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- 観葉植物初心者に激推し! シェフレラの魅力と育て方を徹底解説&おすすめ品種7選
観葉植物初心者におすすめのシェフレラ。本記事では選び方から適切な管理方法、病害虫の対策まで、初心者にも分かりやすく解説しています。また、お馴染みオザキフラワーパークの後藤さんセレクトのおすすめ品種6選で、きっとお気に入りのシェフレラが見つかるはず!
目次
シェフレラってどんな観葉植物? 基本情報と特徴
シェフレラの基本プロフィール

手のひらのような形の葉が可愛らしいシェフレラ。
どこかオリエンタルな雰囲気と気品ある姿は、どんなインテリアにもマッチし、モダンにもナチュラルにも、スタイルを問わず、自然なアクセントを加えることができます。
シェフレラは育てやすさでも人気があります。
耐陰性があり、多少の光量不足にも耐えられるため、室内のさまざまな場所で育てることができます。
成長も早く、剪定で形を整えたり、挿し木によって新しい株を増やしたりすることができるので、育てる楽しみと増やす喜びを味わうことができます。
基本情報
- 学名:Heptapleurum arboricola(ヘプタプルーラム・アルボリコラ) , syn. Schefflera arboricola(異名.シェフレラ・アルボリコラ)
- 科属:ウコギ科(アラリア) フカノキ(ヘプタプルーラム)属
- 和名:シェフレラ、カポック(南米原産のカポックという樹木に葉が似ているため)、ヤドリフカノキ(宿り鱶の木)
- 原産地:台湾および中国南部。
原産地と気候を同じくする沖縄や奄美地方でも自生しており、これらの地方では鱶(ふか)の木(アサグラー)に着生して成長することが多いため、これがヤドリフカノキ(宿り鱶の木)という名が付いた由来とされている。 - 大きさ:8〜9m
- 外見的特徴:自立した常緑低木だが、野生種はほかの木の幹に着生する場合もある。
葉は7〜9枚が放射状に伸びる。
樹形や大きさは品種によりまちまちだが、園芸品種としては小さめの葉が広がった高さ1m前後のものが人気。
シェフレラの見た目とインテリアとしての魅力

美しい葉と優雅な姿が魅力のシェフレラ。
光沢を帯びた葉は手のひらのような形状が特徴で、一枚一枚が独立して広がるため、軽やかでエレガントな印象を与えます。
特に、葉に黄色や白の斑が入るタイプ(写真下)はインテリアをゴージャスに魅せる効果があり、またコレクション性も高く人気です。

シェフレラの茎はしなやかで、成長とともに木質化し、しっかりとした幹を形成します。
このため、大きく成長したシェフレラはまるで小さな木のような存在感がありますが、それでも室内に置くと葉の可愛らしさゆえに圧迫感を感じることはなく、空間を柔らかく包み込み、リラックスした雰囲気を演出します。

インテリアとしてのシェフレラの魅力は、多様なスタイルに対応できるところ。
モダンなインテリアには、シンプルな鉢に植えられたシェフレラがマッチし、そのシンプルな美しさがクリーンで洗練された雰囲気を醸成します。
一方、ナチュラルなインテリアやボヘミアンスタイルの部屋には、自然素材の鉢やバスケットの鉢カバーに入れたシェフレラがマッチし、温かみを感じさせます。

また、シェフレラは天井の高い部屋や広いリビングルームにも最適です。
この場合、8号以上の大鉢で育てれば、樹高1〜2mになってのびのびと枝葉を広げ、室内に瑞々しい空気をもたらしてくれます。

小さな部屋やデスク上でも、小型のシェフレラを置くことで緑のアクセントを加え、室内にナチュラルな雰囲気を取り入れることができます。

空間に生き生きとした生命力をもたらし、視覚的にも精神的にも心地よい環境を作り出すシェフレラ。その優雅な姿と手入れのしやすさから、多くの人々に愛され続けています。
初心者におすすめのシェフレラの選び方
シェフレラは、多くの園芸店で取り扱われている人気の観葉植物です。
オザキフラワーパークのような大型店では、小さなものから巨大なものまで、豊富な種類の中から選ぶことができます。
シェフレラはおしゃれな枝ぶりのものが多いため、一目見た瞬間のインスピレーションを重視して直感で選ぶのもよいでしょう。
しかし、シェフレラは成長が早い植物ですので、あらかじめ置く場所の寸法を測っておくことをおすすめします。
あるいは、売り場で商品の寸法を測り、写真を撮ってから入念に検討するのもよい方法です。
シェフレラの育て方
管理場所と温度
シェフレラは管理が比較的容易な観葉植物ですが、適切な環境で育てることが大切です。
管理場所

シェフレラは耐陰性があるため、あまり陽が入らない環境でも育てられますが、植物なので光は好みます。理想的な場所は、間接光が当たる明るい窓辺や、レースのカーテン越しに日光が入る場所。
風通しをよくすることで、さらに健康的に成長します。
特に斑入りの品種は、上記の環境で育てることで斑を綺麗に保ち、美しさを維持することができます。
ただし、どの品種も直射日光に長時間さらされると、葉焼けを起こす可能性があるため注意が必要です。
温度

シェフレラは熱帯原産の植物で、温暖な環境を好みます。
最適な温度範囲は18〜26℃です。
この範囲内で管理することで、シェフレラは元気に育ちます。
寒さに弱いため、冬場は最低でも10℃以上を保つようにし、窓際などの冷気が入る場所やエアコンの温風が直接当たる場所は避けてください。
夏は35℃を超えないようにし、エアコンの冷風が直接当たらない場所で管理します。
急激な温度変化はストレスとなり成長に悪影響を及ぼす可能性があるので、なるべく安定した温度環境を維持することが大切です。
水やりと葉水

水やり
シェフレラは湿り気を好みますが、過度な水やりは根腐れの原因となります。
基本的には、土の表面が乾いたら水を与えます。
慣れていない方は水分計を使うことで土の中の水分が分かり、水のあげどきが見極められます。
春から秋にかけては1週間に1回、冬場は10日に1回が目安ですが、水やりの頻度は気温や環境によって変わるため、日々観察し、土の状態を確認することが大切です。

季節を問わず、水やりの際は鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。
これにより根全体にしっかりと水がいき渡ります。
受け皿に溜まった水は、根腐れの原因になるので必ず捨てるようにしてください。
湿度管理(葉水)

シェフレラは乾燥を嫌い、湿気を好む植物です。そのため乾燥した室内では葉水を与えることで適度な湿度を保ち、葉の潤いを維持することができます。
また、葉水は害虫予防にも効果的です。
葉水は、スプレーボトルで葉の表裏に軽く水を吹きかける方法で行います。
冬場のエアコン使用時など、特に乾燥する季節は葉水をこまめに与えることにより、葉の光沢を維持し植物全体の健康も保つことができます。
肥料/活力剤等

肥料は、成長期である春から秋にかけて与えるのが理想的です。
緩効性肥料を使用する場合は、土の表面に適量をまき、軽く混ぜることで長期間にわたり栄養を供給できます。
液体肥料を使用する場合は、2週間に1回、規定の希釈倍率で水やりの際に与えるとよいでしょう。
冬場は植物の成長が鈍くなるため、施肥は控えめにし、1カ月に1回程度か、あるいは施肥を行わなくても大丈夫です。
過剰な肥料は根を傷める原因になるため、肥料の使用法に明記された適量を守るようにしましょう。
剪定

剪定する際は、株の健康が保たれるように、まず枯れた葉や枝、病気の兆候がある部分を取り除きます。
次に、全体のバランスを見ながら、伸びすぎた枝や不要な枝を剪定し、形を整えます。
最後に、剪定後は新芽を促すために「トップジンMペースト」などの殺菌剤を用いて切り口を消毒します。
剪定を行うことで株全体の健康も維持され、見た目も美しく整えることができます。
挿し木によるシェフレラの増やし方
シェフレラを増やすには、挿し木がおすすめ。
挿し木は、切り取った挿し穂をそのまま用土に挿して発根させる方法と、水耕栽培で発根させてから用土に植え替える方法の、2通りがあります。
後者のほうが比較的早く発根します。

シェフレラの挿し木は、春から夏にかけて行うのが最適です。
挿し木に使う枝(挿し穂)は元気なものを選び、茎を4〜6cmにカットします。
切る際はコンロやライターの火などで殺菌した清潔な刃を使い、挿し穂の切り口には、根が出るまでの期間を短縮するためにルートンなどの発根促進剤を塗布することもおすすめです。
挿し穂は市販の挿し木用の用土や水耕栽培(写真上)で育てますが、ともに湿度を保つようにします。
10〜14日ほど経ったら挿し穂の切り口から発根するので、その根が十分に成長したら新しい鉢に植え替えて管理を続けます。

植え替え

シェフレラの植え替えは、春から初夏にかけて行うのが最適です。
この時期は植物が新しい土に適応しやすく、根の成長が活発になります。
植え替えの準備として、まず新しい鉢を用意します。新しい鉢は現在の鉢よりも1回り大きいものを選び、底に排水用の穴があることを確認します。
土は通気性がよく、排水性の高い観葉植物用のものを使用します。
植え替えの手順は、まずシェフレラを現在の鉢から優しく取り出します。根が鉢に詰まっていてなかなか抜けない場合は、慎重にほぐしながら取り出します。
次に、根が健康かどうかを確認しながら、傷んでいる部分や腐った部分を清潔なカッターなどで取り除きます。ちなみに、健康な根は白い色をしています。
最後に、新しい鉢の底に少し土を入れ、その上にシェフレラを置きます。
根が鉢の中心にくるように調整し、周りに土を追加して指で馴染ませれば植え替えは完了です。
植え替えた後は、たっぷり水を与えて土をしっかりと湿らせます。これにより、土が根に密着し、安定するのを助けます。

また、水を与える際に活力剤のメネデールを規定量希釈して与えると、発根促進効果が期待できます。
その後は、直射日光が当たらない明るい場所に置き、過度な湿度や乾燥を避けて管理します。
新しい環境に適応するまでの数週間は、過度な施肥や水やりを控え、植物の様子を見ながら調整します。
これらの手順を守ることで、シェフレラは新しい鉢でも元気に成長し、美しい葉を保つことができます。
病害虫

シェフレラを育てる際には、いくつかの病害虫に注意する必要があります。
アブラムシ
まず注意してほしいのがアブラムシ。
アブラムシは葉の裏側や新芽に集まり、葉の栄養分を吸い、植物の成長を妨げます。
放置すると植物全体に影響を及ぼす「すす病」を引き起こすこともあります。
ハダニ
ハダニにも注意が必要です。
ハダニは、小さな赤い点や葉の色が変わることが特徴で、乾燥した環境で発生しやすいため、適度に葉水を行うなど湿度管理が重要です。
うどんこ病
過湿状態が続くと、うどんこ病という真菌感染症へのリスクが高まります。
感染した場合は白い粉状の斑点が葉に現れ、株全体のスタミナが奪われます。
これらの病害虫は、風通しのよい環境を保つことや、適切に葉水を与えたり、日々観察することで予防できます。
万一病害虫が発生した場合は、できる限り早期に殺虫剤や殺菌剤を用いるなど、適切な対策を講じることが大切です。
オザキフラワーパークのおすすめシェフレラ7選

毎回さまざまなおすすめ観葉植物をチョイスしていただいているオザキフラワーパーク後藤さん。
じつは後藤さん、「一番好きな観葉植物は何ですか?」との問いかけに「それはもうシェフレラでしょう!」と間髪入れずに即答するほどのシェフレラ好き。

写真上は、後藤さん所有のご自慢のシェフレラですが、いかにもシェフレラらしい可愛い葉と、グネグネと曲がった幹がとても印象的な良株をお持ちですね。さすがです!
そんな後藤さんに、今回はおすすめのシェフレラを選んでいただきました。
テーブルサイズの小さな株から、リビング映えする大きな株まで幅広くピックアップしてあるので、お気に入りの株がきっと見つかるはずです。
※下記の商品をお求めの際は、事前に店頭在庫をご確認ください。
シェフレラ・マルコ



丸く大きな葉が可愛らしいマルコは、シェフレラ・アルボリコア・ホンコンという品種の変種です。
葉の一枚一枚が優しい丸みを帯びているため、一般的なシェフレラよりもマイルドな印象ですね。
この株は、根元付近の幹からタコの足のようにいくつもの根が出ていますが、これは気根といい、空気中の水分を取り込んだり、株自体の自立をサポートする役割を果たしています。
これだけ気根が出ていると、部屋が熱帯ジャングルのような雰囲気になりますよ。
シェフレラ・グランディー


美しい斑模様の入ったグランディーは、曲げ仕立てタイプの幹で、とても存在感があります。
写真の株は、現在はバランスよく自立していますが、曲げ仕立てタイプは成長によりバランスが悪くなり倒れやすくなることもあるため、厚めのテラコッタやセメントなど、ちょっと重めの鉢への植え替えがおすすめです。
シェフレラ・レナータ


葉の先に切れ込みが入っているのが特徴のレナータ。
葉の形がハートに見えるため「ハートリーフ・ツリー」、金魚の尾ヒレにも見えるため「ゴールドフィッシュ・フィン(金魚葉カポック)」などと呼ばれることも。
写真の商品はテーブルサイズなので、室内のどこにでも置くことができ、気軽にシェフレラの清涼感を楽しむことができます。
シェフレラ・コンパクタ


シェフレラの代表的な品種のコンパクタ。
園芸店で単に「シェフレラ」という商品名で販売されている場合、このコンパクタであることが多いです。
成長は遅めで、上に伸びていくというよりもバランスよく横に広がっていき、節も太く詰まった感じになるため、名前のとおりコンパクトな樹形を長く楽しむことができます。
どこか盆栽っぽい雰囲気もあるため、信楽焼などの和鉢にもマッチしますよ。
シェフレラ・アルファー


アルファーは、オーストラリア原産のシェフレラ・アクティノフィラムの改良品種で、比較的最近市場に出てきた新種のシェフレラです。
原種は高さ15mくらいになり、開花後にできる果実はカンガルーなどの有袋類の貴重な栄養源となっていますが、アルファーは園芸用に改良された品種のため、開花せず、高さも1〜2mといったところまでしか成長しません。
シュッとした葉がとてもスタイリッシュで、昨今ジワジワと人気が出始めた“知る人ぞ知る”シェフレラです。
シェフレラ・トライアンギュラリス


トライアンギュラリスと、何やら恐竜のような名前ですが、これ、私後藤が今最もおすすめする品種です!
見てください、この可愛らしい縦型ハートの葉! 前出のレナータと同じく、「ハートリーフ・ツリー」とも呼ばれているのですが、レナータよりも幹が横へ広がっていくため、剪定しながら樹形を作り込むという楽しみ方もできます。
オザキフラワーパークに入荷するトライアンギュラリスは、ナーセリーさんがかなり凝って作っているので、入荷したら比較的早く売れてしまう人気商品!
それでいて価格が2,480円ですから、コスパは最高だと思います。
大型シェフレラの後藤さんおすすめコーディネート

+
鉢カバー(FRP製) 高さ39cm 鉢径38cm(内径36.5cm) 価格9,680円(税込)
=25,680円(税込)
シェフレラの代表的品種であるホンコン・カポックの大型株を、合成樹脂(FRP)製の鉢カバーで合わせてみました。
シェフレラの個性を邪魔せずに引き立てるシンプルな黒が、どんなインテリアにもマッチします。
編集後記
本文中でも触れましたが、観葉植物のエキスパートとして本企画でお世話になっている後藤さんに、一番のお気に入り観葉植物を尋ねたところ、即答を得たシェフレラ。
その時から約1年を経て、ようやく題材にすることができました。
後藤さんも本望のことと思います(笑)。
さて筆者はといえば、今回記事にするまでシェフレラをとりわけ意識することもなかったのですが、いざ意識してみると、行きつけのカフェ、ホテルのロビー、車検のため訪れたカーディーラーなど、意外と身近なところにシェフレラがたくさんあることに気づきました。
後藤さんほどではありませんが、おかげさまで私もシェフレラが大好きになった、そんな本企画でした。
記事協力
『オザキフラワーパーク』
1961年に東京は練馬区石神井で創業以来61年、人気の観葉植物からニッチな珍奇植物まで、全国屈指を誇るその品揃えは「買える植物園」としての異名を持つ。植物や園芸グッズの豊富さもさることながら、アクアリウムや爬虫類の生体販売も行っているため、近隣はもちろん、全国各地からお客様が途絶えることなく来店する話題の超大型園芸店。編集部スタッフもプライベートで足繁く通う。
東京都練馬区石神井台4-6-32
TEL : 03-3929-0544
URL https://ozaki-flowerpark.co.jp
営業時間:9:00~19:00
Credit
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