お正月の朝にいただくおせち料理には、一年間の家族の幸せを願う気持ちが込められています。大切な家族の一員である愛犬も、一緒におせち料理が楽しめたら素敵ですね。ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さんは、犬も食べられる食材を使って、お正月らしいお煮しめを手作り。人間用のおせちと同時進行で作れるので、忙しい年末にもチャレンジできます。新しい年の始まりにふさわしいおせち料理を、愛犬と一緒にいただきませんか?
目次
おせち料理
お正月を祝う晴れやかなおせち料理。豪華なおせちを購入される方も多い昨今ですが、やはりおせちは手作りで、というご家庭もあることと思います。
「おせち料理」は、もともとは季節の変わり目の節句に神様にお供えしたもの。節句の中でもお正月が一番重要であることから、やがて「おせち料理」といえば正月料理をさすようになったとのことです。そして、おせち料理は、家族の幸せを願う縁起ものの料理でもあります。五穀豊穣、子孫繁栄、家族の安全と健康などの祈りを込めて、山の幸海の幸を盛り込んで作るもの。年に一度いただく機会に、食材や料理に込められた願いを、改めて思い起こしてみましょう。
犬も一緒におせち料理
ペットも大切な家族。お正月には、家族と一緒におせち料理を楽しみたいですね。おせち料理の中で、犬も食べられる食材を使った「お煮しめ」を作ってはいかがでしょうか。あれこれ作るのは大変ですが、お煮しめなら、人間用と同じ食材で同時進行で作れます。
「お煮しめ」は、根菜を中心とした野菜などを一つの鍋で一緒に煮こんで作ることから、「家族仲良く円満でいられますように」との意味が込められています。
犬用お煮しめの材料
- サトイモ
- ニンジン
- レンコン
- ゴボウ
- 干しシイタケ
おせち料理の食材には、一つひとつおめでたい意味やいわれがあります。例えば、お煮しめに使うサトイモやレンコン、ゴボウには、次のような願いが込められています。
サトイモ:種芋から多くの小芋や孫芋ができることから、子孫繁栄の願い
レンコン:複数の穴があいていることから、「将来の見通しがよくなるように」「見通しのよい一年となるように」という願い
ゴボウ:土に深くまっすぐに根を伸ばす様子から、深く根付いて繁栄するようにという願い
お重が一段ではちょっと寂しいので、もう一段作りましょう。こちらには、愛犬あんが好きな卵焼きと鶏胸肉を焼いたものを詰めました。
お正月らしさをアップさせる飾り切り
おせち料理は、見た目もとても華やかですね。本来は地味な野菜も、「飾り切り」という技でとても華やかに変身します。愛犬たちは、見た目の形は気にしませんが、飼い主の気分は盛り上がります。飾り切りをしただけでも、おせち料理らしくなりますよ。
ニンジンのねじり梅
ニンジンを輪切りにし、正五角形になるよう端を切り落とします。五角形の角が花びらの形の尖端になるよう、角と角の真ん中にV地の切り込みを入れ、花弁の切れ目を作ります。花の中央から花弁の切れ目に向かって軽く包丁を入れ、花弁の中央から斜めに切り落としてねじりを入れます。
花レンコン
レンコンは輪切りにして皮をむき、穴と穴の間にV字の切り込みを入れます。
花シイタケ
干しシイタケを戻し、かさの表面に切り込みを入れて、花に見立てます。
サトイモは六方むきにしました。上下を切り落とした後、切り口が六角形になるように側面の皮をむきます。
犬用お煮しめの作り方
犬用お煮しめは、調味料を加えずに作ります。
1.干しシイタケは水で戻し、花シイタケにしておきます。
2.ニンジン、レンコン、サトイモを飾り切りにします。ゴボウは食べやすい大きさに切ります。
3.鍋に材料を入れ、干しシイタケの戻し汁も加えて火にかけます。
4.野菜が柔らかくなったら出来上がり。
5.重箱に盛り付けます。
おせち料理の中身を重箱に詰めるのは、「祝い事を積み重ねる」という意味があるといわれています。
犬が食べる際には、細かくカットして与えましょう。特に、レンコン、ゴボウは柔らかく煮ても、細かくしてください。サトイモも喉をつまらせないように注意してくださいね。
犬用おせち料理事情
人間用のおせち料理と同じように、犬用のおせち料理もお取り寄せができます。
11月頃からでしょうか、予約販売の案内をよく目にするようになります。
パンフレットを見ると、犬用とは思えない豪華さです。例えば、私が見た広告では、次のようなものが。
- 肉派の犬向けに、産地の特定できるブランド肉のステーキ3種と豚フィレ肉のパイ包み焼き、ローストビーフも入ったおせち
- 全国の生産者から直接仕入れた食材を使用し、職人さんが食材そのものの美味しさを丁寧に引き出した、まるで料亭のおせち
- 高齢などで腎臓への配慮が必要な犬も美味しく楽しめるようなおせち
などなど、各社至れり尽くせりのラインナップです。
犬のごはん専門店だけでなく、デパートやコンビニでもオリジナルのおせちを取り扱っています。
犬が食べても安全で安心なもので作られていることが大前提なのですが、私も我が家の愛犬あんに、こんなにおいしそうなご馳走を一度は食べさせてあげたいな、お正月にあんの喜ぶ顔が見たいなと思ったりします。
でも今のところ、あんには、この豪華なおせちのパンフレットは見せていません。
Credit
写真&文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -
うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
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