二十四節気で8月8日頃のことを”立秋”といいます。日差しの照りつけるこの季節、ガーデンで緑陰を楽しみませんか。緑は目も心もホッとさせてくれます。日陰を作り、庭の快適性を高めるアイデアをご紹介します。
目次
ガーデンで「涼」を得る 小さな庭で高木を育てる裏技
樹木は庭の骨格を担い、空間に奥行きや立体感を作り出す大切な要素です。足元に草花だけが咲いているよりも、頭上に緑の枝葉が揺れる庭には安心感も生まれます。とりわけ真夏は、緑陰を提供してくれる樹木があると、庭の快適度は大きく変わります。しかし住宅事情によっては、あまり大木になる樹木は困る場合もあります。そんなときに有効なのが「株立ち」という選択です。通常、30mほどになるケヤキの木も、主幹が一本ではなく、数本に分かれた「株立ち」を選ぶと、土から吸収する栄養が複数の幹に分散するため、成長のスピードと樹高を抑えて育てることが可能になります。
ケヤキのような落葉樹は、家との関係を考慮して庭に配置すると、一年を通して室内に差し込む陽光のコントローラーとしても活躍してくれます。また、真夏に限るなら「グリーンカーテン」も効果的。窓につる性植物を這わせて緑で覆うことで、室内の温度は確実に下がります。定番植物はゴーヤ、アサガオ、ユウガオなど。パッションフルーツやブドウなどの果物も人気です。
ガーデングッズを上手に取り入れよう
さらに、ガーデングッズやエクステリアで、庭の快適性を高めることもできます。近年はパラソルやオーニング(布製のひさし)、リモコン操作で屋根の開閉ができる屋根付きパーゴラなど、機能性やデザイン性の高い商品が増え、選択肢の幅が広がっています。庭の中に屋根のあるスペースができると、日陰という恩恵だけでなく、開放的なリビングルームとしての機能も生まれ、ガーデンライフがより充実したものになるでしょう。
ガーデニング用語 株立ち
地際から複数の幹が立ち上がった仕立ての樹形を「株立ち(かぶだち)」と言います。対して幹が一本のものを「一本立ち」と言います。株立ちの樹木は一本一本の幹が細いため、軽やかさや繊細な雰囲気を演出することができます。ケヤキやヤマボウシ、トネリコ、ヤマモミジ、ソヨゴ、カツラなど多くの高木が株立ちで流通しています。大木になりにくいため、庭木として人気のある樹形です。
ガーデニング用語 グリーンカーテン
窓の外側につる性植物を這わせてカーテン状に仕立てる方法です。つるを絡ませるネットなどの誘引具を使います。横浜市環境科学研究所が行った「緑のカーテンの温度低減効果」の実験によると、緑のカーテンのある部屋とない部屋とでは、室内温度に1.4℃の差が生まれていることがわかりました。パーゴラなどを利用して、庭の中に涼しい緑の小部屋を作ることもできます。
日陰を作るガーデングッズ
スタイリッシュオーニング
オーニングとは可動式の布製のひさしのことで、陽光を遮りたい時にだけ広げ、必要のないときには収納できる仕組みになっています。マルキルックスはドイツの老舗オーニングメーカーで、198色のカラーバリエーションを誇ります。
ポーチガーデン®
屋根付きのパーゴラで、オプションでシェードをつけることができる商品。シェードを取り付けた場合、日向との床温度の差は約11℃。壁面に取り付けるタイプや独立して庭の中に設置できるタイプなど、庭の状況に合わせて設置方法を選ぶことができます。
Credit
文 / Garden Story Exterior 編集部
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