オレンジとビオラの寄せ植え&皮を使ったアロマお掃除の方法

冬の果実の代表、ミカンやオレンジなどの柑橘類。鉢植えなら、ベランダなど限られた空間でも育てられるうえに室内にも移動できるので、寒い地域でも栽培を楽しむことができます。オレンジとビオラの寄せ植えと、食べたあとの皮を使ったオレンジアロマ漂うお掃除方法をご紹介します。
ベランダガーデンにもオススメ! ミカンの鉢植え
「こたつにミカン」は冬の代名詞。簡単に皮がむけていつでも食べられるので、いつの間にかゴミ箱がミカンの皮でいっぱいになったり、食べ過ぎて手が黄色くなってしまった経験をされた人も多いと思います。
ガーデナーにとってもミカンやオレンジは育てやすく人気です。常緑なので一年中観賞でき、秋から冬にかけて庭が寂しくなる季節にも、可愛らしい果実で庭を彩ってくれます。また果実の中では糖度が低いほうなので、鳥に食べられる心配もあまりなさそう。多くの果樹は結実に2株以上必要ですが、ミカンやオレンジは1株で結実するため、ベランダなど限られた場所で育てる人にもオススメです。
鉢植えなら樹勢が抑えられ、地植えよりも早く、小ぶりながら果実が楽しめます。さらに室内にも移動できるので、関東以北でも育てることができます。タネから育てると実がなるまでに長い年月がかかりますが、10月中旬頃から市場に出る「実付き苗」は、購入してすぐに実を楽しむことができるので、初心者でも挑戦しやすいでしょう。
用意するもの
・ミカン(オレンジ)の苗
・ビオラなど季節の花
・10号鉢以上の植木鉢
・用土(ここでは赤玉+腐葉土+有機堆肥を配合しました)

今回使ったのは株があまり大きくならない「リトルオレンジ」。鉢植えで育てやすいサイズ。四季なりで実つきもよい。

オレンジの株元に季節の花を植えて彩りを添えます。右はサントリーフラワーズのフリル咲きビオラ‘ミルフル’、左はビオラ‘ファンシー・ブルー・ラビット’。

内側がプラスチック、外側がバスケットの異素材が一体になった植木鉢。
オランダの老舗バスケットメーカーのもの。直径・高さ約30cm/フローラ黒田園芸
植え方手順

1.用土を入れる前に、鉢底にネット(または鉢底石)を敷きます。元々は鉢穴のないタイプですが、フローラ黒田園芸の店頭では穴あけサービスを行っています。

2.鉢の6分目あたりまで用土を入れ、プラスチック鉢から取り出したオレンジを入れて用土の高さを調整します。


3.オレンジの周りにビオラを植えるので、ビオラの苗の高さに合わせて株まわりに用土を足します。

4.ビオラをオレンジの株まわりに植え、間に用土を入れます。ビオラの葉に土がかからないよう抑えながら、隙間がないように土を入れましょう。

5.水やりをして完成。水やりは、表土が乾いたらたっぷりと。春と初夏、秋に肥料を施します。
ミカンやオレンジの皮で手づくり洗剤に挑戦
大事に育てたミカンやオレンジは、せっかくなら皮まですべて使い切りたいですね。食べた後の皮を集め、お風呂に入れて香りを楽しんだり、砂糖と煮てオレンジピールにするなどの楽しみ方もありますが、実は、お掃除にも優れた効果を発揮するのです。
その成分は、動物性の油分を分解する性質の「リモネン」、アルカリ性の汚れ(洗面台の水垢など)を分解し、細菌の増殖を抑える「クエン酸」、コーティング作用のある「ペクチン」です。市販品でも「オレンジオイル」という名で掃除用洗剤が販売されていますが、ミカンの皮があれば、自分でも簡単につくれます。植物を使った洗剤なので、小さいお子さんがいても安心して使えますね。今年はミカンのよい香りに包まれて、楽しくお掃除しましょう! それではさっそく、それぞれの成分を生かした掃除方法をご紹介します。

オレンジ色の表皮のツブツブが、リモネンの成分を多く含んでいます。

中国ではミカンの皮を乾燥させたものを「陳皮」と呼び、漢方薬の材料として昔から使われてきました。
『ミカンの皮脱臭剤』

<材料>ミカンの皮
<準備するもの>ミカンの皮を入れる袋(使用済みストッキングをカットして詰めたり、また人目につく場所に置くときは、サシェ用袋を手づくりしても素敵です。つくるのが面倒な場合は100円ショップなどでも購入できますよ。

<作り方>ミカンの皮を乾燥させて袋に詰めて完成。

<使い方>
靴箱やコタツの中など臭いの気になる場所に置くと、消臭効果を発揮します。効果が薄くなったと感じたら、また新しいミカンの皮に交換してください。
『ミカンの皮そのまま』を使った掃除の仕方

ミカンの皮を軽く揉み、皮のオレンジ色の部分を汚れにしっかりと当ててこすります。小さいお子さんがいると、テーブルや床にラクガキされてしまうことも。なかなか落ちないクレヨンやマジックの汚れもキレイに落ちますよ!
『ミカンの皮スプレー』
<材料> 水400cc ミカンの皮4個分
<準備するもの> スプレー容器 ザル
<作り方>鍋に水とミカンの皮を入れ15分ほど煮出し、冷ましたものをザルで漉してスプレー容器に入れる。
<使い方>
台所のシンクやフローリングの汚れに吹きかけ、布巾で拭き取ると、キレイに落とせてツヤも出ます。また畳にスプレーして拭き取ると黄ばみを取り、同時に黄ばみ防止にもなります。
煮出したミカンの皮も再利用できます。電子レンジに入れて1分ほどチンして、蒸気がこもっている間にキッチンペーパーで汚れを拭き取ると、電子レンジ独特のニオイも一緒にキレイに取れます。さらにそのミカンの皮で円を描くようにクルクルとシンクをこすると、ピカピカになります。
*保存料が入っていないので、スプレーは2週間ほどで使い切るようにしましょう。
『ミカンの皮オイル』
<材料>ミカンの皮約4個分 消毒用エタノール200㏄
<準備するもの> 材料がすべて入るくらいのフタ付きビン
<作り方>
1.ミカンの皮を白い部分を上にして乾燥させる(ミカンの精油成分が蒸発しないように)。
2.ビンに1を詰めてエタノールを入れる。
3.冷暗所に1~2週間ほど保存し、エタノールがミカン色になったら完成。
<使い方>
換気扇やガスコンロなど、しつこい油汚れに直接塗ってブラシなどでこすります。特にしつこい油汚れの部分は、オイルを塗って少し時間を置いてからこすると落ちやすいです。
*エタノールは蒸発するので、使わないときはしっかりとフタをしましょう。
*オイルを使い切ったら、残ったミカンの皮もお掃除に使えます。
以上のつくり方はミカンだけでなく、オレンジやレモンなどでも代用できます。柑橘類(ミカン属)には同様の成分が入っているので、ぜひこの冬チャレンジしてみてくださいね。
credit
文/本間のぞみ
福島県会津若松市生まれ。デザイン事務所のアシスタントを経てガーデニング雑誌編集部に入社。庭のある暮らしや食に関する記事をつくる中で、さまざまな食のプロに出会い魅了され、和菓子店、ベーグル店、ビストロなどで経験を積む。現在2人の子どもを育てながら、地元の母がつくった会津野菜や食品を使ったレシピの提供、また不定期でoisixのグループ会社ふらりーとの社食弁当も提供中。
写真/3and garden
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