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マーガレットに託したメッセージ! 花言葉や花名の由来、英語名を紹介

マーガレットに託したメッセージ! 花言葉や花名の由来、英語名を紹介

最近は、フラワーギフトを贈る際などに、花言葉にこだわる方が増えています。花言葉とは、花姿、色、香り、雰囲気、伝説、神話、風習などといった植物にまつわるさまざまな情報から、それぞれの植物に独自の象徴的な意味をもたせた言葉です。もともとは、花に想いを込め、花を使って人にメッセージを伝えるヨーロッパの古い風習から来ています。花言葉は国や時代によって、また提唱する人によっても若干変わります。ここでは、マーガレットについて、日本における代表的な花言葉を取りあげましょう。

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マーガレットの花言葉について知りたい!

最初に、マーガレットという花のことを、簡単に説明します。

マーガレットの基本データ
学名:Argyranthemum frutescens
科名:キク科
属名:キク属
原産地:カナリア諸島
和名:木春菊(モクシュンギク)
英名:Marguerite、Paris daisy
開花期:3~4月
切り花の出回り時期:12~4月
花色:赤、ピンク、オレンジ、黄、白、複色
花もち:5~10日

マーガレットは「誠実」、「貞節」、「慈悲」、「安らぎ」などのシンボルとされています。代表的な清らかな純白の花びらが、純潔や純粋な愛を思わせるからかもしれません。

18世紀のフランス王妃マリー・アントワネットにも愛されていたといわれる、マーガレット。彼女が好んだプチ・トリアノン宮殿の庭には、マーガレットが植えられていました。華麗な宮廷生活でさまざまな苦労を味わってきた彼女にとって、イギリスの田舎風にしつらえられたプチ・トリアノンの庭園は、心安らげる場所。素朴なたたずまいのマーガレットは、きっと彼女の心に憩いと慰めを与えてくれたことでしょう。

日本でのマーガレット全般の花言葉は下記です。

「心に秘めた愛」
「真実の友情」

その意味など詳しい解説は「3.マーガレットの花名や花言葉の由来は?」で紹介します。

花言葉は、花の色によっても変わります

ピンクのマーガレットの鉢植え

マーガレットの花言葉は、色によっても違います。色ごとの花言葉は下記です。

ピンク…真実の愛
黄・オレンジ…美しい容姿
白…秘めた愛、恋占い、信頼

※花言葉はその花の特質などに合わせて象徴的な意味をもたせたもので、明確な根拠があるものではありません。前述したように、監修する人や国、文化などによって、選ばれる言葉が違うこともよくあります。

マーガレットの花名や花言葉の由来は?

マーガレット(Marguerite)という名前は、「真珠」を意味するギリシア語の「Margarites(マルガリテス)」からきています。花びらが純白で丸く咲く清楚な花姿が、宝石でいうと真珠をイメージさせるからでしょう。

和名の木春菊(モクシュンギク)とは、葉の形がキクに似ていること、そして年数が経つと、緑色の茎が変化して茶色くゴツゴツした木のようになることから来ています。ただし、日本には明治初期に渡来し、マーガレットの名前が一般的に広まっているので、この名で表記されることはあまりありません。

マーガレットの花言葉の由来は、いくつかあります。

「心に秘めた愛」というもっとも代表的な花言葉は、マーガレットがよく恋占いに使われる花であることから来ています。恋占いとは、花びらを1枚ずつちぎって「好き、嫌い、好き、嫌い」と繰り返し、最後の1枚が「好き」であれば、自分の想い人も自分のことを想ってくれている、という占いです。ちなみに、ヨーロッパなどでは「愛している、少し愛している、とても愛している、まったく愛していない」と、4択にして占いの言葉を繰り返すそう。

マーガレット

もっとも、この占いには秘密があります。マーガレットの花びらは、基本的には奇数です。ですから、「好き」から始めれば「好き」で終わることがほとんど。本当は「恋を占う」というより、「恋(の告白)を応援してくれる」花なのかもしれませんね。

もうひとつ、この花がギリシア神話の月の女神、アルテミスに捧げられたことに由来する、という説もあります。狩猟の神アルテミスは、太陽神アポロンの双子の妹で、清らかで高潔な処女神とされています。ところが、巨人で腕の立つ狩人であったオリオンと一緒に狩りをするうち、アルテミスとオリオンは互いに惹かれ合うようになりました。これをよく思わない兄・アポロンは、頭だけ出して海を渡るオリオンを指しながら、妹に「お前はあの小さな島に矢を命中させることができるかな?」と語りかけ、島に向かって矢を射るようにそそのかします。「もちろんです」と答えて矢を放ったアルテミスは、知らずにオリオンを射てしまうのです。嘆き悲しむ女神アルテミスのために、父・ゼウスはオリオンを夜空の星に変えました。この永遠の処女であるアルテミスとオリオンの恋が、「秘めた恋」の由来というわけです。

一方で、アルテミスは自分が夫をもたない処女神となる誓いを立てたとき、従者たちにもそれを求めました。ただし、従者たちが愛する者と結ばれたときには、快く送り出したといいます。このためアルテミスは、「真実の友情」という花言葉の由来にもなっている、という説があるそうです。

マーガレットの英語名と、海外での花言葉

マーガレットの英語名は「Marguerite」もしくは「Paris daisy」。後者の名前は、マーガレットがかつて、フランスで園芸用に品種改良されたことに由来します。英語でのマーガレットの花言葉は「secret love(秘密の恋)」「faith(信頼)」などとされています。

フランス語ではマーガレットは「Marguerite(マルグリット)」で、花言葉は「 innocence (純粋さ・無邪気)」、「estime(尊敬)」、「 confiance (信頼 )」、「amour timide(内気な愛)」となります。ところが、フランス語のマーガレット(Marguerite)は本来、日本のフランスギクを指し、日本でいうマーガレットとは別の花なのです。日本のマーガレットはフランスでは、「木のマーガレット」と呼ばれます。このふたつの花は、見た目はそっくりなのですが、葉の形が違います。フランスギクは突起のあるヘラのような形の葉、マーガレットは羽根のように切れ込みのある葉をしています。もっとも、フランスではどちらもひっくるめて「マーガレット」と呼ぶ場合が多いようなので、区別はあまり厳密ではありません。

フランスギク

フランスギク

マーガレット

マーガレット

ドイツ語ではマーガレットは「Margarete(マルガレーテ)」、イタリア語では「Margherita(マルゲリータ)」となります。

欧米では、マーガレットは女性の名前としてもよく使われます。直接的にはキリスト教の聖人「アンティオキアの聖マルガリタ」に由来するものですが、愛らしくて清楚な花のイメージも好まれているようです。語源の「真珠」や清楚な気品のある花姿から、女王・皇后・王妃や、高貴な婦人の名にもよく使われます。

この名の女性のなかでは、19世紀イタリアの第2代国王、ウンベルト1世の王妃マルゲリータの逸話が有名です。彼女は慈悲深く、慈善事業や芸術の発展に尽くしたことから、国民に非常に敬愛されていました。このため、彼女の名前を冠したマーガレットはかつて、イタリアの国花とされていたそうです(現在はイタリアの国花は、特に指定されていません)。ベーシックなピザとして世界中で愛されている「ピッツァ マルゲリータ」もまた、彼女の名前が由来で、彼女の愛したピッツァのレシピなのです。

デンマークでは非公式ながら、マーガレットが国花とされています。これもまた現女王マルグレーテ2世の名前にちなむものです。

花言葉の世界はいかがでしたか? 花言葉にはさまざまな物語が隠れていますね。ただし、花言葉は明確な根拠があるものではないので、あまりこだわりすぎないことも大切です。花を買うときには、自分の好きな色、そのときにビビッと来た色の花を選ぶのが、いちばんよいのではないでしょうか。

マーガレットを主役にした、ギフトの紹介はこちらへ。⇒「マーガレットのフラワーギフト、選び方とおすすめ10選

マーガレットの扱い方、飾り方は「マーガレットのおしゃれな生け方・飾り方。 フラワーアレンジで長もちさせるコツ」、種類を知りたいときは「知りたい! マーガレットの種類や品種、それぞれの特徴と見分け方」をご覧ください。

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記事協力

構成と文・高梨奈々

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