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宿根草ショップの店長が教える! 2018年度の人気ガーデン植物5選

宿根草ショップの店長が教える! 2018年度の人気ガーデン植物5選

色とりどりの宿根草が咲く「おぎはら植物園」上田店の花壇。

これからガーデニングをスタートしようと思っている人や、ガーデニグライフをもっと充実させたい! と思っている人は必見のガーデン植物ランキング2018年版。4,000種を越す植物を扱う「おぎはら植物園」店長の荻原範雄さんに、2018年に特に人気が高かったガーデン植物を5種教えていただきます。

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ガーデニングファン必見! 人気の草花

宿根草の花壇
花って可愛い!と思わず駆け寄りたくなる多種の宿根草が咲く花壇。

長野県上田市で宿根草と山野草を扱っている「おぎはら植物園」では、越年して毎年花を咲かせる「長生きする植物」の宿根草を中心に、幅広くガーデン植物を取り扱っています。全国のガーデニングを趣味にする人たちをはじめ、観光ガーデンや公共の庭などからも珍しい植物や目当ての植物を求めて、注文が入るという「おぎはら植物園」で、2018年に人気が急上昇したガーデン植物を5種ピックアップ。人気の理由と育て方、特徴を解説していただきます。

セレクト1
可愛い花のフォルムが印象的!
クラスペディア・グロボーサ

クラスペディア・グロボーサ

別名はドラムスティックとも呼ばれ、切り花やドライフラワーで有名な花です。以前は苗も出回っていましたが、近年はとても少なく、お探しの方も多かったようです。

このクラスペディアは、一般的に一年草といわれていますが、じつは年を越す多年草。一工夫すれば何年も育てることができます。

高温多湿に気をつけて育てよう

庭に植えたクラスペディア・グロボーサ
ガーデンに織り交ぜて植えてみると、植栽にリズムが生まれて軽やかなイメージに。

基本的に寒さに強い花で、露地で越冬できますが、花後の夏に枯れてしまうことがあります。そのため、一年草扱いといわれるのですが、実際は暑さに弱いのではなく、暑い時の湿気=高温多湿が大の苦手。多湿に注意すれば、猛暑でも夏越しができるので、多年草として扱えます。高温多湿にしないように、水はけがよい場所を選んで植えたり、軽石などを混ぜて植え込むとよいでしょう。乾燥には強いので乾きやすい場所でも大丈夫。夏越しの工夫さえできれば栽培は意外と簡単です。

一年中常緑で、冬でも銀色の葉が楽しめますし、花はメインの初夏だけでなく、その後の夏、秋、冬近くまで咲くので、とても長く楽しめます。しかも、そのつど可愛らしい切り花が収穫できるのも魅力的。

最近はプロのガーデナーさんたちがよく使用しており、人気が出たようです。

【クラスペディア・グロボーサ 植物DATA】 
■ キク科 宿根草(耐寒性多年草)または耐寒性一年草
■ 草 丈 : 60~90cm前後
■ 耐寒性 : 強い(マイナス8℃前後まで)
■ 耐暑性 : 普通
■ 日 照 : 日向

セレクト2
パーフェクトなゲラニウム!
フウロソウ‘ロザンネ’

フウロソウ(ゲラニウム)‘ロザンネ’

フウロソウは、欧米では「ゲラニウム」としてポピュラーで、花壇の定番として親しまれています。日本でも野山にさまざまなフウロソウが自生しており、その可憐な姿が美しく、人気があります。しかしながら、暑さを苦手とするこの花は、夏越しに難があるうえ、開花期間が短いため、高温多湿の日本(特に暖地)では「高嶺の花」的な扱いでした。

ところが、2000年代に登場したこの‘ロザンネ’は暑さ、寒さ、どちらにも強く、花期も最長6カ月という、今までのフウロソウの常識を覆すほど優秀な改良品種。海外では発表と同時に瞬く間に人気となり、多くの賞を獲得しました。日本でも徐々に浸透し、人気が高まっています。

品種改良で育てやすくなった優良種

フウロソウ’ロザンネ’
広がりのある草姿に。伸びすぎたら短く切り戻すと、姿が整い、繰り返し咲く。

今までは高冷地での植栽が主だったフウロソウですが、この品種は暖地でも植栽が十分に可能です。もちろん、高冷地のほうが花期が長く、色が濃いという利点がありますが、猛暑地で、憧れのフウロソウを諦めていた人にもぜひお試しいただきたい優良種です。

2018年は特に人気があり、「植えてみたら丈夫でよく咲いた!」と、リピートが多かったお花です。
『ゲラニウムの豊富な種類と庭で育てる魅力』

【フウロソウ‘ロザンネ’ 植物DATA】
■ フウロソウ科 宿根草(耐寒性多年草)
■ 草 丈 : 30~40cm前後
■ 耐寒性 : 強い(マイナス30℃前後まで)
■ 耐暑性 : 普通
■ 日 照 : 日向~やや半日陰

セレクト3
マリモみたいな可愛いナデシコ!
テマリソウ

なでしこ、テマリソウ

美女ナデシコという昔ながらのナデシコがありますが、本種はその改良品種で、ガクが大きく、花が咲かないユニークな見た目が特徴。

植栽用や寄せ植え、ハンギングなどに使うとおしゃれな雰囲気があり、ハイセンスです。四季咲き性があり、春から秋遅くまで花を楽しむことができ、植えつけ2年目になると草丈も高くなるので、切り花にしてアレンジメントなどに使ってもよいです。

苗で入手できるようになり人気沸騰

もともと切り花用の特許品種で、苗として流通することはありませんでしたが、数年前から苗の販売がスタートし、年々人気が高まっています。

「とにかくカワイイ!」と、特に女性を中心に人気がありました。

ナデシコ、テマリソウ

【テマリソウ 植物DATA】 
■ ナデシコ科 宿根草(耐寒性多年草)
■ 草 丈 : 40~50cm前後
■ 耐寒性 : 強い(マイナス12℃前後まで)
■ 耐暑性 : 普通
■ 日 照 : 日向

セレクト4
爽やかな小花がずっと続く名脇役!
カラミンサ

白い小花のカラミンサ

カラミンサは20年以上扱っていますが、人気の落ちないベストセラーです。2018年の夏は猛暑だったこともあってか、この涼やかな花は、例年よりさらに人気がありました。

ちょうど暑くなってくる初夏頃に、白い小花が咲き始め、そのまま夏、秋と花が咲き続けます。クセのない爽やかな小花は、どんな花とも相性がよいので、名脇役として用途が広く、夏花壇にも大活躍。秋に気温が下がってくると花色が淡い紫色に変化し、それもまた美点です。カラミンサは、ミントの近縁なので、すっきりとしたよい香りもあります。

初心者にも育てやすい丈夫な性質

カラミンサ

暑さ、寒さに強く、土質もあまり選ばないので育てやすく、初心者の方にもオススメです。ほとんど手入れは必要ありませんが、真夏の花が減った頃に一度、株の低い位置でばっさりと切り戻して、穏やかに効く肥料を与えておくと株が衰えず、次の花も姿よく咲きます。

【カラミンサ 植物DATA】
■ シソ科 宿根草(耐寒性多年草)
■ 草 丈 : 40~50cm前後
■ 耐寒性 : 強い(マイナス20℃前後まで)
■ 耐暑性 : 強い
■ 日 照 : 日向

セレクト5
ふんわりとした花姿が魅力的なアジサイ!
ピンクアナベル

ふんわりとしたピンク色のピンクアナベル

アジサイの中でもこのアナベルの系統はふわっとした柔らかな花が特徴で、人気があります。アナベルの系統は、一般的なアジサイとは見た目だけでなく、性質も異なり、一般的なアジサイが旧枝咲き(前年の枝に花芽がついて越冬する)なのに対し、この系統は新枝咲き(春から伸びる新しい枝に花が咲く)のため、冬の間に積雪で枝が折れたり、寒さで花芽が傷む心配がありません。そのため、寒冷地や豪雪地などでも、毎年花がしっかりと咲くので、日本全国で庭植えができる丈夫な種類といえます。また、アジサイの中では比較的、乾燥した場所や痩せた土壌でも育ち、土質で色が変化してしまうこともありません。丈夫さ、扱いやすさにおいても優れたアジサイです。

白花のアナベルにピンク花が仲間入りして人気上昇

ピンクアナベル
白のアナベルよりも花は小さめながら、花数が多い。

このアナベルの系統は、白花が国内ですっかり定着してきましたが、近年導入されたピンクも年々人気が上がっており、各地のガーデンや一般のお宅でも立派な株を見かけることが多くなってきました。庭の植栽に取り入れてみてはいかがでしょうか?

【ピンクアナベル 植物DATA】 
■ アジサイ科(ユキノシタ科)耐寒性低木(落葉性)
■ 草 丈 : 0.8~1.2m前後
■ 耐寒性 : 強い(マイナス30℃前後まで)
■ 耐暑性 : 強い
■ 日 照 : 日向~半日陰

2018年人気の宿根草5選

2018年に人気だったガーデン植物セレクト5はいかがでしたか? まずは多くの人が育てている植物を植えることからガーデニングをスタートすることも一つの方法です。植物は、本当に種類が多くて、何を選んでいいか困ってしまうと聞きますが、何年もガーデニングを続けている人にとって、「まだ知らない植物に出合える」ことは喜びです。ぜひ、これから育ててみよう! と思えるお気に入りの植物との出合いがたくさんありますように。2019年もガーデニングを楽しみましょう!

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