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テーブルヤシはエキゾチックな雰囲気で人気の観葉植物! 特徴や育て方を詳しく解説

Nata Bene/Shutterstock.com
小さなテーブルヤシは、おしゃれなグリーンインテリアとして非常にポピュラーで、人気の高い観葉植物です。水やりと寒さに気をつければ比較的簡単に育てられるので、ビギナーにもおすすめ。この記事では、テーブルヤシの基本情報や特徴、名前の由来や花言葉、育て方について、詳しくご紹介します。
目次
テーブルヤシの基本情報

植物名:テーブルヤシ
学名:Chamaedorea
英名:Parlor Palm
和名:テーブルヤシ
その他の名前:チャメドレア
科名:ヤシ科
属名:テーブルヤシ属(チャメドレア属)
原産地:中南米
分類:常緑性低木
テーブルヤシは、ヤシ科テーブルヤシ属(チャメドレア属、Chamaedorea)の常緑性低木です。原産地の中南米には、およそ100種類のテーブルヤシが分布しています。その中でも観葉植物として親しまれているのは数種類で、一般にテーブルヤシという名前で流通しているのは、エレガンス(C. elegans)という種類。成長が遅く耐陰性があるため、インテリアに向いている植物です。
テーブルヤシの花や葉の特徴

園芸分類:観葉植物
開花時期:4〜6月(雌木)
樹高:10〜300cm
耐寒性:やや弱い
耐暑性:強い
花色:黄
テーブルヤシには雄木と雌木があり、雌木は成長すると4~6月にかけて花茎に小さな黄色い花をたくさん咲かせます。一方、雄木には花はつきません。テーブルヤシの花は花弁がなく、細長く連なった黄色い実のような形になります。
また、葉は茎の中央部分から細長く広がり、上に向かってどんどん伸びていきます。
テーブルヤシの名前の由来や花言葉

テーブルヤシという名前は、文字どおりテーブルの上でも育てられるほど小さいという見た目に由来します。また、属名のChamaedoreaは、ギリシャ語の「chamai」(小さい)と「dorea」(贈り物)を組み合わせたもので、「小さな贈り物」を意味します。英名はparlor palm。「parlor」は「居間」、「palm」は「ヤシ」で、室内で育てるヤシという意味です。
テーブルヤシの花言葉は「あなたを見守る」です。これは、ヤシ科の中でも小さく、そばで見守るように成長する姿をイメージしたものとされています。
テーブルヤシの種類

テーブルヤシというと、一般にはチャメドレア・エレガンスを指しますが、ほかにもさまざまな種類があります。主な品種とその特徴をご紹介します。
チャメドレア・エルンペンス
キレバテーブルヤシとも呼ばれます。成長すると3mを超える大型種で、小さな葉を交互にいくつもつけます。
チャメドレア・テネラ
ヒメテーブルヤシとも呼ばれます。葉は革質でツヤのある灰緑色、耐寒性・耐陰性ともに強い品種です。
メキシコケンチャ
渓流沿いに自生するヤシで、幹がなく株立ち状にふんわりと葉を広げます。テーブルヤシの中でも寒さに強い品種です。
チャメドレア・メタリカ
幅広でユニークな形の葉は、メタリックな輝きが特徴。チャメドレア・テネラとよく似ているため、混同されることもあります。
テーブルヤシの栽培12カ月カレンダー
開花時期:4〜6月(雌木)
植え付け・植え替え:5〜6月
肥料:5〜10月
テーブルヤシの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】直射日光がやや苦手で、耐寒性が弱いため、屋内での栽培が基本です。戸外で管理する場合は、真夏は直射日光が当たらない明るい日陰に置き、冬は室内に取り込みましょう。
【日当たり/屋内】耐陰性があるため、屋内で栽培できます。風通しよく管理しましょう。
【置き場所】11~4月は、ガラス越しに日が当たる場所が最適です。5~10月は、レースのカーテン越しに日が当たる場所に置くとよいでしょう。風通し・水はけのよい環境を好みますが、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。
耐寒性・耐暑性
テーブルヤシの生育適温は20~30℃で暑さには強いですが、35℃以上の猛暑が続くと生育が鈍ります。最低気温の目安は5℃程度です。
テーブルヤシの育て方のポイント
用土

テーブルヤシは水はけのよい土を好みます。市販の観葉植物用の培養土の中でも排水性を重視したものを選ぶか、赤玉土を1割ほど混ぜるとよいでしょう。
水やり

テーブルヤシは根腐れしやすいため、水のやりすぎには注意が必要です。土の表面が乾燥してからたっぷりと水を与え、受け皿にたまった水は捨てましょう。冬場はあまり水を必要としないため、表土が乾いてさらに4日ほど経ってから水を与えるとよいでしょう。また、葉水をしておくと害虫予防になります。
肥料

春から秋にかけて2カ月に1回を目安に、観葉植物用の緩効性肥料を与えます。
注意する病害虫

【病気】
注意する病気は特にありません。
【害虫】
風通しの悪い場所に置くと害虫が発生しやすくなるので注意します。
夏と乾燥する冬は、ハダニに注意が必要です。ハダニは葉の裏に棲みつくため、こまめにチェックし、見つけたらすぐに駆除します。また、霧吹きなどで葉水をするとハダニの予防になります。
夏はカイガラムシにも注意が必要です。カイガラムシの成虫は殻で覆われていて薬剤が効きにくいため、歯ブラシなどで擦り落としましょう。
また、アブラムシにも注意が必要です。アブラムシを見つけたら、洗い流すか薬剤を散布して駆除します。
テーブルヤシの詳しい育て方
苗の選び方
ぐらつかずしっかりしていて、葉の色艶がよい苗を選ぶとよいでしょう。
植え付け・植え替え

テーブルヤシの植え替えは、一般に2~3年に1回のペースで行います。小さめの鉢の場合は、毎年植え替えましょう。また、鉢底から根が出てきたときも植え替えます。植え替えの適期は5~6月です。
株を大きくしたくない場合は、根を1/3ほど落とし、元のサイズの鉢に新しい土を入れて植え直しましょう。
剪定・切り戻し

テーブルヤシは5~10月の間に剪定します。剪定により、古い葉や茂りすぎている部分を切り落とし、風通しを確保することができます。ただし、雌木で花を楽しみたい場合は、花芽を落とさないよう注意が必要です。また、葉が密集しすぎているときは、剪定ではなく株分けをするとよいでしょう。
増やし方

テーブルヤシは株分けで増やすのが一般的です。
株分けの方法は、次のとおりです。まず新しい鉢に新しい土を入れておきます。次に、株を取り出して根をほぐし、土を落とします。その後、株を2~3個に分け、それぞれを新しい鉢に植え付けます。植え付けた後は、たっぷりと水をやります。
テーブルヤシのハイドロカルチャー栽培の方法

テーブルヤシは、土を使わずに育てるハイドロカルチャーという方法で育てるのもおすすめです。ハイドロカルチャーは、粘土を高温で焼いて発泡させたボール状の石、ハイドロボールなどを使って水で栽培する方法です。培養土などを使わないのでテーブルの上に土がこぼれることがなく、衛生的で見た目にもスマートでおしゃれな雰囲気です。
ハイドロカルチャー栽培は、次のとおりです。まず、穴のあいていない容器の底に根腐れ防止剤を敷きます。次に、ハイドロボールを容器の半分ほど入れ、その上に土を落としたテーブルヤシを置きます。その後、根の隙間にハイドロボールを詰め、株がぐらつかないように周囲を少し突き固めたら水を入れます。水の量は容器の1/4ほどが適量です。水はこまめに取り換えましょう。
テーブルヤシが枯れる原因と対策

テーブルヤシが枯れてしまう原因は、いくつか考えられます。ここでは、主な原因と対策について解説します。
根腐れ

テーブルヤシは、水やりのしすぎで根が湿った状態が続くと、酸素が吸収できずに腐ることがあります。根腐れが起こると、葉が変色したり茎がへたったりするで、すぐに植え替えることが重要です。植え替え時には、黒く腐った根は清潔なハサミでカットしましょう。
根腐れを防ぐためには、常にジメジメとした環境にしないことが大切。水やりは、表土が乾いてから(特に冬は表土が乾いてさらに数日たってから)行うようにしましょう。
葉焼け

テーブルヤシの葉は薄いため、強い日射しに当たると葉焼けを起こしやすいので注意。葉が茶色くなり、カラカラの状態になると、元に戻すことはできません。傷んだ葉をカットして、強い日光が当たらない場所に移動します。
根詰まり

テーブルヤシの成長はゆっくりですが、根が伸びる速度は速いため、定期的な植え替えが必要となります。植え替えを行わないと根詰まりを起こし、最終的には枯れてしまうことも。
鉢の底から根が出てきたときや、土が水をなかなか吸収しないときは、根詰まりしている可能性があります。その場合は、すみやかに一回り大きな鉢に植え替えましょう。根詰まりを起こさないよう、2~3年に1回は植え替えることが重要です。
テーブルヤシを大きくしないコツ

テーブルヤシの株を小さく保つためには、植え替えの際に根を1/3ほど落とし、同じサイズの鉢に植え付けます。また、肥料はあまり与えないようにして、光の強すぎない明るい日陰で管理しましょう。
テーブルヤシで室内をおしゃれな雰囲気にしよう

テーブルヤシは小型で耐陰性もあるので、室内で育てるのにぴったりの観葉植物です。育てやすく流通も多いので、初心者の方にもおすすめです。細い葉が涼しげな樹姿はモダンな雰囲気で、アジアンテイストなどにも合わせやすく、グリーンインテリアとして活躍してくれます。テーブルヤシを育てておしゃれなインテリアに挑戦してみてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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