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ミリオンバンブーは竹に似た観葉植物! 特徴や育て方のポイントを詳しく解説

New Africa/Shutterstock.com
ミリオンバンブーは、リビングなど室内の窓辺をみずみずしく彩るインテリアグリーンとして、大変人気があります。スタイリッシュなフォルムに魅力を感じ、育ててみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。ここでは、ミリオンバンブーの基本情報や特徴、名前の由来や花言葉、品種、育て方など、幅広くご紹介します。
目次
ミリオンバンブーの基本情報

植物名:ミリオンバンブー
学名:Dracaena sanderiana
英名:lucky bamboo
和名:ギンヨウセンネンボク(銀葉千年木)
その他の名前:サンデリアーナ、ラッキーバンブー、万年竹、富貴竹
科名:キジカクシ科
属名:ドラセナ属
原産地:アフリカ西部
分類:常緑性低木
ミリオンバンブーの学名は、Dracaena sanderiana(ドラセナ・サンデリアーナ)。別名にラッキーバンブー、ギンヨウセンネンボク、マンネンタケなどがあります。幹に節がある姿や細長い葉の形が竹に似ていることから、名前に「タケ」や「バンブー」と入っていますが、竹の仲間ではなく、キジカクシ科ドラセナ属の常緑性低木です。観葉植物のドラセナの仲間で、切り取った枝を水に挿しておけば、切り口から根を出して増えるほど生命力が旺盛なことや、「ミリオン」が富をイメージさせることから、縁起のよい植物として知られています。
原産地はアフリカ西部で、暑さに強い一方、寒さには大変弱いので、暖かい場所で冬越しさせることが必要。主に観葉植物として、室内で栽培するのが一般的です。樹高は60〜200cmですが、剪定によって高くなりすぎない範囲にコントロールすることができます。
ミリオンバンブーの花や幹の特徴

園芸分類:観葉植物
開花時期:4~6月
樹高:60〜200cm
耐寒性:弱い
耐暑性:強い
花色:白
ミリオンバンブーは枝がグリーンで節が入っており、葉は竹に似ています。観葉植物として育てる分にはめったに花が咲くことはありませんが、まれに初夏に開花することがあるようです。花色は白で、小さな花が節ごとに密集して咲きます。
名前の由来や花言葉

ミリオンバンブーの「バンブー」は、竹という意味。葉姿が竹に似ていることから名付けられたようです。学名のDracaena(ドラセナ)は、雌の龍という意味の「ドラカイナ」から来ています。これは、ドラセナ属のリュウケツジュから、その名のとおり赤い樹脂が採れることに由来します。また、種小名のsanderianaは、ドイツ系イギリス人のラン研究家であるHenry Frederick Conrad Sanderにちなんで名づけられました。
花言葉は「開運」「幸運」「長寿」。昔から縁起のよい植物とされてきた竹のイメージに由来するようです。
ミリオンバンブーと同じ属に分類される仲間
ミリオンバンブーが属するドラセナ属の仲間には、ほかにも観葉植物として親しまれているものがあります。ここでは、その中から日本でもよく流通している代表的な品種をいくつかご紹介します。
ドラセナ・フレグランス

ドラセナ・フレグランスは、太くまっすぐ伸びた幹が特徴で、枝先に集まる葉がトロピカルな印象。高い空気清浄能力があるとされ、成長も緩やかで管理しやすい観葉植物です。特に園芸品種のマッサンゲアナは、「幸福の木」という別名を持ち、贈り物としても人気があります。
ドラセナ・コンシンネ

直立に伸びた幹と細長くシャープな葉が特徴のドラセナ・コンシンネ。「真実の木」という別名でも流通しています。葉の縁には赤い覆輪が入り、スタイリッシュなカラーリーフとしても楽しめます。
ドラセナ・リフレクサ

ドラセナ・リフレクサは、ドラセナ・フレグランスなどに比べて柔らかく曲がりながら育つ幹と、明るい葉色が特徴です。有名な園芸品種に、緑の葉に黄色の覆輪が入る‘ソングオブインディア’や、反対に葉の中央に黄色の斑が入る‘ソングオブジャマイカ’などがあります。
ミリオンバンブーの栽培12カ月カレンダー
開花時期:4~6月
植え付け・植え替え:4〜5月、9月
肥料:4〜6月、9月下旬〜10月
ミリオンバンブーの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】ミリオンバンブーは半日陰の場所を好みます。真夏は直射日光に晒されると葉焼けしやすいので、朝のみ日が差す東側や、チラチラと木漏れ日が差す落葉樹の株元などがおすすめです。寒さに弱いので、気温が下がってきたら必ず室内に取り込みましょう。
【日当たり/屋内】葉焼けを防ぐため、室内に置く場合でもレースのカーテン越しのやわらかな光を当てるようにしましょう。ただし、窓のすぐそばに置くと夜に冷気の影響を受けやすいので注意しましょう。
【置き場所】暑さに強い反面寒さに弱いため、半日陰で風通しのよい場所で管理します。地植えにした場合は、冬は掘り上げて室内に取り込みましょう。窓のすぐそばは、夜間に冷気の影響を受けやすいので、少し離しておきます。
耐寒性・耐暑性
暑さに強く、生育適温は18〜30℃ほどです。一方で冬の寒さには大変弱く、耐寒温度は10℃程度なので、寒くなる前に室内に取り込み、日当たりのよい窓辺などで冬越しさせます。
ミリオンバンブーの育て方のポイント
用土

【地植え】
植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材と緩効性化成肥料を投入し、よく耕してふかふかの土を作っておくとよいでしょう。事前に土づくりをしておくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。
【鉢植え】
観葉植物の栽培用に配合された、園芸用培養土を利用すると便利です。
水やり

株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真夏は気温の高い昼間に行うと、水がすぐにぬるま湯になり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。冬は十分気温が上がった日中に与えてください。夕方に行うと凍結の原因になることがあり、株が弱るので避けましょう。
ミリオンバンブーは水を欲しがるので、水切れには注意します。ただし与えすぎないようバランスのよい水の管理を心がけましょう。
【地植え】
下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続いて乾燥するようなら、水やりをして補います。
【鉢植え】
日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が白く乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えます。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。
肥料
【地植え】
●元肥
植え付け前の土づくりの際に、緩効性化成肥料を少量混ぜておきます。
●追肥
地植えの場合はほとんど不要です。ただし、株に勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見ましょう。
【鉢植え】
●元肥
植え付けの際に、緩効性化成肥料を少量混ぜておきます。
●追肥
鉢栽培では土の量が限られており、水やりとともに肥料成分が少しずつ流れ出すので、定期的な追肥が必要です。ミリオンバンブーの追肥の適期は4〜6月、9月下旬〜10月です。この期間に、月に2回を目安に液体肥料を施しましょう。
注意する病害虫

【病気】
ミリオンバンブーに発生しやすい病気は、根腐れ病です。
カビが原因で根に発生しやすいため、地上部の病気よりも発見が遅れやすいので注意が必要。日中に地上部がしおれるようになり、株に勢いがなくなっているようなら、根腐れ病を疑います。感染すると根が茶褐色〜黒に変色して、地上部に水分や養分を送るのが難しくなって、やがて地上部の茎葉も黄色く変色して枯れてしまいます。株を引き抜いてみると、ほとんど根がついていないこともあるほどです。水はけのよい土づくりが大切で、また株が茂りすぎているようなら適宜間引いて風通しよく管理しましょう。適応する殺菌剤を利用するのも一案です。
【害虫】
ミリオンバンブーに発生しやすい害虫は、ハダニ、カイガラムシです。
ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。
カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。
ミリオンバンブーの詳しい育て方
苗の選び方
苗を購入する際は、傷がなく、幹がしっかりしていて、株全体の色艶がよいものを選ぶとよいでしょう。
植え付け・植え替え

植え付け・植え替えの適期は、4〜5月か、9月頃です。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、苗よりも1回り大きな穴を掘って植え付けます。最後に、たっぷりと水やりします。
【鉢植え】
鉢の大きさは、入手した苗よりも1〜2回りほど大きいものを準備しましょう。
用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れます。ミリオンバンブーの苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、軽く根鉢をくずして植え付けましょう。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下までを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。
鉢栽培の場合、植え付けてから時間が経つと、成長とともに根が詰まって生育が悪くなってしまうので、1〜2年に1度を目安に植え替えましょう。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。
植え替えの際は、前よりも大きな鉢を用意して株を大きくしてもよいですし、同じ鉢を用いてサイズ感をキープしてもかまいません。鉢から株を出したら、古い根を切り取って整理し、根鉢を徐々にくずしてやや小さくしてから植え直します。
日常のお手入れ
【切り戻し】
ミリオンバンブーの剪定適期は、4〜5月です。弱っている枝や、絡み合って邪魔になっている枝などがあれば、基部までさかのぼって切り取ります。切り取ったすぐ下の節から新芽が出てくるので、どの位置で切ってもかまいません。切り取った元気な枝は、挿し穂として利用できます。
増やし方

ミリオンバンブーは、挿し木・水挿し、株分けで増やすことができます。
【挿し木・水挿し】
挿し木とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、ミリオンバンブーは容易に挿し木で増やせます。
挿し木・水挿しの適期は、4〜5月か9月頃です。新しく伸びた枝を3節くらいつけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器にしばらく入れて、水揚げしておきましょう。黒ポットに新しい培養土を入れ、十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。株として十分に育ったら、植えたい場所へ定植しましょう。
水挿しは、挿し木と同様に挿し穂を採取した後、水を張った容器に入れておき、発根させる方法です。水は毎日替えて、腐敗するのを防ぎましょう。十分に発根したら、黒ポットに植えて育苗し、根鉢が十分に育った頃に植えたい場所に定植します。
挿し木や水挿しのメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。
【株分け】
株分けの適期は、4〜5月か9月頃です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて分かれている部分で切り分け、再び植え直します。それらの株が再び大きく成長し、同じ株が増えていきます。
ミリオンバンブーはハイドロカルチャー栽培も可能

ミリオンバンブーは、ハイドロボールなどを使っての水耕栽培も可能です。ここでは、揃えておきたいものや、栽培方法などについてご紹介します。
用意するもの
まず、苗木と、水栽培する容器(透明なほうが水の管理がしやすい)、ハイドロボール、根腐れ防止剤を準備します。そのほか、土入れや清潔なハサミ、割り箸(細い棒なら何でもよい)、水を入れたバケツも用意してください。ミリオンバンブーは株が大きく成長するので、大きめで深さのある容器を選ぶようにしましょう。
手順
苗木をポットから出して根鉢の土を落とし、水を入れたバケツの中で根を洗います。古い根や邪魔な根があれば切り落としてもかまいません。
容器の底に根腐れ防止剤を入れ、ハイドロボールを少し入れて苗木を仮置きします。苗木が容器とちょうどよいバランスになるように、高さを調整しながらハイドロボールを入れていきましょう。容器の隅々まで行き渡るように、割り箸でつつきながら詰めていきます。最後に、容器の6分の1くらいを目安に、ハイドロボールに水を注ぎます。
育て方のポイント
ハイドロボールに植え付けたあとは、半日陰の場所に置いて管理します。表面が乾いたら適宜水やりをしますが、水は入れすぎないようにするのがポイントです。肥料はハイドロカルチャー専用のものを使い、5月から9月にかけて1〜2週間に1度を目安に与えましょう。
ハイドロカルチャーで育てるメリット
ハイドロカルチャーで栽培するメリットは、土を使わないため清潔で、インテリアに気兼ねなく栽培できることです。また、害虫が発生しづらいのも利点。ただし、あまり大きくは育たないので、大きくしたい場合は従来どおりに培養土を利用した栽培がおすすめです。
ミリオンバンブーが枯れる原因

枯れる原因は、①日光不足 ②低温 ③根詰まり ④根腐れが考えられます。
①日光不足/半日陰の環境を好むとはいえ、あまりに暗いと枯れてしまいます。日差しが入る窓際に置き、レースのカーテン越しの光を当てるようにしましょう。
②低温/寒さに大変弱いので、寒くなる前に室内に取り込み、暖かい場所で越冬させましょう。
③根詰まり/生育旺盛なので、植え付けた鉢のままで栽培し続けると、根詰まりして株が弱ってしまいます。1〜2年に1度を目安に植え替えることが大切です。
④根腐れ/水やりの頻度が多く、いつも湿った状態が続くと、根が腐ってしまいます。水やりは、土がしっかり乾いてからたっぷりと与えるのが基本です。
株が弱ってしまった場合は、元気な部分の枝を切り取って挿し穂にし、挿し木や水挿しにして更新するのも一案です。
ミリオンバンブーで爽やかな部屋を演出しよう

エバーグリーンのミリオンバンブーは、半日陰を好み、寒さに弱いので、基本的には鉢栽培にし、季節に応じて適した場所に移動しながら管理するのがポイントです。インテリアグリーンとしても大人気なので、ぜひ栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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