉は下記です。

赤…母への愛
ピンク…熱愛の告白、感謝の心
黄色…軽蔑、友情
オレンジ…熱烈な心、純粋な愛
白…私の愛情は生きている、尊敬
紫色…誇り、気品
複色…美しいけれど切ない
青…永遠の幸福

※花言葉はその花の特質などに合わせて象徴的な意味をもたせたもので、明確な根拠があるものではありません。前述したように、監修する人や国、文化などによって、選ばれる言葉が違うこともよくあります。

カーネーションの花名や花言葉の由来は?

カーネーション(Carnation)は歴史の古い花で、その栽培は古代ギリシャ・ローマ時代までさかのぼります。このため、名前の由来にも古来さまざまな説があるようです。たとえば、この花が肉(ラテン語でcarn)の色に似ているから、というのがそのひとつ。もうひとつ、16世紀の著名な英国の詩人がパーティのときにこの花で冠(corona)を作り、酒に酔うことを防いだという説もあるようです。同じく英国で戴冠式(coronation)によく飾られたのでカーネーションという名前がついた、という説もあります。

ちなみに、属名であるダイアンサスはギリシア語で「神の花」を意味します。ギリシア神話において、ソニクスという美しい女性がカーネーションの冠を作り、アポロンの神殿に飾ったとの逸話があるからです。彼女が亡くなったとき、アポロンは彼女の行いに感謝してその姿をカーネーションの花に変えたとか。ここにも冠との共通点が見られます。

一方で、花言葉の由来は明確です。アメリカの南北戦争(1861~1865年)の際、ウエストバージニア州で敵味方を問わず負傷兵の看護にあたったアン・ジャービスという女性がいました。彼女が亡くなって数年後の1907年5月、娘のアンナ・ジャービスが亡き母に追悼を捧げるために教会で集会を開催し、母が好きだった白いカーネーションを配りました。彼女はその後、母の日の制定を熱心に世の中に働きかけ、おかげで1914年に5月の第2日曜日は母に感謝する記念日と定められ、正式に「母の日」として制定されたのです。

カーネーションの栽培が日本で広まったのは大正時代。母の日の習慣も、この頃には日本に伝わっていましたが、広く知られるようになったのは1950年代のようです。

もうひとつ、キリスト教では、イエスが十字架を背負ってゴルゴダの丘へ向かう途中、マリアが落とした涙が地面に落ちてカーネーションの花になったと伝えられています。このため、キリスト教ではカーネーションは無垢の愛とか母性愛のシンボルです。ダ・ヴィンチの描いた「聖母子」でも、聖母マリアがカーネーションを手にしています。

こうしたことから、カーネーションの花言葉には「純粋な愛」「母への愛」など、母への愛情や尊敬を表すものが多いのです。その一方で、なぜか黄色いカーネーションにはネガティブな花言葉がつけられています。バラやユリなどほかの花でも同様に、黄色い花には不吉な意味をもつものが多く、黄色いカーネーションの場合にも色から来ているものだと思われます。

なお、元々アンナ・ジャービスが配ったのは白のカーネーションでしたが、現在では主に赤のカーネーションが使われるのは、英語の花言葉や色のイメージから赤のほうがお母さんに似合うから、と言われています。また、かつてはお母さんが存命の場合には赤のカーネーション、亡くなっている場合には白のカーネーションを用いる、などと言われていましたが、現在ではそうした区別はあまりなされていません。

カーネーションの英語名と、海外での花言葉

カーネーションの英語名は「Carnation」もしくは「Clove pink」。Clove pinkというのはちょっと不思議な表記ですよね? じつはこのcloveとは香辛料のクローブ、つまりチョウジのこと。なぜカーネーションとクローブが結びつくのかというと、ヨーロッパではこのふたつの香りがよく似ていると思われていたからです。かつて、カーネーションはワインに風味や香りをつけるためによく使われました。つまり、カーネーションは観賞用である以前にハーブの一種でもあったわけです。ペルシャやインドなど東方からもたらされる貴重で高価なクローブの代用品としてカーネーションが使われるうち、ヨーロッパの諸言語でこのふたつが混同されたといわれています。原種の花色がピンク色だったためにcloveにpinkがついたのでしょう。

英語での花言葉は「fascination(魅惑、魅力)」「love(愛情)」「distinction(卓越、名声)」などとされています。

色別の花言葉は下記のようになります。

Red Carnation(赤いカーネーション)
「My heart aches for you(たまらなくあなたに会いたい)」
「deep love(深みのある愛)」
「admiration(敬愛、感嘆)」

White Carnation(白いカーネーション)
「sweet and lovely(かわいらしくて愛らしい)」
「innocence(純真・純潔)」
「pure love(純粋な愛)」

Pink Carnation(ピンクのカーネーション)
「I’ll never forget you(あなたを決して忘れない)」
「a woman’s love(女性の愛)」
「a mother’s love(母の愛)」

Yellow Carnation(黄色いカーネーション)
「You have disappointed me(あなたには失望した)」
「rejection(拒絶・拒否)」
「disdain(軽蔑)」

Purple Carnation(紫のカーネーション)
「capriciousness(気まぐれ)」
「changeable(変わりやすい)」

フランス語ではカーネーションは「œillet(ウイエ)」で花言葉は「 effronterie(厚かましさ)」となります。色別では、赤いカーネーションが「hélas pour mon pauvre cœur(ああ、私のかわいそうな心)」、ピンクのカーネーションが「amour d’une femme(女性の愛)」、黄色いカーネーションが「dédain(軽蔑)」です。

ドイツ語ではカーネーションは「Nelke(ネルケ)」。花言葉は、赤いカーネーションが 「Ich liebe dich heiss (ぼくは君を熱愛する)」、白いカーネーションが「 Ich bin noch frei(ぼくはまだ自由だ)」となります。

花言葉の世界はいかがでしたか? 花言葉にはさまざまな物語が隠れていますね。ただし、花言葉は明確な根拠があるものではないので、あまりこだわりすぎないことも大切です。花を買うときには、自分の好きな色、そのときにビビッと来た色の花を選ぶのが、いちばんよいのではないでしょうか。

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記事協力

構成と文・高梨奈々

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