二十四節気で12月22日頃のことを”冬至”といいます。一年で最も夜が長い冬至。「柚子湯に入れば風邪をひかない」ことはよく知られていますが、冬のユズの活用方法はこれだけではありません。ユズを暮らしの中でもっと活用して、冬を元気に過ごしましょう。
目次
二十四節気 冬至 12月22日頃
冬のユズ活用
柚子湯の科学的効能
冬至に柚子湯に入る習慣は、冬を元気に過ごすための先人たちの知恵です。古代より柚子湯には、その香りや薬効で身体を清めるという禊(みそぎ)の意味があるとされてきましたが、実際、その効能は科学的にも証明されています。
何も入れない普通のお湯と柚子湯を比較したところ、入浴後の血管拡張に4倍の差が認められ、深部体温にも0.6℃の差が生じました。そして、その理由がユズの精油成分にあることもわかっています。ユズにはリモネンという血管拡張効果のある成分が含まれ、これがお湯に溶け出すことで、何も入れないさら湯より身体が温まるというわけです。精油は皮に多く含まれているため、柚子湯は皮のみでOK。成分が溶け出しやすいよう、お湯をため始める時からお風呂に入れておくのがポイントです。
自家製ユズを食卓に
柚子湯にはお風呂の他に、「柚子茶」の意味もあります。柚子茶とは砂糖で煮詰めた柚子シロップをお湯で薄めた飲み物。ユズの爽やかで優しい香りが蒸気とともに立ち上り、冷えた身体を温めてくれます。また、柚子なますや大根の柚子味噌かけなどの和食や、ユズ・ピールといったお菓子など、食卓でも大いに活躍してくれます。市販されているユズの多くは「ホンユズ」といわれる種類で、実を付けるまでに時間がかかります。一方、別種の「ハナユズ」は一才柚子(イッサイユズ)と呼ばれ、実は小さいものの1年目から果実が楽しめる種類です。いずれも耐寒性があり育てやすく、庭に植えると代々、家が繁栄する縁起樹ともいわれていますから、庭やベランダで、1本育ててみてはいかがでしょう。

ユズを育ててみよう

常緑小低木。柑橘類の中では耐寒性が強く、病気にかかることも少ないため、無農薬栽培で育てやすい果樹。1本で実をつけます。

ホンユズより短期間で実りが得られます。果実は小ぶりですが香りがよく、丸ごとか半分に切って甘露煮などで楽しめます。

ユズは5〜6月に白く甘い香りのする花を咲かせます。この頃からアゲハチョウの幼虫が葉を食べ始めるので、丸坊主にされないようご注意。

完熟する前の、夏から晩夏にかけてのユズです。青い果皮はすりおろし、青唐辛子、塩と合わせれば「柚子胡椒」ができます。
ユズ・ピールを作ろう
砂糖で煮詰めるユズ・ピールは保存性がよく、そのままでももちろん、ケーキやクッキーなどのお菓子作りの素材としても重宝します。ホットチョコレートにもオススメです。
ユズ・ピールの作り方
【材料】ユズの皮、砂糖(皮の30%)、グラニュー糖少々
- 1/4に切ったユズの皮を一晩水に浸けて、苦味を抜きます。
- 皮の内側のふやけた白い部分をスプーンで取り除きます。
- 2回ほど鍋で沸騰させて茹でこぼします。
- 皮を鍋に戻し、砂糖を加えて中火で焦がさないよう煮詰めます。
- 細切りにして天板に並べ、乾燥させるために100度のオーブンで20分ほど加熱します。
- 冷やしてからグラニュー糖をまぶせば完成。

Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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