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硬くなったナスも絶品! シェフが教えるナスのケーキと貧乏人のキャビア

硬くなったナスも絶品! シェフが教えるナスのケーキと貧乏人のキャビア

家庭菜園で人気のナスですが、晩夏には皮が硬くなってきますよね。そんなナスも美味しく食べられるレシピを、フランス料理のシェフ伊藤仁美さんに教わります。なんと1品はナスのケーキ!! もう1品は“貧乏人のキャビア”?! 夏から採れまくりで、もうナスに飽きた!という方もぜひ、お試しあれ。新鮮な味に出会えることをお約束します。

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‘貧乏人のキャビア’キャビアドオーベルジーヌの作り方

フランスでは、ナスをキャビアに見立てた「キャビアドオーベルジーヌ」という料理があります。ナスのタネの粒々がキャビアに見えるということから、通称‘貧乏人のキャビア’とも呼ばれて親しまれる定番のお惣菜です。貧乏人だなんてあんまりですが、キャビアというだけあって、それくらい美味しいということ。そのまま食べても、パンにのせても、料理に付け合わせてもバッチリ! なのに、作り方はとても簡単。オーブンでじっくり火を通すだけ。皮を使わないので、硬くなってきたナスもトロリと美味しく仕上がります。

ナス
今回使ったのは、家庭菜園でちょっと採りどきを逃して大きくなったナス。スーパーで買ってくる場合は、2本使うとよいでしょう。

【材料】

  • ナス 1本(大きめ)
  • ニンニク 2片
  • オリーブオイル 適量
  • 生クリーム 大さじ1〜2

【作り方】

キャビアドオーベルジーヌの作り方

① ナスを縦半分に切り、果肉側へ格子状に切り込みを入れます。鉄板にのせ、ナス全体に行き渡るようにオリーブオイルを回しかけます。ニンニクは皮付きのまま鉄板にのせます。

キャビアドオーベルジーヌの作り方

② 200〜220℃のオーブントースターに入れて、柔らかくなるまで20〜30分焼きます。オーブンによって異なるので、焼き色を見ながら時間を加減してください。

【Point!】
焼き上がりは、写真のように褐色に焼き色がつくくらいを目安にしてください。この状態は「キャラメル化反応」といって、ナスやニンニクに含まれる糖分がじっくり加熱されたことにより、甘くて香ばしい香りを発生させます。この香りが料理を劇的に美味しく変化させる秘訣です。ご飯の「おコゲ」の美味しさもキャラメル化反応のたまものです。「おコゲ」のコゲは、「焦げ」ているのとは違います。焦げは炭化してしまうことなので、似たように見えますが「キャラメル化反応」の美味しさは失われてしまいます。

③ ナスがしっかり焼けたら、取り出して冷まし、スプーンで皮から身をこそげ落とします。ニンニクは皮を取り除き、ナスと一緒にスプーンで潰してペースト状にします。生クリームと合わせたら完成。そのままパンに乗せて食べる場合は、塩・コショウで味付けしてください。

キャビアドオーベルジーヌの作り方
そのままでも、パンにのせても美味しいおつまみになります。

キャビアドオーベルジーヌと夏野菜&エビの麺つゆゼリー

キャビアドオーベルジーヌと夏野菜&エビの麺つゆゼリー

キャビアドオーベルジーヌは、マッシュポテトのように重くなく、まろやかなのにみずみずしい食感が特徴。淡白なお肉や魚介類との相性抜群です。今回は、エビと夏野菜を合わせて、麺つゆゼリーをかけた、見た目にも美しい1品をご紹介します。

【材料】2人分

  • キャビアドオーベルジーヌ 大さじ4
  • 夏野菜
    • オクラ 4本
    • 枝豆 5〜6サヤ
    • とうもろこし 少量(缶詰でも可)
    • ズッキーニ 1/3本
    • グレープフルーツ 3〜4房
  • エビ 5〜6尾
  • オレガノの葉 2〜3枚(あれば)
  • オリーブオイル 適量
  • 麺つゆ 30cc
  • 水 70cc
  • ゼラチン 3g

【作り方】

キャビアドオーベルジーヌと夏野菜&エビの麺つゆゼリー

① 麺つゆと水を合わせ、ゼラチンを入れて煮溶かし、冷蔵庫で冷やし固めます(このとき、ゆずなどを入れても爽やかになります)。固まったらスプーンで崩しておきます。

② オクラ、枝豆、とうもろこしは茹でておきます。オクラは食べやすい大きさに切り、枝豆、とうもろこしは実を外します。グレープフルーツは薄皮をむいて1房を1/2〜1/3にカット。

③ 1cmくらいに切ったズッキーニと、むき身にしたエビをオリーブオイルで焼き色がつくくらいに炒めます。

④ 皿にキャビアドオーベルジーヌを敷き、野菜とエビをのせ、崩したゼリーをのせて完成。お好みでハーブを飾っても。

キャビアドオーベルジーヌと夏野菜&エビの麺つゆゼリー
キャビアドオーベルジーヌがまろやかな味わいを加えてくれます。

ナスとレモンのチーズケーキ

ナスとレモンのチーズケーキ

ナスの果肉は加熱するとトロリと柔らかく透明感のある美しい黄緑色になります。レモンと砂糖で味付けすると、まるで甘酸っぱい果物のよう! 市販のクッキーとアイスクリームを活用して、簡単にできるナスのチーズケーキをご紹介します。

【材料】(直径5cm程度のセルクル3〜4個分*ナスの大きさによる)

  • ナス 1本
  • グラニュー糖 30g前後
  • レモン 1個
  • クリームチーズとバニラアイス 各100g
  • ゼラチン 6g
  • クッキー 100g
  • 溶かしバター 30g
  • タイムの葉(あれば) 少々

【作り方】

下準備/バットの上にラップを敷いて、セルクルを乗せます。

① クッキーを砕いて溶かしバターと合わせ、セルクルの底に敷きます。

② ナスの皮をむき、1cm角くらいにカットして水にさらします。レモンは薄皮をむいておきます。

ナスとレモンのチーズケーキ

③ 鍋にバニラアイスとクリームチーズを入れて溶かします。この時、好みで砂糖(分量外)を追加してもOK。ゼラチン3gを加えて少し冷まし、クッキーの上に流し入れて冷蔵庫に入れます。

ナスとレモンのチーズケーキ

④ 鍋に水とナスを入れ、一度沸騰させて水を切ります。もう一度かぶるくらいの水とグラニュー糖を入れ、少し煮てからレモンを入れます。100g分に対して3gのゼラチンを入れ、少し冷まします(ゼラチンの量はナス1本の分量によるので、ここでg数を計ってゼラチンを入れてください)。

⑤ クリームチーズムースの上にナスをのせ、冷蔵庫で冷やし固めます。固まったら型を外し、タイムの葉を散らして完成。

ナスとレモンのチーズケーキ

言われなければナスとは分からない、甘酸っぱく爽やかなケーキです。食感は煮たリンゴのようでもあり、洋梨のようでもあり…。きっと食べた人は正解を知って驚くはずですよ!

ナス
Tatiana Kasatkina/Shutterstock.com

家庭菜園ではナスは10月頃まで採れ続けますが、だんだん皮や実が硬くなってきます。ここでご紹介したレシピを参考に、最後まで美味しく召し上がってくださいね!

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