花粉症対策にも⁉ ビタミンCたっぷりローズヒップ入りミニパウンドケーキ

いまでは国民病ともいえるほど、多くの人が悩まされる花粉症。せっかくの春の陽気も、ムズムズしてしまってはなかなか楽しめません。そんな花粉症に効果があるとされるのがビタミンCです。ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さんが、ビタミンCをたっぷり含むローズヒップ入りのミニパウンドケーキの作り方をご紹介します。愛犬も一緒に食べられるレシピで、甘くないので朝食にもぴったり。美味しくビタミンCを摂取しましょう!
目次
春は花粉症の季節
暖かい春の陽気は嬉しいのに、花粉症が厳しいと辛い季節でもありますね。
愛犬あんの散歩に出かけると、私もムズムズ苦しいですが、あんもくしゃみを連発して、すれ違う人からクスクス笑われています。
あんの場合、花粉症なのかどうかはっきりとは分かりません。でもどちらにしても、ムズムズしてスッキリしないのは確かなようです。
人間も犬も辛い季節です。
花粉症にビタミンC
花粉症を引き起こすのは、ヒスタミンという化学物質です。花粉が体内に侵入してヒスタミンなどが分泌されることにより、アレルギー症状が引き起こされます。
この花粉症対策として注目されているのが、ビタミンC。ビタミンCには、血中ヒスタミン濃度を減少させ、鼻炎や花粉症などのアレルギー症状を軽減する作用があるという研究結果もあるのだそう。また、皮膚や粘膜の損傷を防ぐ効果も期待できます。
ビタミンCは、ストレスにさらされることで急速に消費されます。ビタミンCが不足すると、病気に対する抵抗力が下がって風邪などの感染症にかかりやすくなったり、肌のハリやツヤが失われてしまいます。腸内環境を整備して免疫力を高め、アレルギー症状を和らげるためには、積極的にビタミンCを摂ることが有効だといわれています。
ローズヒップ

ビタミンCといえば、ローズヒップ。別名「ビタミンCの爆弾」と呼ばれているくらいです。ローズヒップはレモンの20〜30倍のビタミンC、フラボノイド、ペクチンなどを含み、ビタミンCの補給、利尿作用、緩下作用を目的に利用されます。
ちなみにヒップ(hip)とは、ローズの果実のこと。ローズはバラ科ロサ属(Rosa)の植物の総称で、ロサ属には400以上の種や亜種、変種などがあります。これらの果実は全てローズヒップと称しますが、ローズヒップの代表はロサ・カニナ(Rosa canina L.)の果実です。その昔、狂犬病の犬に噛まれた際に用いられていたため、別名「ドッグローズ」とも呼ばれています。
ローズヒップ入りミニパウンドケーキ

ビタミンCたっぷりのローズヒップを使って、愛犬と一緒に食べられるミニパウンドケーキを作りませんか? ノンシュガーで甘くないので、朝食にもぴったりです。

<材料>
パニムール(ポプラ製焼き型)11.5×6×3.5cm 2個分

- ローズヒップ 8g
- お湯 大さじ2ぐらい(ローズヒップがひたる程度)
- 薄力粉 100g
- ベーキングパウダー 小さじ1
- 卵 1個
- 無糖ヨーグルト 大さじ2
- オリーブオイル 小さじ1
<作り方>
1.ローズヒップにひたるぐらいのお湯を注ぎ、しばらく置いておきます。

2.卵をボウルに割り入れて、よくかき混ぜます。
3.オリーブオイル、ヨーグルトを順に入れて、それぞれよく混ぜます。

4.薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるいます。
5.1のローズヒップを汁ごと生地に入れ、4の粉類も加えて、一緒にさっくりと混ぜます。


6.型に流し入れ、180℃のオーブンで17分ほど焼きます。


出来上がり。

犬に与える際は、食べやすい大きさに切り、食べすぎに注意しましょう。

犬はビタミンCを体内合成するけれど……
犬たちは、自分の体内でビタミンCを作っています。犬だけでなく、猫、牛、馬、ウサギなどの哺乳類は、体内でビタミンCを合成することができます。一方、人間など霊長類、モルモットは合成できません。
ただし、犬の場合、その合成できる能力は馬などの他の動物に比べると低いそうで、犬は少ないビタミンCを上手にやりくりして消費しているということです。
犬の体内でビタミンCはどうやって作られているかというと、炭水化物の消化によりできたブドウ糖が、肝臓でいくつかの工程を経て最終的にビタミンCになります。したがって、食事で十分なグルコースが含まれていれば、それでまかなえると考えられてきましたが、肝機能が低下している、高齢になってきた、ストレスがある、などの場合は、合成される量が非常に少なくなることもあるそうです。
ビタミンCの合成には酵素グルコノラクトナーゼ(GNL)という酵素が必須で、これは年齢と共に減少するため、「加齢→酵素GNLの減少→体内のビタミンC減少→老化」とつながります。ビタミンCが不足すると老化が進み、白内障、足腰の衰え、認知症などいろいろな症状も心配しなくてはなりません。
愛犬あんは10歳。シニア期になっています。ビタミンCの補給にも注意して、老化の進行を少しでも遅らせる、緩和するようにしていきたいと思っています。
また、犬だけでなく、人間も同じようにビタミンCを積極的に摂らないといけないですね。

参考:『メディカルハーブの事典』林真一郎(編)
Credit
写真&文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -

うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
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