はっきりしたカラーが夏らしい熱帯性花木、ブーゲンビリア

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数ある植物の中から今、注目の植物をピックアップするシリーズ「Now blooming」。ガーデナーや育種家、ナーセリーなど、植物の達人たちへの取材をもとに編集部がセレクトした植えどき・買い時・咲き時のオススメ植物をご紹介します。今回は、夏にぴったりの色鮮やかな花を咲かせ、異国情緒あふれるブーゲンビリアをピックアップ。
目次
陽射しを浴びて輝く夏イメージの花

ブーゲンビリア(ブーゲンビレア)はオシロイバナ科のつる性熱帯花木。南国らしい大胆で鮮やかな色合いの魅力的な花です。中南米を原産としますが、丈夫で育てやすく、赤やピンク、白、紫、黄色などの花を長期間咲かせることから、世界各地で親しまれています。ギリシャの家々を背景に咲き誇るブーゲンビリアの写真を見たことがある人も多いのではないでしょうか。ちなみに、名前からして異国情緒を感じさせるブーゲンビリアという名は、発見者であるフランス人探検家・ブーガンヴィルに由来します。


花、といいましたが、ブーゲンビリアの色鮮やかな部分は実は苞(ほう)で、中心部にある白色の小さな部分が花、筒状の部分がガクになっています。通常は苞の中心に3つの花が集まっています。また、ブーゲンビリアにはトゲがありますが、このトゲは花になれなかった部分の名残。花の咲かない時期に伸びた枝の部分に、花を咲かせようとした痕跡が残っているものです。

自分らしく仕立てて育てる

つる性の花木であるブーゲンビリアは、仕立て方次第でさまざまな風景をつくることができます。壁に這わせたり、塀から垂らせばダイナミックで華やかな雰囲気に。鉢栽培ならばコンパクトに楽しむこともできます。栽培環境や好みに合わせて仕立てられるのも、つる植物の大きな魅力です。






このほか、先端の枝を残して脇の枝を落とし、支柱でまっすぐに支えれば、トピアリーでおなじみのスタンダード仕立てに、枝垂れ咲くようにすればハンギングにもできます。
ブーゲンビリアの育て方

ブーゲンビリアは日光を好むので、水はけがよく、日当たりのよい場所で育てましょう。鉢植えでも育てやすい樹木です。庭植えにした場合、大きくなりやすく、また、植えてから数年は開花よりも成長を優先させるため、花が咲きにくい傾向がありますが、その分大きくなってからは見事な花つきが楽しめます。蒸れると葉が落ちやすいので、風通しのよい場所で育てます。つる性植物なので、構造物などに絡ませるか、刈り込んでコンパクトに仕立てましょう。
植え付けの適期は4~6月頃。根をいじらないよう、根鉢を崩さずに植え付けます。成長期には、土が乾いてから水をたっぷりと与え、肥料は控えめに施します。水や肥料が多いと、葉や枝は勢いよく育ちますが、花は咲きにくくなります。また、光が当たらないと花つきが悪くなるので、できるだけ中心部にまでしっかりと日光が届くように仕立てます。つるの先端に花芽がつくので、花がらを摘む際などは、つるを切らないように注意しましょう。花が咲き終わった枝は軽く切り詰めて、新しい芽の発生を促します。
剪定は、生育が止まりだした晩秋から冬にかけて行います。あまり強い剪定を行うと、春に伸びるだけの強い芽(シュート芽)が出てしまい、花が咲きにくくなるので気をつけましょう。シュート芽は早めに付け根から切り取ります。
耐寒温度は5℃程度とやや寒さに弱く、特に霜や凍結は大きなダメージとなるため、冬は屋内に取り込んだほうが無難です。地植えの場合は、マルチングをして凍結を防ぐとよいでしょう。ただし、冬の間に日照不足になると、翌年の夏に花が咲きにくくなるので、冬もしっかり日に当てましょう。水やりを控え、乾燥気味に育てます。植え替えは2年に一度程度、根鉢をあまり崩さないようにして一回り大きな鉢に植え替えます。根詰まりを起こしている場合など、根鉢を崩してから植え付けた場合は、新しい根が動き始めるまで半日陰で管理したほうがよいでしょう。植え替えは、最低温度が20℃以上ある6~8月頃に行います。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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