年末はウコン(ターメリック)が大活躍! 二日酔いのない犬も、ターメリックライスを一緒に!
年末シーズンに入ると、コマーシャルなどで目にする機会が増えるのが、ウコンです。肝臓を守り、二日酔いを予防する作用が期待できるウコンは、また、ターメリックという名でカレーなどに欠かせないスパイスとしても利用されています。ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さんが、今回作るのは、愛犬の好きなご飯を鮮やかな黄色に染めたターメリックライス。肝臓に優しいウコンを使った、エスニックで華やかなターメリックライスは、パーティーシーズンの食卓にもぴったりです。レシピに加え、美しいウコンの花もご紹介します。
目次
強肝ハーブのウコン

肝臓を守り、二日酔いを予防する作用があるといわれるウコン。クリスマスや年末年始のシーズンになると、ウコンを使った商品のCMを目にする機会が増えますね。
生薬として古くから利用されてきたウコンには、さまざまな効果・効能があります。
ジャワ島やバリ島に残る東南アジア伝統の植物療法「ジャムウ」では、ウコンとジンジャーという2種類のショウガ科のハーブが処方の中心となっていて、古くからウコンはアジアを代表する強肝ハーブとして知られてきました。科学的な研究も進んでおり、ウコンに含まれる黄色色素成分のクルクミンは肝臓や胆のうの機能を促し、血中コレステロール値の調整やアルコール性肝炎の予防に効果があるとされています。さらには抗がん作用についても研究が進み、副作用のない抗がん剤の開発が期待されているのだそうです。

また、ウコンには抗菌・防虫効果も。ウコン染めの布は、産着(虫がつかないとか、魔除けのため)や風呂敷(着物や書物を包む)などに使われるほか、タイでは、ウコンに邪悪なものを避ける力があると信じられていて、お坊さんがウコン染めの外衣をまとっているなど、広く利用されてきました。
このように、古くから現代まで、それからまだまだこれから先も、ウコンはさまざまな形で大活躍することでしょう。
犬にもウコン
犬にとっても、ウコンは摂取可能なハーブ。ドッグフードに含まれていたり、犬用サプリメントの商品も販売されています。人間と同じように、前述の効能が期待できるそうです。
ただし、人間の場合も同じですが、長期的に大量のウコンを摂取すると、消化管障害を引き起こす恐れがあります。また、すでに何らかの疾患がある場合は、かかりつけの獣医師に相談してから取り入れるようにしましょう。

人間の場合は、ウコンのパウダーをティーに溶いて飲用することもできますが、犬は香りや苦味が苦手と感じるかもしれません。ウコンは加熱することで、香りや苦みが弱まります。そこで、我が家の愛犬あんの好きなごはんを、ターメリックライスにしてみました。ごはんが好きなわんちゃん、多いですよね。きっとターメリックライスもお気に入りになると思います。

ターメリックライスの材料

ウコン(ターメリック)は、カレー料理には欠かせないスパイスの一つ。香辛料、着色料として使用されています。ちなみに、たくあんの黄色もウコンです。
ターメリックを加えて炊いた美しい黄金色のターメリックライスは、エスニックな雰囲気もアップしますね。ヨーロッパでは、ターメリックは高価なサフランの代用品として用いられています。
犬には香辛料は禁物ですが、ターメリックは大丈夫。少量から始めましょう。
- お米 2合
- ターメリック 小さじ1
ターメリックはスーパーなどで手に入るものを使用しています。
人間が食べるレシピではバターなどを入れますが、犬も食べるので、ターメリックだけで炊きます。
ターメリックライスの作り方

1.お米2合を、通常の炊き方で準備します。
2.水を入れたら、ターメリックを加えてスイッチオン。

炊き上がったターメリックライスに、鶏もも肉のソテーとブロッコリーを添えました。

犬が食べる場合は、ターメリックライスが硬いようでしたら、柔らかく煮返してもいいですね。鶏もも肉、ブロッコリーを小さくカットして、ターメリックライスと混ぜて与えます。
ウコンの花

毎年8〜9月頃、庭にウコンの花が咲きます。秋ウコンです。
植えている場所は家の裏のほうで、日当たりがよいとはいえず、ちょっとじめっとしたところ。蚊がいっぱい出てきそうなので私はあまり近づかないようにしているのですが、そんなところに、美しい真っ白なウコンの花がひっそりと咲きます。
白い部分は苞(花に付随する葉)で、花は、花序基部の緑色をした苞の間から顔を出している黄色い部分です。
フラワーショップで夏から秋にかけて出回る、クルクマという花があります。クルクマは、ウコン属に分類される球根性の多年草で、食用・薬用として栽培されるものを「ウコン」、花を観賞するために栽培されるものを「クルクマ」と呼びます。その花姿が美しいことから、近年は多くの品種が切り花や鉢花として楽しまれています。我が家に咲くウコンも、クルクマに劣らず美しい姿です。
ウコンの葉っぱはどんな姿かというと、大きく1m以上にも成長します。みずみずしく、夏にはとても涼やかで、トロピカルな雰囲気です。

じつは、私はここのウコンを掘り起こしたことはなく、植えっぱなし。まだ、食用となる部分の姿を見たことがありません。どのくらいに成長しているか興味がありますが、毎年きれいな花と、立派な葉を繁らせてくれるので、そちらを楽しみにしているところです。食用・薬用のウコンなのに、我が家では観賞用になってしまっています。
今年はもう地上部は枯れてしまいました。また来年の美しい花を期待して。
参考:『メディカルハーブの事典』林真一郎(編)
Credit
写真&文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -

うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
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