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原種から園芸品種まで、葉のバリエーションに魅了されるベゴニアを楽しもう!

原種から園芸品種まで、葉のバリエーションに魅了されるベゴニアを楽しもう!

鉢花としてすっかりおなじみのベゴニア。最近は観葉植物として楽しめる育てやすい園芸品種や、多様な葉模様や株姿が楽しい原種など、さまざまな方面で人気が高まっています。そんなベゴニアについて、1,600種以上もコレクションしている佐賀県のベゴニア園「ポンポコ村ベゴニアガーデン」の近藤吉豊さんにお話を伺いました。

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まだまだ新種が見つかる、多様なベゴニア

ポンポコ村ベゴニアガーデン

近藤さんが佐賀県唐津市に「ポンポコ村ベゴニアガーデン」を開いたのは1997年のこと。それまで営んでいたミカンの観光農園をベゴニア園に切り替え、2001年には大型温室を建てて本格的なベゴニアのコレクションをスタート。現在は1,600種以上のベゴニアがあるそうです。

ベゴニアの仲間は世界中に自生しており、日本にも帰化植物のシュウカイドウ(Begonia grandis)という種類があります。

「日本の環境では冬の寒さが厳しく、多くは室内の栽培に向く傾向にあります。春から秋までは屋外でも楽しめる種類がありますが、中には非常に高い湿度を好むものがあり、容器栽培などで楽しまれています。熱帯雨林のような高温多湿の環境で育つものもあります。
ベゴニアの仲間はあまり強い光が無くても育つものが多いので、多湿な環境でなくてもよいものは、お部屋の中で観葉植物として育てることもできますよ」(近藤さん。以下同)

そうした育てやすい種類以外にも、次々に新しい種類が見つかるのも楽しいそう。

「ベゴニアは現在見つかっているだけで2000種以上あり、まだまだ新しい種類の発見が続いています。また種類が多いだけではなく、外観の変化に富んでいることもポイントです。これまでにも、多彩な外観のベゴニアを交配した新しい品種もたくさん発表されています。ベゴニアの面白さは、未知の新種に出合えるワクワク感ではないでしょうか」

そう語る近藤さんオススメのベゴニアを教えていただきました。

①水玉模様のベゴニア

ベゴニアは葉の柄のバリエーションが豊富。中でも人気なのが、ドット柄。葉に白いドットが入るタイプのベゴニアは、生活空間に置いて育てることができるものも多く、観葉植物として楽しめます。

「草丈が高くなるものから低いもの、葉の色が濃いものや薄いもの、赤みを帯びたものなど細かなバリエーションがたくさんあります」

水玉模様のベゴニア 水玉模様のベゴニア 水玉模様のベゴニア

「緑色の葉に白のドットが入るものが多いですが、赤いドットが入るベゴニア・アンフィオクスのようなものもあります」

アンフィオクスは原種のベゴニア。人工的な品種改良をされていない原種に、こんな目を引くものがあるところもベゴニアの楽しさ。ただし、アンフィオクスは比較的湿度が高い環境を好むので、②の熱帯雨林系のベゴニアのように、ガラスの器などに入れて育てるのに向きます。

水玉模様のベゴニア

②レックスベゴニア

レックスベゴニアはベゴニア・レックス(Begonia rex)という原種を交配に用いたベゴニアのグループ。

「レックスベゴニアは世界中で多くの品種がつくられており、丈夫で育てやすいものがたくさんあります。葉に大きな模様が入るベゴニア・レックスに、さまざまな種類を掛け合わせることで、特徴的な品種がつくられています。ベゴニアの葉は左右非対称な形をしているのが特徴ですが、レックスベゴニアは渦を巻くような変わった形をしたものなど、ほかの植物では類を見ないおもしろい造形が楽しめます」

レックスベゴニアは、比較的低い温度を好むものが多いそう。

「暖房のある室内であれば、冬でも育てることができます。湿度は好きなので、ガラスの器などに入れたテラリウム栽培にも向いていますよ」

レックス・ベゴニア
レックスベゴニアのもととなった原種、ベゴニア・レクス。
さまざまな模様のレックスベゴニア さまざまな模様のレックスベゴニア さまざまな模様のレックスベゴニア さまざまな模様のレックスベゴニア

③原種ベゴニア

現在ベゴニアの原種は、世界で2,000種ほど確認されていますが、まだまだ新しい種類が見つかるだろうといわれています。

「これだけ多くのベゴニアが発見されているにもかかわらず、目を引く美しさのある新しいベゴニアが新しく次々と見つかっています。国内にも、東南アジアに赴いて野生の植物を観察・採集している人たちがおり、見たこともない美しいベゴニアを持ち帰っています。次にどんなベゴニアが登場するのかも楽しみなところです」

原種は、育てやすい強健な種類から、デリケートで栽培が難しいものまでさまざま。

また、水槽の中に自然の風景を再現するテラリウムがありますが、最近はパルダリウムと呼ばれるものが人気になってきています。パルダリウムの定義はさまざまですが、多くの場合は湿地などの風景や、水辺の風景を再現したものを指します。こうした環境は湿度が高く熱帯雨林に自生するベゴニアにぴったりなので、パルダリウムで使われることもあります。

株姿も一般的な園芸品種のベゴニアのような株立ちのものだけでなく、つるのような茎を伸ばすほふく性の種類もあり、楽しみ方はいろいろ。

熱帯雨林原産の原種ベゴニアは、湿度が高い環境で管理する必要があることから、一般的な園芸店などでは管理が難しく、あまり販売されていません。熱帯魚店などで販売されているほか、植物即売イベントや、各地で開催されるベゴニア展などで入手することができます。また、インターネットの販売サイトやネットオークションで販売されることもあります。今回取材したポンポコ村でも販売されています。

「育てるのが難しいものもありますが、だからこそ、うまく育ったときは喜びもひとしお。ぜひ一度育ててみてください」

人気のベゴニア・ダースベイデリアナ
栽培難易度は高いが人気のベゴニア・ダースベイデリアナ(Begonia darthvaderiana)。
原種ベゴニア 原種ベゴニア 原種ベゴニア
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