30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了された遠藤昭さん。帰国後は、オーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、神奈川県の自宅の庭で100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストでも数々の受賞歴があり、60㎡の庭づくりの経験は25年になるという遠藤さんに、イギリスを旅して見つけたオージープランツの木生羊歯(モクセイシダ)を解説していただきます。
目次
日本であまり定着しない羊歯

日本でイングリッシュガーデンがブームになって久しい。おそらく20年近く経つのではないだろうか? この約20年間にイングリッシュローズをはじめ、コニファー類やクレマチス、そして、さまざまな宿根草や一年草が日本のイングリッシュガーデン愛好家に紹介され、園芸雑誌や種苗会社も普及に力を入れ、すっかり定着した。

この20年ほど購読している英国王立園芸協会の会報誌『The Garden』では、イギリスの庭の写真で頻繁に登場しているのに、日本ではあまり注目されず、人気も一向に上がらない植物があることに気がついた。それはシダだ。特に常緑で木立性の木生羊歯、ディクソニア。オーストラリア原産で、僕がメルボルンに駐在中に初めてディクソニアに遭遇してから、そのカッコいい植物を忘れられず、帰国後、日本でぜひ育てたいと、胞子をオーストラリアから輸入した。そして発芽に成功し、今では、横浜の狭い庭で巨大化して元気に育っている。
このディクソニアに関しては、『オージーガーデニングのすすめ「オーストラリアの木生羊歯」』のレポートに詳しく紹介している。
イギリスでディクソニアの人気を探る

さて、今年2018年6月に、コッツウォルズを中心に英国庭園巡りの旅に行ってきたが、関心事の一つは、イギリスにおける木生羊歯、ディクソニアの人気の実態だった。
まず訪問したのは、英国王立園芸協会運営のウィズリーガーデンだ。あった、あった! 立派なディクソニアが! イングリッシュガーデンに使われている感動のディクソニアだ。やはり、イギリスでは木生羊歯がポピュラーなのだ。

では、ロンドンの街中ではどうかというと、地下鉄キュー・ガーデンズ駅で降りて、英国王立植物園「キュー・ガーデン」に向かう住宅街の一角に発見。一般の家庭の庭でも育てられていた。高い塀の上から葉が覗いていて、かなりの高さだ。

そして、植物園なので栽培されているのは当たり前だが、キュー・ガーデンの温室のオーストラリアコーナー。

まあ、温室で育つ羊歯にはあまり驚きはなかったが、ちょっと嬉しかったのが、キュー・ガーデンの土産物売り場のショッピングバッグが、羊歯の葉のデザイン! 粋ですね!

さらに、コッツウォルズの北部にある名園「ヒドコート」では、池の前の一角にオージープランツを中心にトロピカルなコーナーがあり、鎮座していた。観葉植物的扱いかな。



そして、リーズ城ではお城の下の敷地にジャングルのように数本が群生していた。木生羊歯ではないが、日本のニシキシダの鉢も発見。ニシキシダは海外で人気だ。
羊歯人気は話題のガーデニングショップにも


最後に、イギリスでの羊歯人気に“太鼓判”を押してくれたのが、イギリスで最もおしゃれでロンドンセレブたちのご用達というガーデニングショップ「ピーターシャム・ナーサリー」。店内のいたるところに、ディクソニアの鉢植えがあったのだ! そしてFern(羊歯)のコーナーもあり、巨大なディクソニアが販売されていた。


僕は、このイギリス最高峰のガーデニングショップ「ピーターシャム・ナーサリー」で、記念に羊歯柄の鉢カバーを土産に買った。

日本ではまだ馴染みのない木生羊歯だが、やがてイギリスのように羊歯が都会のトレンドスポットでも人気の植物となる日は近い! と、イギリスの庭巡りで確信したのだった。
併せて読みたい
・オージーガーデニングのすすめ スタイリッシュな庭づくりに欠かせない「コルディリネ・オーストラリス」
・ オージーガーデニングのすすめ 「ドドナエア」
・オージーガーデニングのすすめ 個性的でカッコいい「グラスツリー」
Credit
写真&文 / 遠藤 昭 - 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー -

えんどう・あきら/30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)、『はじめてのオージープランツ図鑑』(青春出版)。
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