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オリヅルランは丈夫で育てやすく初心者にもおすすめの観葉植物! 特徴や育て方を詳しく解説
オリヅルランは、グリーン×ホワイトのストライプ模様が入る葉が美しく、観葉植物として人気のある種類です。放任してもよく育つので、ビギナーにもおすすめ。この記事では、オルヅルランの基本情報や特徴、名前の由来や花言葉、品種、詳しい育て方、楽しみ方などについてご紹介します。
目次
オリヅルランの基本情報
植物名:オリヅルラン
学名:Chlorophytum comosum
英名:spider plant、common spider plant、spider ivy、airplane plant、ribbon plant
和名:オリヅルラン(折鶴蘭)
科名:キジカクシ科
属名:オリヅルラン属
原産地:アフリカ、インドなどの熱帯地方
分類:常緑多年草
オリヅルランは、キジカクシ科オリヅルラン属の多年草です。名前に「ラン」の名前が入っていますが、ランの仲間ではありません。原産地は南アフリカの熱帯地方が中心で、200種以上が分布しています。熱帯地方が故郷のため暑さには強い一方で、寒さには弱い性質です。草丈は5〜30cmほどで、株元から細長い葉を放射状に伸ばして生育します。主に葉を観賞する植物で、葉にストライプ状の斑が入り、モダンな雰囲気が特徴です。花茎を伸ばした先に子株をつけて増える性質があります。
オリヅルランの花や葉の特徴
園芸分類:観葉植物
開花時期:周年開花
草丈:5〜30cm
耐寒性:やや弱い
耐暑性:強い
花色:白
オリヅルランは細い花茎を伸ばした先に子株をつけ、その花茎の途中に小さな白い花をまばらに咲かせます。ある程度成長した株であれば、条件さえ整えば周年花や子株をつけます。しかし、オリヅルランで主に観賞するのは、緑に白斑がストライプのように入る葉。細長い葉は柔らかく、先端が垂れ下がるようにカーブして、ふんわりとした株姿になります。また、太い根に水分を蓄える性質があり、乾燥や根腐れに強い特徴もあります。
オリヅルランの名前の由来と花言葉
オリヅルランの名前は、細いランナーを伸ばした先につける子株が折り鶴のように見えることから。英名では「Spider plant(スパイダープラント)」と呼ばれますが、これは子株がクモのように見えることから、または放射状に伸びるランナーをクモの巣に見立てて、などの説があります。
子株をつけて増えていく繁殖力の強さから、花言葉は「子孫繁栄」「集う幸福」「守り抜く愛」「祝賀」など、めでたいものが多いです。
オリヅルランの代表的な品種や種類
オリヅルランの原種には斑が入らず、現在出回っている種類のほとんどが斑入りの園芸品種です。ここでは、代表的な品種をいくつかご紹介します。
ナカフヒロハオリヅルラン
葉の幅がやや広く、中央に白い斑が入る太めに入るナカフヒロハオリヅルランは、最もポピュラーに流通している品種です。柔らかい葉を持ち、葉が枝垂れるようにカーブする性質が強いです。
ナカフオリヅルラン
葉の中心に白い斑が入ります。やや硬い葉を持ち、耐寒性に優れるため、地域によっては地植えも可能です。
ソトフオリヅルラン
葉の縁に白い斑が入るソトフオリヅルラン。葉の外側に白いラインが入り、斑が少なく落ち着いた印象です。やや硬い葉を持ち、耐寒性に優れるので、地域によっては庭植えも可能です。
‘ボニー’
ナカフヒロハオリヅルランをベースにした園芸品種で、中心に白い斑が入って葉がくるんと内側にカールするのが特徴です。
シャムオリヅルラン
オリヅルランの仲間で、種が異なるシャムオリヅルランは、葉が幅広で短く、葉の外側に白い斑が入ります。子株はつけず、冬には葉が枯れて休眠します。
オリヅルランの栽培12カ月カレンダー
開花時期:周年
植え付け・植え替え適期:5〜9月
肥料:5〜9月
オリヅルランの栽培環境
日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】オリヅルランは、日向から半日陰まで、場所を選ばずよく育ちます。ただし、あまりに暗い場所では、ヒョロヒョロと間伸びした草姿になるので注意。また、真夏に強光線を浴びると葉焼けして見映えが悪くなるので、直射日光の当たらない明るい日陰か、朝のみ日が差す東側など半日陰の場所が向いています。
【日当たり/屋内】耐陰性が強く、室内でも栽培できます。また、寒さには弱いため、冬は霜の当たらない場所か室内に取り込んで管理しましょう。
【置き場所】風通しがよく、強い直射日光の当たらない明るい場所で管理しましょう。
耐寒性・耐暑性
オリヅルランは暑さには強いものの、寒さには弱いのが特徴です。冬は、地植えにしている場合は鉢に植え替え、霜の当たらない場所か室内で管理しましょう。葉の硬いタイプはある程度耐寒性があり、寒冷地を除いて戸外でも越冬できます。
オリヅルランの育て方のポイント
用土
【地植え】
植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料少量を混ぜ込んでよく耕してください。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。
【鉢植え】
観葉植物用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。自身で土づくりをするなら、赤玉土小粒5、腐葉土またはピートモス3、川砂または軽石小粒2の配合でよく混ぜ合わせて使うとよいでしょう。
水やり
水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。
真夏は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。
また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。
【地植え】
根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。
【鉢植え】
日頃の水やりを忘れずに管理します。オリヅルランは乾燥に強く、いつもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬でもカラカラに乾燥させることのないように、控えめにしつつも適宜水やりを続けてください。
肥料
【地植え】
強健な性質なので、植え付け時に元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。ただし、株の生育に勢いがない時などは液肥を与えて様子を見てください。
【鉢植え】
生育期の5〜9月に緩効性化成肥料を置き肥します。株の生育に勢いがない時などには、液肥を与えておくとよいでしょう。
注意する病害虫
【病気】
オリヅルランが発症しやすい病気は、炭疽病などです。
炭疽病は、春や秋の長雨の頃に発生やすくなります。カビが原因で発生する伝染性の病気で、葉に褐色で円形の斑点ができるのが特徴です。その後、葉に穴が開き始め、やがて枯れ込んでいくので早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していくので、被害を見つけたらすぐに除去して土ごと処分しておきましょう。密植すると発病しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理してください。水やり時に株全体に水をかけると、泥の跳ね返りをきっかけに発症しやすくなるので、株元の表土を狙って与えるようにしましょう。
【害虫】
オリヅルランに発生しやすい害虫は、アブラムシ、カイガラムシなどです。
アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついてしまうほどに。植物の茎葉について吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。
カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mmほど。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。
オリヅルランの詳しい育て方
苗の選び方
オリヅルランの苗を選ぶ際は、病害虫の痕跡のないものを選びます。また、状態の悪いオリヅルランは葉先が茶色に変色しやすいため、葉先がきれいなものを選ぶとよいでしょう。
植え付け・植え替え
オリヅルランの植え付け・植え替えの適期は、5〜9月です。ただし、植え付け適期以外にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、オリヅルランの根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、30〜40㎝くらいの間隔を取ってください。
庭で育てている場合、寒くなる前に掘り上げて鉢に植え替え、霜のあたらない場所、または室内へ移動して冬越しさせます。掘り上げた際に根が込み合っている場合は、ほぐして鉢に合うサイズにカットして整理しましょう。
【鉢植え】
鉢で栽培する場合は、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。オリヅルランの苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3㎝ほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。
鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2~1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。
日常のお手入れ
オリヅルランは一年中青々とした葉を保ちますが、新陳代謝を繰り返して新しい葉を出す一方、古くなって枯れる葉もあります。枯れた葉を見つけたら取り除き、見栄えのよさを保ちましょう。また、葉が一枚だけ枯れるのではなく、全体の葉の先端が枯れてきたら根詰まりを起こしているかもしれません。そんな時は鉢底もチェックしてみましょう。鉢の底から根が出てきていたら、鉢の中が狭くなって植え替えを求めているサインです。早めに植え替えましょう。部分的に傷んだ葉は斜めにカットして取り除けば気にならなくなります。加えて、子株がたくさんついているとあまり見た目にもよくないので、増やす予定がなければその都度切り取るとよいでしょう。
冬越し
オリヅルランの原産地は熱帯地方のため、寒さには弱い性質を持っています。しかし、熱帯植物の中では寒さに強いほうで、関東以西地方の暖地で霜に当たらない環境であれば、戸外でも越冬します。
生育期に地植えで楽しんでいた場合は、適度なサイズの鉢に植え替えて、霜の当たらない場所へ移動しましょう。室内へ取り込む場合は、日中は日が差し込む場所で管理します。冬は生育期ほどに水を欲しがらないので、水やりを控えめにし、土がしっかり乾いたら与える程度にとどめましょう。
増やし方
オリヅルランは、株分けと子株の植え付けで増やすことができます。どちらも簡単にできるのでトライしてみてください。
【株分け】
オリヅルランの株分けの適期は、5〜9月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りを図ります。株を掘り上げて4〜5芽ずつつけて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。
【子株の植え付け】
オリヅルランは、生育期の5〜9月に、ランナーを盛んに伸ばします。放っておくと、ランナーの先に子株ができ、小さな葉を伸ばし始めます。この子株に葉が8枚以上ついたら、ランナーを切り取って植え付けると、すぐに根付いて生育し始めます。ランナーから増やした株は、親と全く同じ性質のクローンとなります。
ハンギングはもちろん寄せ植えや水栽培などの飾り方もできる
オリヅルランは、鉢に単植して観葉植物として楽しむほか、大鉢にたくさんの花苗を植え込んで、脇役のカラーリーフプランツとして利用するのもおすすめ。乾燥に強い性質を持っているので、ハンギングバスケットにも向いています。ランナーを伸ばして子株をたくさんつけるユニークな草姿を生かし、高い場所に飾って流れるようなラインを楽しむのもいいですね。丈夫な性質なので、子株を小瓶に入れて水栽培し、狭いスペースの窓辺などを彩っても素敵です。
観葉植物栽培初心者にもおすすめのオリヅルランを育ててみよう!
オリヅルランは冬でもみずみずしいグリーンの葉を保つので、エバーグリーンとして室内の窓辺に飾って楽しむのがおすすめ。ストライプ柄の葉は、寄せ植えの草花の引き立て役としても重宝します。さまざまなシーンで活躍するオリヅルランを、ぜひ育ててみませんか?
Credit
文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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