トップへ戻る

軽やかな花が咲くセントーレア! 育て方のポイントやヤグルマギクとの違いを解説

軽やかな花が咲くセントーレア! 育て方のポイントやヤグルマギクとの違いを解説

Pyrus Communis/Shutterstock.com

花茎を長く伸ばした頂部に、楚々とした印象の花を咲かせるセントーレア。この記事では、セントーレアの基本情報や特徴、名前の由来や花言葉、育て方のポイント、ヤグルマギクとの違いなど、多岐にわたって解説します。

Print Friendly, PDF & Email

セントーレアの基本情報

セントーレア
Helga Fluey/Shutterstock.com

植物名:セントーレア
学名:Centaurea
英名:Centaurea
和名:宿根ヤグルマギク
その他の名前:セントーレア
科名:キク科
属名:ヤグルマギク属(セントーレア属)
原産地:ヨーロッパ、アジア、アフリカなど
分類:宿根草(多年草)

セントーレアの学名は、Centaurea(セントーレア)。キク科ヤグルマギク(セントーレア)属の多年草です。原産地はヨーロッパ、アジア、アフリカで、乾燥した気候を好みます。寒さには強く、高温多湿の日本の夏はやや苦手。草丈は種類によって異なり、50〜120cmです。種類や園芸品種がさまざまに揃うため、購入時にラベルなどで株幅や草丈をチェックしておくとよいでしょう。種類によってはシルバーリーフとして楽しめるものもあります。ガーデニングで親しまれているヤグルマギク(コーンフラワー)と似ていますが、それもそのはず。同じセントーレア属なので、ヤグルマギクも学名のセントーレア・シアヌスと呼ぶべき……というとややこしいため、国内では流通名が定着している一年草のヤグルマギクと区別し、それ以外の多年草をセントーレアと呼んでいます。

セントーレアの花や葉の特徴

セントーレア
APugach/Shutterstock.com

園芸分類:草花
開花時期:5〜8月
草丈:50〜120cm
耐寒性:強い
耐暑性:やや弱い
花色:青、紫、ピンク、白、黄、茶、複色など

種類によって開花期はさまざまですが、基本的には5〜8月です。花や葉も種類によってかなり異なりますが、花茎を長く伸ばした頂部に小さな花が集まって咲く集合花となります。葉は細長い葉のものや、細かく切れ込みが入るもの、産毛を多数まとったシルバーリーフなど多様です。

セントーレアの名前の由来や花言葉

セントーレア
Alex Manders/Shutterstock.com

セントーレアは、学名のCentaureaをそのまま呼んでいます。ギリシア神話を由来とし、ケンタウロス族のケイローンがこのセントーレアを薬草として用いていたことにちなんでいるようです。セントーレア・モンタナの花言葉は、「幸福」「優雅」「繊細な心」「信頼」などがあります。

セントーレアの主な種類・園芸品種

‘ピンクダスティーミラー’
‘ピンクダスティーミラー’。Opachevsky Irina/Shutterstock.com

セントーレアは、さまざまな種類や園芸品種が揃います。ここでは、主に流通しているセントーレアをご紹介します。

セントーレア・モンタナ

原産地はヨーロッパ。ボール状のかたいつぼみが開くと、細い花弁が展開して花火のようなユニークな花姿が現れます。花色は青、紫が基本で、園芸品種ではピンクや白も揃います。草丈は20〜40cm。

‘ピンクダスティーミラー’

セントーレア・ギムノカルパの園芸品種。花色はピンクで、アザミに似た花姿をしています。葉は白い産毛で覆われ、シルバーリーフとしての観賞価値が高いのが特徴。多数の切れ込みが入る繊細な葉姿はシロタエギク(ダスティーミラー)に似ていますが、別種です。草丈は60〜100cm。

‘マジックシルバー’

セントーレア・キャンディッシマの園芸品種。花色は鮮やかな黄色で、花茎を伸ばした先にアザミに似た花が咲きます。粗く切れ込みの入る葉は産毛をまとっており、美しいシルバーリーフが楽しめます。草丈は30〜50cm。

セントーレアの栽培12カ月カレンダー

開花時期:5〜8月
植え付け・植え替え:3月下旬〜4月中旬、10月頃
肥料:10月頃

セントーレアの栽培環境

セントーレア
photoPOU/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。日当たりが悪い場所では、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとしたか弱い茎葉ばかりが茂って草姿が間のびしたりするので注意しましょう。

【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。

【置き場所】酸性に傾いた土壌を嫌う性質があるので、苦土石灰をまいて土壌改良しておくとよいでしょう。

耐寒性・耐暑性

種類にもよりますが、寒さには強いほうで、セント―レア・モンタナなどはマイナス15℃くらいまで耐えます。一方で、夏の高温多湿の気候がやや苦手なので、水はけのよい土壌で、風通しよく管理しましょう。セントーレア・ギムノカルパやセントーレア・キャンディッシマなどは、あまり耐寒性が高くないので、霜対策をするとよいでしょう。

セントーレアの育て方のポイント

用土

土
blueeyes/Shutterstock.com

【地植え】

植え付ける1〜2週間前に、酸性土壌を改善するために苦土石灰をまき、さらに腐葉土や堆肥などの有機質資材を植え場所に投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておきます。水はけの悪い場所では、川砂やパーライトなどを施して土壌改良し、周囲より土を盛っておくとよいでしょう。土に土壌改良資材や肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。

水やり

水やり
Osetrik/Shutterstock.com

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の表土を狙って与えてください。

真夏に水やりする場合は、気温が上がっている昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。

【地植え】

植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。セントーレアは多湿を嫌う性質とはいうものの、乾燥しすぎると弱るので、水切れしないようにすることが大切です。しかし、いつもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたのを見はからってから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。

肥料

肥料
New Africa/Shutterstock.com

【地植え】

植え付けの際に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。10月頃に、株の周囲に緩効性肥料をばらまき、軽く耕して土に馴染ませます。

【鉢植え】

植え付けの際に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。鉢栽培では肥料成分が水やりとともに流失しやすいので、つぼみが見え始めた頃から開花期が終わるまで、2週間に1度を目安に、液肥を与えて株の充実を図ります。

注意する病害虫

【病気】

セントーレアに発生しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病などです。

うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。

灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほどで、多湿の環境下にて発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合いすぎていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合いすぎている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。

【害虫】

セントーレアに発生しやすい害虫は、アブラムシ、アザミウマなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

アザミウマは花や葉につき、吸汁する害虫です。スリップスの別名を持っています。体長は1〜2㎜ほどで大変小さく、緑や茶色、黒の姿をした昆虫です。群生して植物を弱らせるので注意しましょう。針のような器官を葉などに差し込んで吸汁する際にウイルスを媒介するので、二次被害が発生することもあります。被害が進んだ花や葉は傷がついてかすり状になって、異変が見られるのでよく観察してみてください。花がらや枯れ葉、雑草などに潜みやすいので、株まわりを清潔に保っておきます。土に混ぜるタイプの粒剤を利用して防除してもよいでしょう。

セントーレアの詳しい育て方

苗の選び方

セントーレアの苗を選ぶときは、茎葉の節間が詰まってがっしりとしており、葉色が濃くて勢いのあるものを選びましょう。

植え付け・植え替え

ガーデニング
Vasyliuk/Shutterstock.com

セントーレアの植え付け適期は一般地で3月下旬〜4月中旬、10月頃です。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、ポットから苗を出して根を傷めないように植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、約30cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。

庭植えの場合、環境に合ってよく育っていれば植え替えの必要はありません。

【鉢植え】

鉢の大きさは、6〜7号鉢を準備します。鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。セントーレアの苗を鉢に仮置きして高さを決めてから、苗をポットから出して根鉢を崩さずに植え付けます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2~3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。

鉢栽培では、成長とともに根詰まりしてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、軽く根鉢をくずして新しい培養土を使って植え直しましょう。

日常のお手入れ

剪定
mihalec/Shutterstock.com

【花がら摘み】

開花期間が長いので、花がらがあれば早めに花茎の元から切り取りましょう。株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして長く咲き続けてくれます。

【切り戻し】

開花期が終わった頃、株姿が乱れていたら草丈の半分くらいまで切り戻します。

夏越し・冬越し

セントーレア
Iva Vagnerova/Shutterstock.com

●夏越し

【地植え】

日本の夏の高温多湿を苦手とするので、植え付け前に水はけのよい土づくりをしておきましょう。梅雨前か夏前に茂りすぎて込み合っている部分があれば、間引くように茎葉を切り取って、風通しをよくしておきます。真夏の強い日差しに弱るようであれば、遮光ネットを張るのも一案です。

【鉢植え】

高温多湿を苦手とするので、半日陰で風通しのよい場所に移動します。午前のみ日が差す東側や、強い日差しが照りつけない軒下などがよいでしょう。

●冬越し

【地植え】

セントーレアは基本的に寒さには強く、種類によってはマイナス15℃くらいまで耐えるので、一般地であれば、庭植えにしたままで越冬できます。凍結すると根が傷むことがあるので、バークチップなどを株元に施すマルチングをしておくとよいでしょう。寒冷地では鉢に植え替え、暖かく日当たりがよい場所へ移動します。

【鉢植え】

種類によってはマイナス15℃くらいまで耐えるので、一般地であれば戸外で越冬できます。日当たりのよい場所で管理し、冬は乾きにくくなるので水やりは控えめにします。寒冷地では暖かく日当たりがよい場所へ移動します。

セントーレアの増やし方

種まき
Vladyslav Lehir/Shutterstock.com

セントーレアは、挿し芽や株分けで増やせ、こぼれ種で自然に増えることもあります。ここでは、挿し芽と株分けの方法についてご紹介します。

挿し芽

挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽で増やせるものとそうでないものもありますが、セントーレアは挿し芽で増やせます。

セントーレアの挿し芽の適期は、5〜7月です。新しく伸びた枝を10cmほど、切り口が斜めになるように切り取ります。水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を半分くらい取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水を入れて十分に湿らせておきます。培養土に穴を開け、穴にさし穂を挿して土を押さえてください。明るい日陰に置いて適宜水やりをしながら管理します。発根したら日当たりのよい場所に移動し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

株分け

セントーレアの株分けの適期は9月下旬〜11月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りを図ります。株を掘り上げて地際から出ている枝を4〜5本ずつつけて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。

セントーレアとヤグルマギクの違いとは

国内では、セントーレアはキク科ヤグルマギク属(セントーレア属)のうち多年草を指し、ヤグルマギクは一年草を指すのが一般的となっています。ここでは、一年草と多年草の違いについてご紹介します。

セントーレアは多年草(宿根草)で複数年楽しめる

セントーレア
Lancan/Shutterstock.com

セントーレアは多年草(宿根草)に分類され、一度植え付ければ越年して毎年開花期する、ライフサイクルの長い植物です。年々成長して株も大きくなります。ただし、多年草だからといって永続的に生き続けるというわけではなく、種類によっては数年で衰退するものもあります。株分けや挿し芽などで更新を図るとよいでしょう。セントーレアは半常緑〜常緑で、種類によって冬に葉を一部落とすものや、冬でも美しいエバーグリーンを楽しめるものがあります。

ヤグルマギクは一年で枯れる

ヤグルマギク
mayu85/Shutterstock.com

ヤグルマギクは一年草に分類されており、種まきから一年以内に枯死するライフサイクルをたどります。秋に種をまいて育苗し、晩秋に定植して冬越しさせ、翌春の生育期に入ると4〜5月に開花。夏の暑さは乗り切れずに枯死します。ヤグルマギクは元々ヨーロッパで麦畑などに現れる雑草として、「コーンフラワー」と呼ばれてきました。雑草とはいえ、花が美しいので園芸用に品種改良されて観賞用として愛されています。一年草ですが、こぼれ種でよく増えるため、翌年以降も楽しめるケースも多いです。

セントーレアで庭に彩りを添えよう

セントーレア
Monika_1/Shutterstock.com

セントーレアは種類や園芸品種が多様に揃い、選ぶ楽しみがあります。夏越しさえ上手にできれば、育てやすい草花の一つなので、庭やベランダに迎え入れてはいかがでしょうか。

Print Friendly, PDF & Email

人気の記事

連載・特集

GardenStoryを
フォローする

ビギナーさん向け!基本のHOW TO