トップへ戻る

カネノナルキ(金のなる木)は丈夫で育てやすい観葉植物! 花が咲かないときの対処法も解説

カネノナルキ(金のなる木)は丈夫で育てやすい観葉植物! 花が咲かないときの対処法も解説

K.Jagielski/Shutterstock.com

カネノナルキ(金のなる木)は、名前のとおり縁起がよいとして、人気の高い植物です。丈夫な性質で、冬の寒さにさえ注意すれば放任してもよく育ちます。この記事では、カネノナルキの基本情報や特徴、名前の由来や花言葉、育て方などについて解説します。

Print Friendly, PDF & Email

カネノナルキの基本情報

金のなる木
Anna Shiman/Shutterstock.com

植物名:カネノナルキ(金のなる木)
学名:Crassula ovataCrassula portulacea
英名:Dollar plant、jade plant、lucky plant、money plant、money tree
和名:フチベニベンケイ(縁紅弁慶)
その他の名前:成金草(なりきんそう)、花月(かげつ)
科名:ベンケイソウ科
属名:クラッスラ属
原産地:南アフリカ
分類:多年草

カネノナルキの学名はCrassula ovata(クラッスラ・オバタ)、和名はフチベニベンケイ(縁紅弁慶)で、成金草(なりきんそう)、花月(かげつ)などとも呼ばれます。ベンケイソウ科クラッスラ属の多年草です。原産地は南アフリカで、多肉質の葉や茎に水分を蓄えることから暑さや乾燥に強く、寒さに弱い性質。常緑性で、冬でもみずみずしい葉を保ちます。草丈は100〜300cmで、放任すると大きくなりますが、こまめに切り戻せばコンパクトな株姿を保つことができます。縁起がよい植物として知られ、開業祝いや新築祝いなど贈答にも多く用いられます。

カネノナルキの花や葉の特徴

金のなる木
Photo_Olivia/Shutterstock.com

園芸分類:観葉植物
開花時期:11〜2月
草丈:1〜3m
耐寒性:弱い
耐暑性:強い
花色:ピンク、白

カネノナルキの開花期は11月〜翌年2月。花色はピンク、白で、1cm前後の5弁花を咲かせます。株が大きく育ってから咲くものと、比較的咲きやすいものとがあります。

葉はぽってりと厚みがあり、多肉植物に分類されています。自生地は乾燥する地域のため、このふっくらとした葉に水を蓄える力があります。そのため水やりは控えめにするのがポイントです。

カネノナルキの名前の由来や花言葉

金のなる木
写真/長田節子

「金のなる木」の名前の由来には、諸説あります。英名では「money tree(お金の木)」「dollar([通貨の]ドル)plant(植物)」などと呼ばれ、葉の形がコインに似ていることが由来になっているのですが、日本に持ち込まれた際にそのまま訳されたものという説が1つ。また、昭和の時代、鉢植えの新芽に5円玉を挿して売られていたからという説もあります。

カネノナルキの花言葉は「一攫千金」「富」「幸運を招く」「不老長寿」など。縁起のよい植物として好まれるのがよく分かりますね。

カネノナルキの近縁の仲間

カネノナルキが属するクラッスラ属は、ベンケイソウ科を代表する属で、そのほとんどが多肉植物。クラッスラ属には日本でも観賞用として人気の高い種類が多く含まれています。その一部をご紹介します。

火祭り(Crassula capitella ‘Camp Fire’)

火祭り
graciela rossi/Shutterstock.com

十字のように広がるシャープな葉は、夏は爽やかな緑色ですが、冬は鮮やかに紅葉します。ポピュラーで人気の高い品種。

小米星(Crassula ‘Tom Thumb’)

小米星
Diana Taliun/Shutterstock.com

別名は「姫星」。小さな三角形の葉を交互に展開しながら伸びていくクラッスラ。小型でよく分枝します。

キムナッキー(Crassula ‘Kimnachii’)

キムナッキー
Sukree Supajitsawat/Shutterstock.com

ブッダテンプルとも呼ばれ、四方に広がる葉が緻密に重なり、層をなしてタワーのように伸びるユニークな品種です。整然とした葉の並びは、現代アートのよう。

カネノナルキの栽培12カ月カレンダー

開花時期:11〜2月
植え付け・植え替え:3〜6月、9〜10月
肥料:4〜10月(真夏を除く)

カネノナルキの栽培環境

金のなる木
Maren Winter/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みますが、半日陰の場所でも育ちます。斑入り品種は日焼けしやすいため、鉢植えの場合、夏は半日陰に移動するとよいでしょう。暖地を除き、冬は室内に取り込みます。

【日当たり/屋内】ある程度耐陰性があるため、一年を通じて室内で栽培することもできます。日照が足りないと徒長しやすいため、日当たりのよい窓辺などで管理しましょう。

【置き場所】過湿を嫌うため、地植えにする場合は粘土質の土壌や水場に近くて低い場所などは避けます。鉢植えは、梅雨時期には雨の当たらない軒下などに移動しましょう。

耐寒性・耐暑性

暑さに強い一方で冬の寒さには弱く、耐寒温度は3℃くらいまでです。暖地では戸外でも越冬できますが、それ以外の地域では鉢に植え替えて日当たりのよい室内などで冬越しさせます。

カネノナルキの育て方のポイント

用土

土
blueeyes/Shutterstock.com

【地植え】

植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材と緩効性化成肥料を投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておくとよいでしょう。金のなる木は過湿を嫌うため、粘土質の土壌など水はけが悪い場所には、川砂やパーライトなどの土壌改良資材を投入し、周囲より少し土を盛って高くして水はけのよい環境にしておくとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成します。

【鉢植え】

山野草や多肉植物の栽培用に配合された、水はけのよい園芸用培養土を利用すると便利です。

水やり

水やり
wavebreakmedia/Shutterstock.com

株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真夏は気温の高い昼間に行うと、水がすぐにぬるま湯になり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。冬は十分気温が上がった日中に与えてください。夕方に行うと凍結の原因になり、株が弱るので避けましょう。

カネノナルキは多湿を嫌うので、水の与えすぎには注意します。バランスのよい水の管理が大切です。

【地植え】

下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続いて乾燥するようなら、水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。とはいえ、カネノナルキは多湿を嫌うので与えすぎに注意し、気候や株の状態に適した水やりを心がけましょう。土の表面がしっかり乾いてから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えます。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。

肥料

肥料
Sarycheva Olesia/Shutterstock.com

【地植え】

●元肥

植え付け前の土づくりの際に、緩効性化成肥料を少量混ぜておきます。

●追肥

地植えの場合はほとんど不要です。ただし、株に勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見ます。

【鉢植え】

●元肥

植え付けの際に、緩効性化成肥料を少量混ぜておきます。

●追肥

鉢栽培では土の量が限られており、水やりとともに肥料成分が少しずつ流れ出すので、定期的な追肥が必要です。カネノナルキの追肥の適期は4月下旬〜6月、9月下旬〜10月です。この期間に、月に2回を目安に液体肥料を施しましょう。真夏は暑さで株が疲れて肥料を与えるとかえって弱ることがあるので、この時期は肥料を切らしておきます。

注意する病害虫

カイガラムシ
Decha Thapanya/Shutterstock.com

【病気】

病気の心配はほとんどありませんが、まれにうどんこ病が発生することがあります。

うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。チッ素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発生しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。

【害虫】

害虫の心配はほとんどありませんが、まれにカイガラムシがつくことがあります。

カイガラムシは、植物に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。茎などについて吸汁し、だんだんと株を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。

カネノナルキの詳しい育て方

苗の選び方 

株全体をよく見て、病気がないか、葉や茎が傷んでないかを確認しましょう。葉の色つやがよく、形が整っているものを選ぶとよいでしょう。

植え付け・植え替え

ガーデニング
OlegDoroshin/Shutterstock.com

植え付け、植え替えの適期は、3〜6月か、9〜10月です。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗よりも1回り大きな穴を掘って植え付けます。最後に、たっぷりと水やりします。

【鉢植え】

入手した苗よりも1〜2回りほど大きい鉢を準備しましょう。

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れます。金のなる木の苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、軽く根鉢を崩して植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。

鉢栽培の場合、植え付けてから時間が経つと、成長とともに根が詰まって生育が悪くなってしまうので、1〜2年に1度を目安に植え替えましょう。植え替えの際は、以前に植えていた鉢よりも大きな鉢を用意して株を大きくしてもよいですし、同じ鉢を用いてサイズ感をキープしてもかまいません。鉢から株を出したら、古い根を切り取って整理し、根鉢を徐々にくずしてやや小さくしてから植え直します。

剪定・切り戻し

はさみ
Aleksei Golovanov/Shutterstock.com

大きくなりすぎて持て余すようであれば、切り戻して草姿を整えます。切り戻しの適期は、生育期の4〜10月です。だいたいのアウトラインを決めて、枝の分岐点までさかのぼって切り取ります。込み合って風通しが悪くなっている部分があれば、内側に伸びている枝や重なり合っている枝、弱々しい枝などを選んで基部から切り取りましょう。3年以上経って開花が楽しめる株を育てている場合は、秋から花芽がつき始めるので、8月までには切り戻しを終えておきます。

増やし方

金のなる木
Umbetbayeva Alexandra/Shutterstock.com

挿し芽、葉挿しで増やすことができます。ここでは、それぞれの方法についてご紹介します。

【挿し芽】

挿し芽とは、茎葉を切り取って用土に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、カネノナルキは容易に挿し芽で増やせます。

挿し芽の適期は、4〜10月です。新しく伸びた枝を3節くらいつけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、日陰で切り口を乾燥させておきましょう。ポットに水はけのよい用土か川砂を入れ、穴をあけて挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。株として十分に育ったら、植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

【葉挿し】

葉挿しとは、挿し芽と同様に葉を切り取って用土に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には葉挿しができないものもありますが、金のなる木は葉挿しで増やせます。

葉挿しの適期は、4〜10月です。大きく育った葉を摘み取り、日陰で切り口を乾かしておきます。ポットに水はけのよい用土か川砂を入れ、穴をあけて挿し穂を挿して土を押さえてください。明るい日陰に置いて管理すると、挿した葉の根元から新芽が出て生育していくので、株として十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。葉挿しのメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

カネノナルキの葉が落ちる原因と対処法

金のなる木
Furiarossa/Shutterstock.com

カネノナルキは常緑性の多年草ですが、葉を落としてしまうことがあります。ここでは、葉を落とす原因と対処法についてご紹介していきます。

日光不足

葉が落ちる原因として考えられるのは、日光不足です。寒くなったら室内に入れて冬越しさせることになりますが、日当たりのよい窓辺などに置きましょう。心あたりがある場合は、鉢をよりよい環境に移動してください。

水の与えすぎ

水やりをしすぎると、根腐れして株が弱り、葉を落とすことがあります。カネノナルキは乾燥した気候のもとで生育してきた植物で、体内に水分を蓄える能力があるため、水の与えすぎには注意してください。根腐れしてしまった場合、茎葉がまだ生きていれば挿し芽か葉挿しをして更新するとよいでしょう。

カネノナルキの花が咲かない原因と対処法

金のなる木
pjatnica/Shutterstock.com

カネノナルキを育てていても、花が咲かないことがあります。小さい苗を購入した場合は、開花するまで数年かかることがありますが、大きくなっても一向に咲く気配がないことも。ここでは、花が咲かない原因と対処法についてご紹介していきます。

日当たりが不足している

カネノナルキは、日照不足では花が咲きません。観葉植物としてインテリアに飾っている場合は、花が咲きにくくなります。日が差す窓辺に置いて、できるだけ日照時間を確保するようにしましょう。

水や肥料を与えすぎている

カネノナルキは、株内に水分を蓄える能力があるため、水の与えすぎに注意。根腐れして株が弱ると花を咲かせるどころではなくなってしまいます。また、肥料の与えすぎもよくありません。葉ばかりが茂って、花が咲かなくなってしまうケースもあるようです。

花が咲きにくい品種を育てている

カネノナルキは花が咲きにくいものと咲きやすいものがあります。開花を楽しみたい場合は、桜花月など花が咲きやすいタイプを選ぶようにしましょう。

カネノナルキを育てて愛らしい葉や花を楽しもう

金のなる木
pjatnica/Shutterstock.com

カネノナルキは縁起のよい植物として、贈答にもよく使われます。乾燥を好む多肉植物でもあるので、水やりを忘れがちでも元気に育ちます。一度植え付ければあまりメンテナンスの手間もかからないカネノナルキを、ベランダやインテリアに飾ってはいかがでしょうか。

Print Friendly, PDF & Email

人気の記事

連載・特集

GardenStoryを
フォローする

ビギナーさん向け!基本のHOW TO