育てた人だけの喜び! 抽出不可能な官能的香りを持つピオニー
アネモネ咲きと呼ばれるゴージャスな大輪種。
数ある植物の中から今、注目の植物をピックアップするシリーズ「Now blooming」。ガーデナーや育種家、ナーセリーなど、植物の達人たちへの取材を元に編集部がセレクトした植えどき・買い時・咲き時のオススメ植物をご紹介します。今回はゴージャスに咲くピオニーをピックアップ。
目次
ピオニーの香りは育てた人だけの特権!

初夏の庭でゴージャスに咲き誇るピオニー(シャクヤク)の花。この花に香りがあることはご存じですか。清らかに甘く、ふんわり優しく、けれども記憶に残るこの花の香りは、実に残念なことにその天然成分を抽出することができません。バラやラベンダーなど、香り成分が抽出できる芳香植物は、抽出したエッセンシャルオイルや蒸留水が香水や化粧品に使用されますが、ピオニーはその香りを調香の技術で再現することしかできないのです。
それでもなお、名だたるメゾンや化粧品メーカーがその香りを再現しようと試み、「ピオニー」の名の商品を数多く登場させているということは、それだけピオニーの香りが魅力的であるということの証明に他なりません。ピオニーの本物の香りを知りたいのなら、方法は一つ。自分で育てるのみ。育てた香りのピオニーをブーケにして、大切な人にプレゼントしてみてはいかがですか。
<フレグラント・ピオニーのリスト10>
- ダッチェス・ド・ヌムール
- キャサリン・フォンテン
- スカーレット
- ビッグベン
- 華燭の典
- サラベルナール
- ソルベット
- モンシェリー・ジュレスエリー
- インスペクター・ラバーン
- 富士

咲き方に豊かなバリエーション
あなたはどれが好き?
ピンポン玉のような丸いツボミがほどけ始めると、内側から溢れ出るように花びらを咲き開くピオニー。ふっくらと美しい夢のように咲くこの花は、古くから人々を魅了し続けてきました。ヨーロッパでは15世紀フランドル派の画家たちが好んでピオニーを題材とし、ナポレオン皇后ジョゼフィーヌもマルメゾンの庭にたくさんのピオニーを植えさせたと伝えられています。
ピオニーは花姿の似ているボタンとよく間違われますが、ボタンは低木。ピオニーは宿根草なので冬になると地上部は枯れて根だけが地中に残り、翌春再び地上に赤い芽を出します。成長するに従い緑色の葉を茂らせ、5〜6月にはまた素晴らしい花を咲かせます。英国ビクトリア朝時代の貴婦人たちがこの花に熱狂したおかげで、19世紀後半には新品種が次々に生み出されました。現在の品種数はなんと3,000種以上。花の咲き姿も八重咲きや一重咲きなど、素朴なものや妖艶な雰囲気を持つものなど個性豊か。花の最盛期は短く、見事な花の終焉には実に名残惜しい気持ちにさせられますが、早咲きから遅咲きまでを取り揃えて、観賞期間を伸ばすことも可能です。シャクヤクの花苗は秋と春に出回ります。通信販売では秋が出荷時期。カタログやネットからお気に入りの花を見つけてみてくださいね。





Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
Photo/ 1)Irina Mosina/2)zzz555zzz 3)Irina Vertuzaeva/ 4)V J Matthew/ 5)alex172/ 6)Pelevina Ksinia/ 7)Hannamariah/ Shutterstock
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