アオキは鮮やかな緑の葉と赤い実のコントラストが魅力! 特徴や育て方を詳しく解説
Kazol Anthony Das/Shutterstock.com
葉色の美しいアオキは日本に自生してきた植物で、手がかからず放任できるため、ビギナーでも育てやすい庭木の1つ。ほかの樹木が育ちにくい日陰の彩りとしても人気があります。この記事では、アオキの基本情報、花言葉、品種、育て方などについて詳しくご紹介していきます。
目次
アオキの基本情報

植物名:アオキ
学名:Aucuba japonica
英名:Japanese aucuba、Japanese laurel、spotted laurel、gold dust plant
和名:アオキ(青木)
その他の名前:アオキバ、ヤマタケ、ヒロハノアオキ
科名:アオキ科(ガリア科)
属名:アオキ属
原産地:日本
分類:常緑性低木
アオキの学名はAucuba japonica(アウクバ・ジャポニカ)。アオキ科(ガリア科)アオキ属の低木です。自然樹高は2〜3mですが、毎年の剪定によってコンパクトな樹形を維持することもできます。冬もみずみずしい葉を保つ常緑樹で、寒さにも耐えるので北国などで重宝されてきました。冬に赤い実をつけるので、寂しくなりがちな庭に彩りをもたらすことも、古くから好まれてきた理由です。
アオキは日陰に強い代表的な陰樹で、半日陰の場所を好むため、日当たりの悪い庭などで活躍します。葉に白や黄色の斑が入るものや、美しい黄緑色のものなど品種も多様で、日陰を彩るカラーリーフプランツとして人気です。

アオキの花や葉の特徴

園芸分類:庭木
開花時期:3〜5月
樹高:2〜3m
耐寒性:強い
耐暑性:強い
花色:紫褐色、赤褐色
アオキの最大の魅力は、冬も瑞々しい姿を保つ常緑の葉。厚く青々として艶がある葉の先のほうは、縁が波打つような鋸歯となっています。乾くと黒くなるのが特徴です。白や黄色の斑が入るものも多くあります。また、幹も緑色で光合成をします。
雌雄異株で雄木と雌木があり、冬に赤い実をつけて目立つのは雌木のみ。初夏に円錐状の花序をつけますが、雄花・雌花ともに花は目立たず、主に艶やかな葉と赤い実を観賞します。
実をつけるには雄木と雌木が必要

前述のとおりアオキは雌雄異株で、雄木と雌木があります。実をつけるには、両方を植栽して受粉させる必要がありますが、昆虫が花粉を媒介するので、雌雄それぞれの木は隣同士に植栽する必要はなく、ある程度距離があってもかまいません。
アオキは江戸時代にヨーロッパに渡ったものの、なかなか結実には至らなかったようですが、研究が進んで今ではヨーロッパでもアオキのカラーリーフと赤い実を楽しめるようになっています。
アオキの名前の由来と花言葉

学名Aucuba japonica(アウクバ・ジャポニカ)の「ジャポニカ」は、原産地が日本であることからつけられたもの。また、「アウクバ」もアオキの別名であるアオキバに由来します。和名のアオキという名前は、一年を通して常緑で、葉だけでなく枝も常に緑色(青い)を保つことに由来するとされています。
アオキの花言葉は「若く美しく」「初志貫徹」「変わらぬ愛」「永遠の愛」など。冬も美しい葉姿を保つことが由来となっているようです。
主なアオキの品種

古くから愛好されてきたアオキは、さまざまな品種があります。ここでは、主な品種についてご紹介します。
本種のアオキ

人の手によって品種改良されていない本種のアオキの葉は、グリーン1色です。冬に赤い実をつけます。
ゴールドストライク
グリーンの葉全体に黄色い斑が入る品種です。斑の割合のほうが多いように見え、大変明るい印象をもたらしてくれます。
ピクツラタ

グリーンの葉の中央あたりに黄色い斑が入る品種です。また霧吹きで吹いたような細かい斑も入り、カラーリーフプランツとして重宝します。
サルフレア・マルギナタ
グリーンの葉を縁取るように、黄色い斑が入る品種です。半日陰の場所に明るい雰囲気をもたらしてくれます。
アオキの栽培12カ月カレンダー
開花時期:3〜5月
植え付け・植え替え:2月下旬〜4月上旬、10月〜12月上旬
肥料:3月頃
種まき:3月〜6月中旬
剪定:3月下旬〜4月上旬
アオキの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】半日陰を好み、日当たりの悪い庭で活躍します。日なたでも育ちますが、真夏などに強い直射日光を浴びると葉焼けして、観賞価値が低くなります。ただし、あまりに日当たりが悪い場所では枝葉がヒョロヒョロと間のびした樹形になったり、実つきが悪くなることがあります。
【日当たり/屋内】一年を通して屋外での栽培が基本です。
【置き場所】土壌はやや湿り気があって、腐植質に富んだふかふかとした状態を好みます。暑さには強いのですが、西日が照りつけたり乾燥しやすい場所は避けましょう。地植えの場合、朝のみ光が差す東側や、チラチラと木漏れ日が差す落葉樹の足元などがおすすめです。鉢植えの場合は、光が強くなる真夏は明るい半日陰に、冬は日当たりがよく寒風が強く吹きつけない場所に置くなど、季節によって適した場所に移動して管理するとよいでしょう。
耐寒性・耐暑性
暑さにも寒さにも強く、屋外で越冬できます。
アオキの育て方のポイント
用土

【地植え】
まず一年を通して半日陰で、風通しのよい場所を選びましょう。植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。
【鉢植え】
市販の樹木用の培養土を利用すると手軽です。自身でブレンドする場合は、赤玉土小粒7、腐葉土3の割合にするとよいでしょう。
水やり

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。
真夏は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。
また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。
【地植え】
根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。
【鉢植え】
日頃の水やりを忘れずに管理します。アオキは乾燥に弱いので、水切れに注意してください。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬もカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。
肥料

【地植え・鉢植えともに】
生育期に入る少し前の3月頃、生育を促すために緩効性化成肥料を株の周囲にまき、軽く耕して土に馴染ませましょう。あまり肥料を多く与えると枝葉が茂りすぎて樹形が乱れやすくなるので、与えすぎには注意してください。
注意する病害虫

【病気】
アオキに発生しやるい病気は、褐斑病、炭疽病などです。
褐斑病は、カビによる伝染性の病気で、主に葉に褐色またはくすんだ茶色の斑点が現れ、下葉から枯れ上がっていきます。雨が多い時期に発生しやすいのが特徴です。発症した葉を見つけたら、早々に切り取って処分し、周囲に蔓延するのを防ぎましょう。適用のある薬剤を葉の表と裏に散布して、防除します。
炭疽病は、春や秋の長雨の頃に発生しやすくなります。カビが原因の伝染性の病気で、葉に褐色で円形の斑点ができるのが特徴です。その後、葉に穴があき始め、やがて枯れ込んでいくので、早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していくので注意しましょう。密になると発病しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理してください。水やり時に株全体に水をかけると、泥の跳ね返りをきっかけに発症しやすくなるので、株元の表土を狙って与えるようにしましょう。
【害虫】
アオキに発生しやすい害虫は、カイガラムシやアブラムシなどです。
カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。
アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。
アオキの詳しい育て方
苗の選び方
アオキは個体差が大きいので、品種の特徴がはっきり出ているものを選ぶとよいでしょう。斑入りの品種の場合は、斑点がきれいに入っているものを選びます。また、雌雄異株なので、赤い実を楽しみたい方は、忘れずに雌株を手に入れるようにしましょう。
植え付け・植え替え

アオキの植え付け・植え替えの適期は、2月下旬〜4月上旬、10月〜12月上旬です。
ただしほかの時期にも苗木は出回っているので、花苗店などで入手したら真夏と真冬を除いて早めに植え付けるとよいでしょう。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢を軽くくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。
地植えで育てる場合は、環境に合えば植え替える必要はありません。
【鉢植え】
鉢で栽培する場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木を鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。
鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、前よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。
剪定・切り戻し

アオキの剪定適期は、3月下旬〜4月上旬です。花や実を楽しみたい場合は、夏頃に翌年に花を咲かせるための花芽が作られるので、剪定のタイミングを逃さないようにしましょう。
アオキは自然に樹形が整うので、若木のうちはあまり刈り込んだり強く切り戻したりする必要はありません。木が大きくなって枝葉が込み合っている部分があれば、不要な枝を付け根で切り取って風通しをよくします。不要な枝とは、古くなった枝、勢いよく伸びすぎている枝、ほかの枝に絡んでいる枝、内側に向かって伸びる枝、下に向かって伸びる枝などです。
増やし方

アオキは挿し木と種まきで増やすことができます。それぞれの方法についてご紹介します。
【挿し木】
挿し木とは、枝を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、アオキは挿し木で増やすことができます。
アオキの挿し木の適期は、6月〜7月中旬です。その年に伸びた新しい枝を10〜15cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。その後は日当たりのよい場所に移して育苗し、大きく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。
【種まき】
アオキの実は3月〜6月中旬に完熟するので、そのタイミングで果実から種子を採取して種を播きます。取り出した種子は、流水でよく洗っておきましょう。黒ポットに新しい培養土を入れて十分に湿らせ、種子を数粒播きます。軽く土をかぶせ、明るい日陰で管理。発芽した後は日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が2〜3枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えます。苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。
手軽に栽培できるアオキを育ててみよう

半日陰を好むアオキは、シェードガーデンを彩るカラーリーフプランツとして、人気の高い庭木です。斑の入り方が品種によってさまざまなので、選ぶ楽しみもあります。一年を通してみずみずしい葉姿を楽しめるアオキを、庭に取り入れてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
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