フラワー&フォトスタイリストとして活躍する一方で、ハーバルセラピストの資格を持つ海野美規さん。暮らしの中で植物の持つ力を生かす方法の一つに、ペットのための自然療法があるといいます。今回ご紹介するのは、舐めても安心な手づくりの肉球クリーム。犬だけでなく、人にも使えますよ。

Print Friendly, PDF & Email

肌荒れの季節! 手づくり肉球クリームでお手入れ

木枯らしに落ち葉の舞う季節。手荒れなど乾燥が気になります。犬の肉球も、この時期はガサガサになります。冷たいアスファルトの上を歩いたり、乾燥した芝生の上を歩いたりすると、肉球はガサガサになって、固くなってしまいます。そうなると、何かを踏んでしまった時には怪我をしやすくなるそうですので、私たちと同じようにしっかりお手入れをしてあげたいなと思います。

我が家にいる黒柴の女の子あんは、足を舐める癖があって、肉球にクリームを塗るのはちょっと……と思っていました。でもガサガサゴワゴワでかわいそう。そこで、自然の材料を使って安心安全な軟膏クリームをつくることにしました。つくり方は簡単ですし、ヒト用のかかとフットクリームにもなります。

ぜひ一度お試しください。

<材料>

ミツロウ      2.5g

シアバター   1.5g

ホホバオイル     20㎖

精油  1滴(今回はラベンダー)

遮光できる保存ビン

ラベルシール

<手順>

1.耐熱性のビーカーに、ミツロウ、シアバター、ホホバオイルを入れて湯煎にかけます。ホウロウのバットに湯を張り湯煎しました。湯が冷めてしまったら、そのまま火にかけて熱くします。

2.すっかり混ざったら、お好みの精油を1滴入れます。犬の体重によるので(あんは約11kg)、もっと小さな犬の場合は1滴より少なくしたほうがよいかもしれません。また香りが嫌いな場合は、精油は入れなくても大丈夫です。人間用の場合には2〜3滴に増やしてもOKです。

3.精油がよく混ざったら、遮光性のあるガラスの保存ビンに入れて、固まってきたらでき上がりです。ビンにラベルを貼っておき、3カ月以内に使い切るようにします。

今回使ったミツロウは、ミツバチが巣をつくる時に分泌するワックスで、穏やかな抗菌作用と皮膚を柔らかくする働きがあります。60~70℃で溶けます。

今人気のシアバターは植物性のバターで、保湿に優れていたり、虫除けにもなったり、いろいろな作用があることで注目されています。敏感肌に使えるところも安心です。

ホホバオイルは、キャリアオイル(アロママッサージの時など)として使われるものの一つで、植物性のワックスです。皮膚への刺激が少ないのが嬉しいです。

精油はオーガニックのものが安心です。好きな香りを選べばよいのですが、あんの場合は柑橘系があまり好きではないようなので、穏やかなオーガニック・ラベンダーの香りにしました。

ミツロウ、シアバター、ホホバオイルなどの基材は、アロマテラピー関連のお店にあります。私は「生活の木」というお店で購入します。通販サイトもあり、少量から売られていますので便利です。精油も信頼のおけるブランドを選んで購入するようにするとより安心ですね。

ミツロウ+シアバターのクリームは、かかとガサガサの私も今すぐ使いたい! クリームです。あんの場合は、1回にほんの少し(つまようじの先ほど)使います。残りは私のためのクリームとなります。あんと私であっという間になくなりそうです。

Credit

写真&文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。http://www.annegarden.jp

Print Friendly, PDF & Email