バラは、本当にたくさんの種類があって、自分好みのバラは何を基準に探せばいいか困っていませんか? バラには、花の咲き方、花の大きさ、株姿などいろいろな分類法がありますが、主な花形のなかから「整形」タイプについて、バラの専門家、河合伸志さんに教えていただきます。

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世界各国で長い間改良を重ね、園芸植物としては類稀なる進化を遂げたバラは、実に様々な花形が存在します。しかし大別すると

①一重咲きと半八重咲きタイプ

②整形タイプ

③クラシック・タイプ

④その他のタイプ

の4つに大別でき、それぞれがまたいくつかの花形に分けることができます。バラの花形は、気温や成育常態によって変化することもあり、一般には健全な成育状態にある春の一番花の花形を基準に判定します。

整形タイプ

一般に「バラらしい」と広く認知されている花形です。花弁の枚数は20~50枚程度まで差が大きく、株に力があると花弁の枚数が増える傾向があります。1枚の花弁の形や花弁の幅は一重咲きと同様に様々で、浅く波を打ったような華やかな印象のものも存在します。花弁の縁が外側に反転しないものを丸弁といい、縁が反転して鋭く尖ったような形を剣弁、また両者の中間を半剣弁といいます。

また、花を横から見たときに三角形のように中心が高いものを高芯咲き、平らなものを平咲きといいます。通常はこれら2つを組み合わせて「剣弁高芯咲き」、「丸弁平咲き」などと表現します。

いずれの花も開いていく姿が美しい点は、次に紹介するクラシック・スタイルと大きく異なる特徴です。花弁数が少ない品種で満開になって露芯した状態になると、一般には見頃を過ぎた花とされます。

整形タイプの中でも剣弁高芯咲きはかつて最高の花形とされ、特にイギリスや日本で高く評価されていました。今では当時のような人気はありませんが、凛とした姿で花弁が1枚1枚開いていく様子は、ある意味「美の極み」と言え他の園芸植物では見ることのできない花型です。

代表的な整形タイプのバラ

‘アンナプルナ’
グレーの翳りを感じる純白の花で、強い香りがある。大輪の丸弁高芯咲きで、花付きがよい。 2000年にフランスで発表されたハイブリッド・ティ系の品種。冬季に枝が黒変するが、成育上問題がない。
‘ヴィオレ・パルヒュメ’
赤紫色の丸弁平咲きで、ブルー系の強い香りがある。花枝が良く伸び、ややシュラブに近い樹形になる。耐暑性が弱く、夏に下葉を落としやすい。1995年フランスで発表されたハイブリッド・ティ系の品種。
‘マミー・ブルー’
澄んだラヴェンダー色の典型的な剣弁高芯咲き。ブルー系の強い香りがある。花枝が長く、直立高性の株に成育する。1991年フランスで発表されたハイブリッド・ティ系の品種。

花形には、「整形」のほかに、「一重」や「八重」、「クラシック」「その他」があります。それぞれの魅力的な花形から、好きなバラを見つけて、ぜひ身近に育ててください。

Credit

写真&文責/河合伸志
千葉大学大学院園芸学研究科修了後、大手種苗会社の研究員などの経歴を経たのち、フリーとして活躍の場を広げる。現在は横浜イングリッシュガーデンを拠点に、育種や全国各地での講演や講座、バラ園のアドバイスやガーデンデザインを行う。著書に『美しく育てやすい バラ銘花図鑑』(日本文芸社)、『バラ講座 剪定と手入れの12か月(NHK趣味の園芸)』(NHK出版)監修など。

写真/3and garden

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