豪華で美しい花を咲かせるシャクナゲ。ツツジ科に属している常緑性の低木で、バラやクレマチスに次ぐほど人気の高い植物です。今回は、そんなシャクナゲの魅力と種類を紹介します。
世界を魅了した日本のシャクナゲ
欧米を旅して日本原産の植物たちに頻繁に出会うことは、これまでにもしばしば紹介して来ました。英国やオランダ、ドイツなど北ヨーロッパの4月は、シャクナゲが満開の時期を迎えます。
日本では、少し標高の高い地域や場所で見かけるので、ロンドンの街中で見かけると圧倒されます。宿根草や花木が本格的に花開くシーズンの前なので、より目立つのかもしれませんね。
非常に多くの園芸品種があることも、多くのガーデナーたちに親しまれている要因で、バラやクレマチスに次ぐほど人気の高い植物なのです。春のガーデンセンターを訪れると、シャクナゲ売り場がコーナーとして設けられており、この花を知らない人はいないでしょう。

シャクナゲはツツジ科に属している常緑性の低木です。もともとツツジ科は約30系統に分かれており、シャクナゲは、ロードデンドロンとよばれるひとつになります。世界にはロードデンドロンが原種だけで約1,000種以上あるともいわれ、園芸品種はその10倍以上あると考えると、とても壮大な植物ですね。
もともと高冷地に自生しているため、夏期には冷涼な気候を好むシャクナゲですが、耐暑性・耐寒性をもった強い品種が多く改良されてきました。シャクナゲの原産地はヒマラヤが多く、日本をはじめ、アジア、北アメリカ東部、ヨーロッパにまで達します。
シャクナゲはツツジやサツキと同じツツジ科ツツジ属の仲間ですが、常緑性で枝先に6個程度の花をつけるものをシャクナゲ、落葉性で枝先に3個程度の花をつけるものをツツジと呼び、一般に区別しています。日本の在来種には、エゾシャクナゲ、アズマシャクナゲ、ホンシャクナゲ、ホソバシャクナゲ、ツクシシャクナゲがあります。
さて、このシャクナゲですが、世界の分布をみると、もともと原種は非常に幅広く存在します。セイヨウシャクナゲと一般に私たちが呼んでいる種類の大半がアジア原産の種と、欧米原産の種との交配によってつくり出された園芸品種です。ヨーロッパのシャクナゲは、まずアルペンローゼ(Rhododendron ferrugineum)で、他にはアメリカ原産のカタウビエンセ(Rhododendron catawbiense Michaux)が有名な原種です。



新着記事
-
ガーデン&ショップ
バラ咲くシーズンも間近! 特別な時間を過ごせるバラ園「横浜イングリッシュガーデン」 ロ…PR
バラ咲く季節はもうすぐです! 希少なアンティークローズから最新品種まで2,200品種、2,800株のバラをコレクションする「横浜イングリッシュガーデン」では、バラの開花に先駆けて「ローズ・フェスティバル2025」(…
-
ガーデン&ショップ
都立公園を新たな花の魅力で彩る「第3回 東京パークガーデンアワード」都立砧公園【花盛りの4月】
新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテストとして注目されている「東京パークガーデンアワード」。第3回コンテストが、都立砧公園(東京都世田谷区)を舞台にスタートし、春の花が次々と咲き始めています。…
-
イベント・ニュース
【5月の連休は横浜へ!】日本最大級の園芸イベント「横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2025」に出かけ…
日本最大級として大盛況の園芸イベント「横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2025」が今年も5月3日(土)〜5日(月)の3日間、開催決定! 場所は、2027年国際園芸博覧会の開催を控える横浜市。多彩なコンテ…