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ニチニチソウの上手な育て方とかわいい新品種

ニチニチソウの上手な育て方とかわいい新品種

Photo/girl-think-position/Shutterstock.com

夏の花壇ではとてもポピュラーな花、ニチニチソウ。あまりに定番の花なので、ちょっと面白味がないかも、なんて思っている人はいませんか? 高温や直射日光への耐性が強く育てやすいニチニチソウは、バリエーションも広く、ガーデニング初心者にはもちろん、ガーデナーさんにもオススメの花です。今回は、そんなニチニチソウの魅力をお伝えします。

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夏の花壇で大活躍するニチニチソウ

Photo/OPgrapher/Shutterstock.com

ニチニチソウはキョウチクトウ科の植物。初夏から秋にかけて、5つに裂けた花びらを持つ可愛らしい花を咲かせます。寒さに弱いため、日本では一年草として扱われますが、本来は毎年花を咲かせる多年草です。ビンカと呼ばれることもありますが、この名は、実は別種のツルニチニチソウの学名。ニチニチソウとよく似た形の花を咲かせるこちらも暑さに強く、ガーデンのグラウンドカバーや構造物に絡めるつる植物として活躍します。

日本でもよく見かけるツルニチニチソウは別種ですが、ニチニチソウにそっくりな花を咲かせます。Photo/agatchen/Shutterstock.com

ニチニチソウの育て方

ニチニチソウ
Acuzio210/Shutterstock.com

ニチニチソウ(日々草)は、マダガスカルを中心とする熱帯や亜熱帯を原産として高い気温や日照を好み、真夏のガーデンでも陽光をはね返して元気に咲き続ける頼もしい存在です。排気ガスなどにも強いので、道路沿いの花壇などに植えられている様子もよく見かけます。一方で過湿や蒸れには弱いので、栽培する際は、よく日の当たる場所に植え、土が乾いてから水をしっかりやるように気をつけましょう。

種子から育てる場合は、根っこが伸びやすい種まき用の黒ビニールポットに播きます(浅鉢は不向き)。発芽適温は20〜25℃なので、5〜6月が適期。タネに光が当たると発芽が悪くなるので、しっかり土を被せてから水やりをします。

苗から育てる場合は、春以降園芸店などで入手し、庭があれば地植えに、玄関先などで育てるなら鉢に植え付けて、日当たりがよく風通しのある場所に置きます。鉢植えの場合、泥はねが病気の原因になるので、高さのあるコンテナに植えたり、花台などに置くのも方法です。また、前年にニチニチソウを植えたことがある花壇に、そのまま同じようにニチニチソウを植えると、連作障害で立ち枯れ病が発生することもあります。植え付ける場所の土を新しくしたり、連作障害を改善する土壌改良剤を混ぜるなどの必要があります。また、植え付けの際には、元肥として肥料を施すか、肥料入りの培養土を使うと手軽に栽培を始められます。

ニチニチソウ
PurMoon/Shutterstock.com

発芽した苗やポット苗から地面や鉢に植え替えたら、次第と茎が伸びながら成長し、10月ごろまで花が次々と咲きます。開花が始まったら、2週間に1度程度、液体肥料を施すか、2カ月に1度程度の頻度で、緩行性化成肥料を施すと花が休みません。株の姿を整えるために、梅雨入り前に先端の芽を摘む「摘芯(てきしん)」を行うと、茎の本数が増えてボリュームが出ます。また、株が間延びしてきたら、伸びすぎた長い茎を適当な長さで剪定する「切り戻し」をすると、また新たな芽が伸びます。

咲き終わった花は自然に落ちるので手がかからないのもニチニチソウの魅力です。ですが、そのまま放置せずに取り去って株をきれいに保つようにしましょう。また、花がらをそのままにしておくと先端にサヤができて中に種子をつくります。種子が熟すために株に栄養が取られて花が休んでしまうので、種子を採取しない時期は、見つけたら摘み取るとよいでしょう。

ニチニチソウの草姿は3タイプ

コンパクトに生育する矮性種。Photo/Natalka De/Shutterstock.com
直立して背が高く伸びる高性種。Photo/vicky08/Shutterstock.com
低く広がる這い性種。Photo/Akkalak/Shutterstock.com

ニチニチソウには、矮性、高性、這い性の3タイプがあり、這い性のものはハンギングバスケット、矮性のものは寄せ植えの手前に植えるなど、目的に合わせて種類を選ぶと、ガーデンの演出の幅をより広げることができます。草姿だけでなく、花色や花姿もバリエーション豊富。白や青紫、ピンク、赤など、多くの花色があります。また、近年では品種改良も進み、小花や中輪、絞り咲き、風車咲きやフリンジ咲きなど、さまざまな花形を持つニチニチソウが登場しています。濃くつややかな葉も美しく、花の咲かない季節にも目を引きます。

バラエティー豊かなニチニチソウの花

オーソドックスな花形のイメージが強いニチニチソウですが、近年はユニークで可愛らしい花を咲かせる交配品種や新品種がたくさん登場しています。ここでは、新登場のニチニチソウの中から注目のおすすめ品種をピックアップしてご紹介。上の写真は、右上から時計回りに、「フリンジビンカ」‘フェアリーチーク’、「ミニナツ」‘ピーチオレ’、‘藍染め絞り’、‘しらゆきひめ’。今までのニチニチソウのイメージを覆すような花姿ですね。

ふんわりした小さめの花姿が愛らしい「フリンジビンカ」の ‘フェアリーチーク’。
はじけるような小花が新鮮な印象の極小輪品種「ミニナツ」シリーズ‘ピーチオレ’。
シックな花色に絞りが入る‘藍染め絞り’は、まるで絣の浴衣のよう。花壇や寄せ植えのアクセントに。
風車のようなすっきりした細い花弁の‘しらゆきひめ’。グリーンがかった色味も合わさって涼しげな印象。

ここに紹介した品種のほかにも、個性豊かなニチニチソウの品種はたくさんあります。最近ニチニチソウを育てていなかった、という人には、ぜひ最新品種をチェックしてみてください。

ニチニチソウで寄せ植えをつくろう

Photo/ Treetree2016/Shutterstock.com

這い性のニチニチソウは、枝垂れ咲く性質を生かして写真のように単体でハンギングなどにもよく利用され、明るくカラフルな花色に元気をもらえます。一方で、コンパクトに生育する矮性種は、寄せ植えにしてもほかの植物と合わせやすく、コンテナガーデンでも使いやすい素材です。強健で育てやすく、日本の厳しい夏でも花が咲き継ぐニチニチソウは、夏の花壇や寄せ植えにぴったり。

上写真は、手前の列にアイビー、奥にシロタエギクを並べ、中央の列に白とピンクを交互に配したニチニチソウの寄せ植え。使われているのはどれも、オーソドックスで手に入れやすく、手入れも簡単な植物たちですが、各々の高低差を生かして、立体感のある可愛らしい寄せ植えに仕上がっています。明るい葉色や斑入りのアイビーを入れたことで、軽やかな印象もプラス。丈夫で育てやすく、長く楽しめる植物なので、どんな寄せ植えをつくろうか悩んでいる方など、気軽に試してみてはいかがでしょうか?

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Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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