手軽で美味しい! パンのサラダ〜クミン香るイタリアンパセリの「パンツァネッラ」〜

食事は毎日の欠かせないルーティーン。なるべく身体に良いものを、楽しく美味しく食べたいですね。今回は野菜が主役のサラダプレート「パンツァネッラ」を神奈川県葉山で旬の野菜を育て、植物を身近に暮らしながらアンティークバイヤーとして活動中のルーシー恩田さんがご紹介します。カリッと焼いたパンに、トマトのジューシーさとクミン香るドレッシングが良く絡む、ごちそうサラダです。合わせるハーブは栽培も簡単、美味しく便利な「イタリアンパセリ」。実はどんな料理にも合う名脇役ハーブ。栽培と料理、どちらも合わせて挑戦してみてください。
昨日のパンで作る、パンのサラダ「パンツァネッラ」

毎日のサラダがワンパターンで……という時におすすめしたいのが「パンツァネッラ」。
イタリア、トスカーナ生まれのクラシックなサラダディッシュです。コンセプトは昨日買ったパン(固くなったと言う意味)で作るというユニークなサラダ。日本的に解釈すると、冷蔵庫で固くなったお米で作るチャーハンみたいな感覚かしら。
パンを使ったサラダなので朝食にもランチにも、カロリー自制中の晩ご飯にも。野菜も沢山食べられてヘルシー! しっかりとお腹を満たしてくれるサラダです。

本家本元イタリアのレシピでは固くなったパンを水に浸して作りますが、今回はオリーブオイルでカリッと焼いて、美味しく乾燥したパンを再現。パンにトマトのジュースやドレッシングが染み込んで、オッティモ〜♡
簡単に言えば、大きなクルトンが入ったサラダって感じ。食いしん坊なアタシはスープにもサラダにも、クルトンを入れるのが大好き♡ ザクッとした歯ごたえが食欲を誘い、美味しさ&ボリューム倍増です。今回使うハーブは「イタリアンパセリ」。何となく地味で主役級のハーブにはなれないイタリアンパセリちゃん。心地のよい爽やかさと、ほどよい苦みでクセがなく、じつはどんなお料理にも使える名脇役ハーブなのです。
イタリアンパセリとは

ヨーロッパなどでは、「パセリ」と言えばこちらのイタリアンパセリのこと。正確には「flat leaf parsley フラットリーフパセリ」と呼ばれています。一方、日本で一般的なチリチリと丸まった葉先のパセリは「curly leaf parsley カーリーリーフパセリ」と呼ばれています。
余談ですがミツバは英語で「Japanese parsley ジャパニーズパセリ」と呼ばれています。

イタリアンパセリの葉は平たく、ミツバやパクチーにも似たルックス。パセリと比べると香りは爽やかで強めですが、独特な「苦み」は控えめです。パセリ嫌いの方もイタリアンパセリなら気付かずに食べてしまうかも? 料理によっては、パセリの少し固い立体的な食感が口に残る場合がありますが、イタリアンパセリの葉は柔らかいので、生魚のカルパッチョなどソフトな食感の料理と合わせるのに向いています。
栽培も簡単。プランターでも育てられる、おすすめキッチンハーブです。
イタリアンパセリをキッチンハーブに

イタリアンパセリは地中海沿岸を原産とするセリ科の植物。2年目に花を咲かせて枯れる「二年草」です。我が家でも通年欠かさずに育てているハーブの一つ。だって、丈夫で手もかからず優秀! パスタやサラダ、揚げ物に添えたりと、一家に1苗、万能に使えるハーブです。スーパーで買うと数本で数百円。育てればいつでも食べ放題。
種を播くか苗を買うかは貴方次第。数鉢だったら手っ取り早く、ホームセンターなどで苗を買うことをおすすめします。イタリアンパセリは、園芸ハーブコーナーに大体売っているスタメン選手。

栽培方法はとっても簡単。鉢植えでも元気に育ちます。野菜やハーブ用の土をホームセンターなどで買い、お気に入りの鉢に植えて、キッチンやベランダに。日当りのよいところを好みますが、乾燥を嫌うので土が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。とはいえ夏の強い日差しはちょっと苦手。葉が固くなってしまいます。柔らかい葉を収穫したければ、夏場は明るい半日陰に移してあげるのもよいでしょう。葉を採りすぎると光合成ができなくなり苗が弱りますので、食べすぎにご用心。常時10枚程の葉は残してください。真冬以外ほぼ一年中収穫ができる頼もしい相棒!
春植えは4〜5月に植え付ければバッチリです。草丈20cm程になったら収穫開始! 外葉から順に摘み取り使いましょう。

冬越しした2年目の春には、つぼみが立ち上がりだします。花を咲かせる準備が始まると葉が固くなってくるので、引き続き柔らかい葉を収穫したいなら、エイヤー! っと、花茎を根元から切り取ってしまいましょう! 種を取りたい場合はそのまま花を咲かせると、大量の種を付けます。地植えでガーデンや畑などで栽培している場合は、こぼれ種でも芽を出すでしょう。
花が咲く頃に集まってくるのが「アカスジカメムシ」。イタリアンパセリやフェンネルなどのセリ科が大好物。背中はストライプ柄、腹面はドット柄の「おしゃれカメムシ」です。この毒々しい見た目は鳥からの捕食を逃れる為だそうですが、自然界の創造物の美しさにため息が出ちゃう♡ ご安心ください。アカスジカメムシの「カメムシ臭」は弱めです。機会があれば近寄ってじっくりと、自然の創造美をご堪能あれ!

2年目で葉も茎も固くなってきたイタリアンパセリは、煮込みの香り付け、セロリ代わりに。ジェノベーゼのようなペーストにも向いています。私のお気に入りは、バーベキューやサムギョプサルなど、焼いたお肉と少し固めのイタリアンパセリ! 心地よい苦みと爽やかさで、カロリーオフ気分。バーベキューや鉄板焼きの際にぜひお試しを。
ルーシー流「クミン香るイタリアンパセリのパンツァネッラ」

今回のパンツァネッラに使うドレッシングは、「酢」「オリーブオイル」「砂糖」の基本の調味料をベースに、クミン、醤油、ナンプラーを加えてエキゾチックに。パンを使うサラダですが、和食にも合うドレッシングを作ります。イタリアンパセリの爽やかさと軽やかな苦みとの相性がバッチリ!
旬のスティックセニョールはグリルに。生野菜だけのサラダよりも満足感が出て、消化にもよい、火を通したお野菜を合わせます。
■ サラダ材料

- バゲット 1本分
- トマト 約3個分 ※今回はミニトマトも合わせて
- キュウリ 1本
- モッツァレラチーズ お好みで適量
- 紫玉ねぎ 1/4個
- スティックセニョール 10本 ※アスパラなどでも美味しいです
- イタリアンパセリ 10本程
■ ドレッシング材料

- バルサミコ酢 大さじ4
- 砂糖 大さじ1
- オリーブオイル 大さじ4
- クミン 小さじ1/2
- 醤油 小さじ1
- ナンプラー 小さじ1/2 ※塩小さじ1/2でも代用可
■ 作り方
① ドレッシングの全てを瓶に入れてよく振り、15分ほど放置する。
② トマトを一口大に切り、塩(分量外)を小さじ1加えて軽く混ぜる。
③ スティックセニョールはオリーブオイルと塩少々(どちらも分量外)でフライパンで焼く。
④バゲットを半分にスライスして、オリーブオイル適量(分量外)をかけて、トースターやオーブンでカリッとするまで焼く。冷めたら手で適当な大きさにちぎる。
大きめの一口サイズに。
⑤ イタリアンパセリはみじん切り、キュウリは一口サイズにし、紫玉ねぎはスライスする。
①と②と共にボウルに入れて、ドレッシングとさっくり混ぜる。
※トマトから出た水分は捨てずに一緒に混ぜる。
キュウリは歯ごたえのある厚さに。
軽く混ぜるのがポイント。
⑥ お皿に盛りつけて、仕上げにイタリアンパセリを飾れば完成! 出来たての状態はパンがカリカリ、時間をおけばパンにドレッシングが染み込んでしっとりとしてきます。お好みの状態で召し上がれ!

サラダに選ぶ器は平たい大皿がおすすめ。どうしても「サラダボウル」みたいなお皿に盛り付けがち。フラットに盛りつけることで、それぞれの野菜のテクスチャーや色味が活かされて、ごちそう感がアップします。ただのサラダですが「されどサラダ」。ワンパターンにならないように、お皿にも目を向けて楽しい毎日をセルフプロデュース! 自作自演で変化を楽しみましょ♡
Credit
写真&文 / ルーシー恩田

ルーシー・おんだ/アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト。20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。
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