- TOP
- 花と緑
- 観葉・インドアグリーン
- 植物を素敵に見せるインテリア【槇谷桜子のMY Botanical Life3】
植物を素敵に見せるインテリア【槇谷桜子のMY Botanical Life3】

キッチンにはフェイクグリーンが紛れています。さて、どれでしょう?
観葉植物をお部屋に飾る時、「インテリアに合わせて観葉植物を選ぶ」方法や、私のように家づくりの時点から意識し、「植物が素敵に見えるインテリアを考える」方法もあると思います。今回は後者の、私の植物×インテリアのお話しをしたいと思います。
私は職業にしてしまうほどに、植物大好き人間です!
育てることも好きだし、そのフォルムも癒しをくれるところも大好きですが、植物自体の生命力や自然が持つ力が、最も根源的に惹かれる理由かもしれません。もちろん、室内には植物があって当たり前の暮らしをしており、インテリア選びも植物との相性や植物が素敵に見えるかどうかが選択の基準の一つになっています(別記事『槇谷桜子の古民家グリーン・リノベーション』でも植物と暮らすための工夫をたくさん盛り込んで書いていますので、ご参考に!)。
目次
植物の背景となる壁の色へのこだわり

日本の家では壁色は白が主流で、それはとてもグリーンが映える色でもあります。植物が生き生きと見え、澄んだ空気感を演出できます。
でも、私が採用したのは、土の色のようなアースカラー。
ワンポイントで植物を飾るのではなく、たくさんの植物と暮らすイメージが私の中にあり、それは森のような自然界で見るさまざまなグリーンの集合体で、それには白よりもアースカラーがしっくりくるように思ったのです。そこで、メインルームは全て塗り壁にすることにしました。色の配合は、自分たちで5パターンほど試作し、その中からイメージにぴったりの色を決定しました。

私の一番好きな色は、グレー。
グレーに黄味を足した‘グレージュ’が我が家の壁の色であり、私の運営する園芸店「Junk sweet Garden tef*tef*」のテーマカラーでもあります。植物の自然体としてのよさを空間全てで感じられる壁色になったと思います。
別の箇所では、グレーそのものを壁色にしました。本来、これは塗り壁をする前の段階の下地の素材ですが、きれいに整えずイイ感じの荒々しさをそのまま生かしています。
さらに、壁色のグレーよりワントーン濃い色の腰壁を張ることで、壁に色のグラデーションをつくり、南からの日照が多く射し込むこの小さなスペースを、植物をまとめて飾るサンルームのようにしました。
欠かすことのできない水やりへの工夫

多くの植物と暮らすということは、それだけ世話をする作業も増えます。その中でも、日々の水やりは一番欠かせないものです。
メインルームは全面土足ゾーンですので、多少土が落ちようが問題ありません! 毎日の葉水には美容用のミストスプレーを愛用しています。普通の霧吹きでは床に多くの水が落ちてしまったり、植物の細かな部分まで届かないことがありますが、細かな霧状になるミストスプレーは、植物を育てるのにとても重宝しています。モルタルで固めた土間は水をはじきますので、思う存分葉水を吹きつけても、カビが発生することもありません。おかげで、ストレスフリーで植物の世話ができます。
またキッチンシンクの下には、鉢植えの水やり用のジョウロに直接水が汲めるよう、蛇口を設置しています。大きめのジョウロにもスムーズに水を汲めるので、何往復もすることなく、水やりができます。

一番活用度の高かったのは、キッチンにつくった排水用のグレーチングでした。これは設計当初は植物用ではなく、土間キッチンを掃除する際、一気に床をブラシで水洗いするためのものでしたが、たっぷりと水やりをした鉢植えの水切り場所として、大活躍しています!
鉢には受け皿をセットしていますが、植物のために土中の空気や老廃物を外へ出し、新しい酸素を入れるために、鉢底から溢れるくらいに水をあげる日をつくっています。その際、鉢底から水が出なくなるまで、このグレーチングの上に置いておけば、水は排水溝へ流れ、周りを濡らすことなく屋外と同じ感覚で水やりすることができます。
土間をつくる建築デザインも増えている中、植物を育てるスペースとしても取り入れてもらうと、そのメリットは想像以上です!
植物たちのステージ

メインルームの北側には小上がりになっているインナーテラスをつくりました。ここは植物たちのためのスペースです。
大きい植物も吊り下げる植物も、ここに大集合です。壁には支えの足のないフローティングの飾り棚を足場板で造作しました。小さめの植物を飾ったり、雑貨を飾ったり♪
また木製なので、フックを打ち込んでエアプランツのような植物を吊り下げることもできます。私は必要な時に押しピンを刺してフック代わりにし、植物を吊り下げています。
フェイクグリーンを上手に使ってみよう!

室内には、そこに緑があればいいなと思っても、どうしても植物の生育に適さない場所ってありますよね。
そんな時には、フェイクグリーンという手があります!
植物の生命力が好きなのに、フェイクグリーン?! と思われるかもしれませんが、人形に愛情が湧くように、不思議とフェイクグリーンにも愛情を感じている私がいます(笑)。
ここはメインルームの中心にあるキッチンで、もちろん料理をするので油も飛び、植物にとっては過酷な場所です。
私は換気扇の上というデッドスペースになっている部分にフェイクグリーンのエアープランツを飾っています。エアープランツは土のいらない植物ですので、フェイクも本物も飾り方が変わらず、違和感なく空間に溶け込めています。我が家に来られた方は本物と勘違いし、フェイクグリーンと知ると驚かれます!
あからさまに人工的なフェイクグリーンは好みではありませんが、クオリティーが高く、植物の品種を正しくセレクトすれば、空間を演出するアイテムとしてよい選択肢の一つだと思っています。
Credit
写真&文 / 槇谷桜子
まきたに・さくらこ/‘大人可愛い’をテーマにした「Junk sweet Garden tef*tef*」とクールでスタイリッシュな観葉を扱う「BOTANICAL GREEN」、2つのWebプランツショップのオーナー。高校1年生の娘と小学校4年生の息子がいるアラフォー。花好きが高じてショップを始めて10年、仕事と家庭を両立させながらショップを展開中。繊細で絵画的な寄せ植えにファン多数。
「BOTANICAL GREEN」https://shop.teftef.biz/shopbrand/ct273/
- リンク
記事をシェアする
新着記事
-
ガーデン&ショップ
バラ咲くシーズンも間近! 特別な時間を過ごせるバラ園「横浜イングリッシュガーデン」 ロ…PR
バラ咲く季節はもうすぐです! 希少なアンティークローズから最新品種まで2,200品種、2,800株のバラをコレクションする「横浜イングリッシュガーデン」では、バラの開花に先駆けて「ローズ・フェスティバル2025」(…
-
ガーデン&ショップ
都立公園を新たな花の魅力で彩る「第3回 東京パークガーデンアワード」都立砧公園【花盛りの4月】
新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテストとして注目されている「東京パークガーデンアワード」。第3回コンテストが、都立砧公園(東京都世田谷区)を舞台にスタートし、春の花が次々と咲き始めています。…
-
イベント・ニュース
【5月の連休は横浜へ!】日本最大級の園芸イベント「横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2025」に出かけ…
日本最大級として大盛況の園芸イベント「横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2025」が今年も5月3日(土)〜5日(月)の3日間、開催決定! 場所は、2027年国際園芸博覧会の開催を控える横浜市。多彩なコンテ…